〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第4回「お燗」

〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第4回「お燗」

🍶 酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ

この企画は、お酒の用語や造り、歴史など、少し分かりにくい話を噛み砕いて整理するために、 地酒専門店 酒逢の店主とAIが対話形式で掘り下げていく企画です。

店主の知識や経験をベースに、AIで資料やデータを整理しながら、 「なぜ?」「本当に?」まで確認していきます。

今回は「お燗」について。 現在では少し専門的な飲み方に見られることもありますが、 歴史を辿ると、むしろ燗酒が日本酒のごく普通の飲み方だった時代が長くありました。

さらに今回は、温度によって味や香りが変わる理由、 「燗酒は悪酔いしにくい」という話は本当なのか、 そして家庭ではどこまでこだわればいいのか――といったところまで掘り下げています。

なるべく史料や研究など、根拠を確認できる資料をもとに話を進めていますが、 歴史的な経緯については、資料から確認できる事実と、 そこから私たちが組み立てた仮説が混ざる部分もあります。

すべてを「確定した事実」としてではなく、 酒屋とAIが資料を見ながらあれこれ考えている“壁打ち”としてお楽しみください😁

📑 この記事の目次

  1. お燗シーズンを前に。「少しだけ敷居が高い」と思われがちなお燗について
  2. 昔の日本酒は、むしろ燗が普通だった?
  3. 「日本酒=冷酒 or 冷や」は、いつごろから?
  4. お燗が“マニアの世界”になったのは、飲食店で面倒だから?
  5. そもそも「熱燗」は、お燗全部の名前じゃない
  6. お燗すると味が変わるのは、お酒の成分が変わる? 人間の感じ方が変わる?
  7. 「口当たりが軽くなる」のはなぜ?
  8. 冷やでは無かった香りが出て、あった香りが消えるのは?
  9. 酸味や旨味も、温度で感じ方が変わる?
  10. 温度を上げてから少し落とす燗には意味がある?
  11. 「燗酒は悪酔いしない」「翌朝が楽」は本当?
  12. 家のお燗は、もっと雑でいい
  13. 「燗向きの酒」じゃない酒も、温めてみていい?
  14. 夏だって、お燗は美味い
  15. 家のお燗と、プロのお燗は別物でいい
  16. 結局、お燗ってそんなに難しい?

お燗シーズンを前に。「少しだけ敷居が高い」と思われがちなお燗について

〖酒逢店主🍶〗

もうすぐお燗が美味しい季節だし、今回は「お燗」にしよう。

で、いきなりなんだけどさ。

今って、お燗が日本酒の“普通の飲み方”から、ちょっとだけ外れちゃってる気がするんだよね。

〖AI 🤖〗

というと?

〖酒逢店主🍶〗

例えば誰かが、

「昨日、日本酒飲みすぎちゃってさ〜」

って言ったとするでしょ?

そこで頭に浮かぶ日本酒って、たぶんキンキンに冷えた酒をおちょこで飲んでる絵でしょ。

なんなら最近ならワイングラスかもしれない。

逆に、

「俺、お燗が好きなんだよね」

って言うと、ちょっと日本酒趣味をこじらせたマニアみたいな雰囲気すらない?(笑)

飲みをセッティングして誘う時にも

「とっておきの、お燗の美味しい店、予約しておいたよ(キリッ)」

っていうのも、そんな一般的じゃないだろうし(笑)。

〖AI 🤖〗

ずいぶんな言われようですが(笑)。

確かに現在のお燗には、

「日本酒を普通に飲む方法の一つ」

というより、

「日本酒に詳しい人が行き着く、ちょっと専門的な世界」

というイメージがありますね。

〖酒逢店主🍶〗

でも、それ勿体ないと思うんだよ。

冷やして美味しい日本酒がたくさんあるのは当然として、 お燗すると全然違う顔が出てくる酒も、お燗でこそ本領発揮する酒もいっぱいある。

なのに、

「お燗は難しそう」
「どの酒を何度にすればいいのか分からない」
「道具も必要そう」

ってなったら、最初からやらないでしょ?

そもそもお燗は、歴史的にはどんな感じで受け入れられていたの?


昔の日本酒は、むしろ燗が普通だった?

〖AI 🤖〗

そこが面白いところで、歴史的にはむしろ逆です。

酒を温めて飲んだ記録は古くから見られ、 時代が下るにつれて酒宴や酒盛りの中で燗酒が広がっていきます。

江戸時代には料理屋や居酒屋などにも広まり、 一年を通じて燗で酒を飲む習慣が一般化していったとされています。 ※1

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

「冬だから今日は特別にお燗にしよう」

じゃなくて、

「日本酒飲む?じゃぁお燗するね(さて湯煎を準備して…と)」

の方が普通だった時代が長いわけだ。

〖AI 🤖〗

そう考えていいと思います。

もちろん冷たい酒が存在しなかったわけではありません。

儀礼的な酒席では燗をしない酒が使われることもありましたし、 冷たい状態で飲む文化もあります。

ただ、庶民の日常的な酒の飲み方として、燗酒が非常に大きな位置を占めていた。

だから現代の、

「冷酒が標準で、燗酒はちょっと特殊」

という感覚を、そのまま昔に持ち込まない方がいいです。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ逆に聞きたいんだけど…

いつから日本酒って、「スタンダードとしてはお燗じゃなく飲むもの」 みたいになったの?


「日本酒=冷酒 or 冷や」は、いつごろから?

〖AI 🤖〗

ここは戦後から1980年代あたりまでを続けて見ると、かなり景色が見えてきます。

まず戦中戦後、日本酒は非常に厳しい状況に置かれました。

戦時中は原料米が不足し、生産量も減少。 市場では酒を水で薄めた、いわゆる「金魚酒」と呼ばれるような酒まで問題になりました。 ※2

戦後も食糧不足が続き、1949年にはアルコールや糖類などを利用する三倍増醸が始まっています。 1951年には合成清酒も、日本酒の約6割に相当する量が造られていました。 ※3

〖酒逢店主🍶〗

ただ、ここは

「三増酒=全部不味い酒」

みたいに雑には言わない方がいいよね。

〖AI 🤖〗

そこは重要です。

製法だけを見て「全部粗悪」とするのは乱暴です。

ただ、

酒が不足した時代

量を確保することが優先された時代

大量流通する均質な酒

という歴史があって、消費者の側に 「昔の日本酒はあまり美味しくなかった」という記憶が残った。

そこは無視できないと思います。

酒文化研究所も、その後の日本酒ファンの語りとして、 「昔飲んだ日本酒は酷かった。でも、ある地酒・吟醸酒を飲んで日本酒観が変わった」 というパターンが広く見られたと指摘しています。 ※1

〖酒逢店主🍶〗

これは俺も分かるんだよ。

俺が成人してお酒に触れだした1998年頃には、居酒屋のメニューに

「清酒(燗)」

ってのが普通にあったわけだけれど、銘柄が書いてあるわけでもなくて。

で、飲み会で出てくるその燗酒が……まあ、まぁ酷かった記憶がある(笑)。

もちろん大学生が行けるような、高級じゃない居酒屋、チェーン店中心だったからかもしれないけれど。

〖AI 🤖〗

その実体験は、かなり象徴的ですね。

「燗酒そのものが不味い」というより、

「安い居酒屋で、銘柄もよく分からない酒を熱くして出された」

という経験が、そのまま「燗酒」のイメージになった人は少なくなかったのかもしれません。

その一方で1970~80年代以降、吟醸酒や生酒といった新しい日本酒の価値が広がっていきます。

そして従来の日本酒との違いを、消費者に一目で分かる形で伝える方法の一つが、

「これは冷やして飲む酒です」

だった。

1980年代には、生酒・生貯蔵酒などを含め、冷やして飲む日本酒の提案が広がっていきます。 酒文化研究所は、この流れの中で 「高品質な酒=冷酒」「燗をするのは安い酒」というイメージまで生まれた可能性を指摘しています。 ※1

〖酒逢店主🍶〗

ああ、それなら妙に腑に落ちるな。

戦後のあまり良くない日本酒の記憶がある。

その後、吟醸酒とか、手間暇かけた地酒を飲んで、

「え、日本酒ってこんなに華やかで綺麗なの?」

となる。

しかもそれを冷酒で飲む。

冷酒=新しい日本酒、上質な日本酒

燗酒=昔の安い日本酒

みたいな。

〖AI 🤖〗

大筋としては、そういう流れは考えられます。

ただし、

「この出来事が原因で燗酒が衰退した」

と一つの原因に決めることはできません。

生活様式、外食産業、冷蔵設備、流通、嗜好の変化など、 いろいろな要因が重なっています。

〖酒逢店主🍶〗

そこで俺、もう一個仮説があるんだけど。


お燗が“マニアの世界”になったのは、飲食店で面倒だから?

〖酒逢店主🍶〗

飲食店側からすると、お燗って冷酒より圧倒的に面倒じゃない?

冷酒なら、

「この酒ください」

って言われたら、冷蔵庫から出して注げばいい。

でも、

「これ、お燗で」

って言われたら、

この酒は燗したらどうなる?
本当にお燗したら美味しくなるの?
お燗するなら何度がいい?
熱め?ぬるめ?
料理は何を食べてる?
どのタイミングで出す?

ってなるでしょ?

老舗の料亭ならそこらへんは慣れたもんかもしれないけど、 個人店の飲食店さんの場合、スタッフが未成年の大学生バイトの場合とか、 その“前捌き”とかが結構難しいよね。

〖AI 🤖〗

確かに、提供オペレーションとしては要素が増えますね。

そして、その専門性を象徴するような存在として「お燗番」という言葉があります。

昔の料亭などでは、適温に燗をつける専任の「燗番」を置くところもありました。 現在でも、飲食店や日本酒イベントなどで、 燗酒を専門的に提供する人を「お燗番」と呼ぶことがあります。 ※4

単に徳利を温めるだけではなく、 酒の個性を見て、料理やその場の状況に合わせて温度を考え、 使う道具や酒器、提供するタイミングまで調整する。

そこまで行くと、かなり職人的な仕事です。

〖酒逢店主🍶〗

そうだよね。そういう役割がわざわざ成立するくらいなんだよ。

例えば、

「お客さん、この酒なら熱燗より、まず40℃くらいから試してみません?」

みたいなことを自然に言うには、それなりに酒を飲んで経験してなきゃ無理でしょ。

それを普通の居酒屋で、全スタッフに要求するのも現実的じゃない。

で、ちゃんと燗をやってくれる店だけがどんどん専門化して、

「あそこは燗がすごい店」

になる。

その結果、意図せずして、お燗自体がマニア側へ移動していった部分もあるんじゃない?

〖AI 🤖〗

可能性としては面白いと思います。

ただ、ここは今回確認した資料から直接、

「飲食店のオペレーション負荷が原因で燗酒がマニアっぽい立ち位置に移動した」

とまでは言えません。

あくまで仮説としてですね。

でも、

冷酒は銘柄を選べば、そのまま提供しやすい。

燗酒は銘柄を選んだ後に、さらに「温度」という調理に近い工程が入る。

しかも突き詰めれば、「お燗番」という専門性まで生まれる。

この違いは確かにあります。

〖酒逢店主🍶〗

そう。

だから俺は、

「燗酒が難しい」

っていうより、

「こだわった燗酒は、確かに難しい」

なんじゃないかと思うんだよ。

家で楽しむお燗まで、そこに合わせる必要ないだろって。


そもそも「熱燗」は、お燗全部の名前じゃない

〖AI 🤖〗

その前に、検索でこの記事に来た人のためにも、温度の呼び方は一回整理しておきましょう。

日本酒造組合中央会では、おおよその目安として、 ※5

  • 日向燗(ひなたかん) 30℃前後
  • 人肌燗(ひとはだかん) 35℃前後
  • ぬる燗(ぬるかん) 40℃前後
  • 上燗(じょうかん) 45℃前後
  • 熱燗(あつかん) 50℃前後
  • 飛び切り燗(とびきりかん) 55℃以上

と紹介しています。

〖酒逢店主🍶〗

だから、

「熱燗ください」

は、

「温かい日本酒ください」

と完全に同じ意味じゃないんだよね。

〖AI 🤖〗

そうです。

熱燗は、お燗全体の名前ではなく、50℃前後の温度帯を指す呼び方です。

せっかくなので、お燗ではない温度帯も含めて全部並べると、

  • 雪冷え(ゆきびえ) 5℃前後
  • 花冷え(はなびえ) 10℃前後
  • 涼冷え(すずびえ) 15℃前後
  • 冷や・室温 20℃前後
  • 日向燗(ひなたかん) 30℃前後
  • 人肌燗(ひとはだかん) 35℃前後
  • ぬる燗(ぬるかん) 40℃前後
  • 上燗(じょうかん) 45℃前後
  • 熱燗(あつかん) 50℃前後
  • 飛び切り燗(とびきりかん) 55℃以上

という感じです。 ※5

〖酒逢店主🍶〗

こうやって並べると、日本酒ってすごい温度幅で飲む酒なんだな。

しかも名前がいちいち綺麗だよね。

雪冷え、花冷え、日向燗、人肌燗って。

ただ、

「ぬる燗は40℃だから、39℃では完成していません!」

みたいな話じゃないよね(笑)。

〖AI 🤖〗

もちろん(笑)。

中央会の表現も「30℃近辺」「35℃近辺」といった目安です。

温度名は「正解の温度」ではなく、地図みたいなもの、と考えた方がいいでしょう。


お燗すると味が変わるのは、お酒の成分が変わる? 人間の感じ方が変わる?

〖酒逢店主🍶〗

で、ここをがっつり掘り下げて説明して欲しい。

お燗すると、本当に同じ酒か?ってくらい変わることあるでしょ?

あれって、

酒の成分自体が加熱で変化してるの?

それとも人間の舌が、温度によって違って感じてるの?

〖AI 🤖〗

答えは、

「両方。ただし普通のお燗では、人間の知覚変化と香りの出方の変化がかなり大きい」

と考えるのがよさそうです。

1981年に、市販清酒18点を45℃で5分間加温して燗前後を分析した研究があります。

日本酒度、酸度、糖分、pH、アミノ酸組成、有機酸組成などには、大きな変化は確認されませんでした。

一方でアルコールはわずかに減少し、 アルデヒド類など一部の成分には変化が見られています。 ※6

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「40℃になった瞬間、旨味成分が急増しました!」

ではない。

〖AI 🤖〗

そういうことです。

普通のお燗は、日本酒を煮込んで別の飲み物に化学変化させているわけではありません。

でも、飲む温度が変わることで、

  • 香りの立ち方
  • 味覚の感じ方
  • アルコール刺激
  • 苦味や収斂感
  • 酸味の感じ方

などが動く。

だから味全体の印象は大きく変わります。


「口当たりが軽くなる」のはなぜ?

〖酒逢店主🍶〗

例えばさ。

燗すると、口当たりが軽くなってスルスル入る酒があるでしょ?

冷やだと結構どっしりしてたのに。

あれは?

〖AI 🤖〗

一つのヒントになる研究があります。

清酒に多いアミノ酸を使った官能試験で20℃と43℃を比較すると、 43℃では苦味や収斂感が軽くなり、 「マイルド」「ソフト」と評価された例があります。 ※7

〖酒逢店主🍶〗

ああ、それだ。

個性強めの生酛・山廃とか、がっつり熟成した酒で、

冷やだと、

「うわ、なかなか強いなこれ……」

って思ったのに、燗にした途端、

「え? なにこれ? 急に滑らかに!?美味い!」

ってなることあるでしょ?

あれもこの辺が関係してそうだね。

〖AI 🤖〗

関係している可能性はあります。

ただ、

「苦味が消えるから生酛・山廃は燗向き」

と一つの理由に決めるのは早いですね。

温度を上げれば香りも変わるし、酸の感じ方も変わる。

冷たい状態ではそれぞれがバラバラに主張して「クセ」に感じられていたものが、 温めることで全体として馴染み、

「複雑さ」
「コク」
「旨さ」

として感じられることもある。

〖酒逢店主🍶〗

「クセが無くなる」じゃなくて、

「クセが旨さに化ける」

みたいな。

〖AI 🤖〗

まさに、お燗の面白さの一つだと思います。


冷やでは無かった香りが出て、あった香りが消えるのは?

〖酒逢店主🍶〗

あと香り。

冷やでは果物っぽい香りがしてたのに、 燗にするとそれが引っ込んで、米とか穀物っぽい香りが急に出てきたりする。

これは実際に酒側で何か起きてる?

〖AI 🤖〗

これはかなり酒側の物理現象として説明できます。

島津製作所と大阪大学が、 日本酒を36℃、45℃、55℃の条件で測定した分析があります。

その結果、温度によって酒の上の空間に出てくる香気成分の構成が変わりました。

例えば果実香に関係するカプロン酸エチルなどは36℃で多く、 一方でβ-フェニルエチルアルコール、1-ブタノール、シトロネロールなどは 55℃で多く検出されています。 ※8

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「温めると香りが変化する」

だけじゃないんだ。

〖AI 🤖〗

そこが大事です。

全部の香りが一斉に変化するわけではなく、

「どの香りが前に出てくるかが変わる」

と考えた方が近い。

だから同じ酒なのに、

冷酒では果実っぽい

燗では米、穀物、花、熟成香など別の要素が見えてくる

ということが起こり得ます。

〖酒逢店主🍶〗

それなら、

「こんな華やかな酒、燗なんかしたら香り飛んじゃうよ」

って最初から決めるのも勿体ないね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

実際、日本酒造組合中央会も、 香りの高いタイプについて「絶対に燗してはいけない」とはしておらず、 ぬる燗も選択肢に含めています。 ※5


酸味や旨味も、温度で感じ方が変わる?

〖酒逢店主🍶〗

酸も変わるよね。

燗すると酸が柔らかくなる酒もあるし、逆に酸がピッと立って締まる酒もある。

〖AI 🤖〗

そこも面白い研究があります。

日本酒に含まれる代表的な有機酸である乳酸、コハク酸、リンゴ酸などを、 温度を変えて官能評価した実験です。

すると、それぞれ温度に対する感じ方が違いました。

乳酸やコハク酸は37~43℃付近で「ソフト」「まろやか」と評価される一方、 コハク酸は50℃で酸味をより強く感じる。

リンゴ酸は10℃で爽快ですっきりした印象が強かった。

さらに清酒に近い形で複数の酸と糖、アルコールを組み合わせたモデルでは、 43℃で酸味を強く感じながらも、 同時に「まろやか」「バランスが良い」と評価されています。 ※9

〖酒逢店主🍶〗

これも面白いね。

「燗にすると酸がおとなしくなる」

じゃないんだ。

〖AI 🤖〗

そう。

酸味の強さが増すのに、全体としては柔らかく美味しく感じることすらある。

だから、

「温める=全部丸くなる」

でもないんです。

酒によっては温度を上げることで酸が輪郭を作って、むしろキレが出る。

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

お燗って、

「旨味を増やすスイッチ」

というより、

酒の中に元々あったものの見え方を変える操作

くらいの方が近いのか。

〖AI 🤖〗

かなり近いと思います。

酒の中身が魔法のように別物になるというより、

酒から出てくる香りと、人間が受け取る味覚の両方が動く。

その結果、同じ一本から別の表情が出てくる。


温度を上げてから少し落とす燗には意味がある?

〖酒逢店主🍶〗

ここまで聞くと、もう一つ気になることがある。

お燗にこだわる店なんかで、

「この酒は一度高めまで温度を上げて、少し落ち着かせたところで出す」

みたいな燗のつけ方があるでしょ?

あれも、ちゃんと味として意味があるの?

〖AI 🤖〗

意味がある可能性は十分あります。

先ほどの研究でも、加温するとアルデヒド類など一部の成分に変化が起きています。 ※6

温度が高くなれば、酒から揮発する成分の状態も変わります。

そのため、

「最初から40℃まで温めた酒」と、
「いったんもう少し高い温度まで上げてから40℃付近まで落ちた酒」

が、厳密に同じ状態とは限りません。

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

じゃあ、

「高めまで上げて、少し冷めたところが一番いい」

みたいなのは、単なる気分の問題とは限らないんだ。

〖AI 🤖〗

そうですね。

実際に飲み比べて、その酒が一番まとまる温度の動かし方を探している人もいます。

ただし、

「すべての酒に共通して、この温度まで上げて、この温度まで落とせば美味しくなる」

という普遍的な法則があるわけではありません。

今回確認した範囲でも、細かな温度履歴について、

「この数値が科学的な最適解です」

と示せるような比較研究までは確認できませんでした。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

数字そのものが絶対の正解というより、

その人がいろんな酒を燗してきて、

「この酒は、この辺まで上げて、この辺まで落ちたところが好き」

って積み重ねてきた技術なんだね。

〖AI 🤖〗

そう捉えるのがいいと思います。

酒の状態や保存状態、酒器、料理、提供するタイミングなどによっても条件は変わります。

だから細かな温度設計は、

「誰にでも守るべきルール」

というより、

経験を積んだ人が、その一杯をより美味しくするために使う技術の一つ。

先ほど話した「お燗番」のような専門性にもつながる世界ですね。

〖酒逢店主🍶〗

それならすごく納得。

飲食店でそういう燗を出してもらうのは面白いし、

「そこまで考えるのか!」

って楽しめばいい。

でも家で飲む人が、

「そこまで出来ないから、お燗は難しい」

になったら勿体ないよね。

〖AI 🤖〗

まさにそうですね。

家庭では、まず温めてみる。

そこから、

「もう少し熱い方が好き」
「少し冷めたところが美味しい」

と自分なりに見つけていくだけでも、十分お燗の面白さを楽しめます。


「燗酒は悪酔いしない」「翌朝が楽」は本当?

〖酒逢店主🍶〗

あと、お燗にはもう一個あるでしょ?

「燗酒は悪酔いしない」
「翌朝が楽」

って話。

俺も感覚として、 燗でゆっくり飲んだ日は楽な気がすることあるんだけど。

あれ科学的にはどうなの?

〖AI 🤖〗

ここはかなり慎重に言った方がいいです。

昔から、

「冷酒は体内で温まってから吸収されるので酔いが遅れて来る」
「燗酒はすぐ吸収されるから、自分がどれだけ酔ったか分かりやすい」

という説明があります。

ただ、アルコール吸収は食事の有無や飲酒量、飲む速さなど様々な条件の影響を受けます。

さらに2018年には、14人の健康な成人に、 同量のアルコールを含む飲料を3℃と55℃で飲んでもらい、 呼気アルコール濃度などを比較した研究があります。

この実験では、アルコール血中動態は飲料温度によって変わらなかったと報告されています。 ※10

〖酒逢店主🍶〗

あら。

じゃあ、

「燗酒は体温に近いからすぐ吸収される」

っていう説明は、そんな単純じゃないんだ。

〖AI 🤖〗

少なくとも、その説明を科学的に確定した仕組みとして扱うのは難しいですね。

もちろん日本酒そのものを使った大規模試験ではありませんし、 14人という小さな研究なので、

「温度は絶対何の影響もない」

とまで言う必要もありません。

ただ、

「冷酒は身体で温まるまで吸収されない」

という単純な説明は支持されにくい。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあなんで、

「燗の方が翌朝楽だった」

って体験はあるんだろう?

〖AI 🤖〗

一番あり得るのは、「酒」より「飲み方」が変わることです。

熱い酒を一気にゴクゴク飲む人はあまりいません。

料理を食べながら、猪口で少しずつ飲んで、 温度が下がっていく変化も楽しむ。

結果として飲むペースや総量が変われば、 翌朝の状態が違っても不思議ではありません。

酒類総合研究所も、 いわゆる「ちゃんぽん」で悪酔いすると言われる理由について、 飲み合わせそのものより飲み過ぎが原因と考えられる、と説明しています。 ※11

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「燗にすると酒が(比較的)身体に優しい物質に変化します!」

じゃない。

「燗にすると、飲み方が優しくなる人はいる」

くらいか。

〖AI 🤖〗

その表現がかなり安全だと思います。

もちろん、燗酒でも飲み過ぎれば普通に二日酔いになります(笑)。


家のお燗は、もっと雑でいい

〖酒逢店主🍶〗

で、俺が一番言いたいのはここ。

ここまで温度の話とか科学の話とかやっといてなんだけど……

家でやるお燗なんて、もっと雑でいいと思うんだよ(笑)。

〖AI 🤖〗

今回の結論がそれですか(笑)。

〖酒逢店主🍶〗

いや、ちゃんと美味しいお燗をやろうと思ったら、

酒燗器を買って、
ちろり買って、
温度計買って、
湯煎して……

ってやりたくなる気持ちは分かる。

それはそれで楽しい。

でもそれが入口になったら面倒臭いでしょ?

〖AI 🤖〗

家庭なら電子レンジを使ってもいいですし、 湯煎なら比較的ゆっくり、均一に温度を上げやすいです。

〖酒逢店主🍶〗

「せっかく燗するならレンジでチンは嫌だなあ」

って気持ちも分かるんだけどね(笑)。

だったら耐熱のコップに少し多めに酒を入れて、 ティファールなんかで沸かしたお湯を耐熱のボウルや鍋に移して、 そこにコップを浸けて温めるだけでもいい。

別に最初から錫のちろりを買う必要はない。

〖AI 🤖〗

それで十分、お燗です。

〖酒逢店主🍶〗

で、

一口飲む。

「まだぬるいな」

と思ったらもう一回温める。

「あ、この辺うまい」

と思ったらそこで飲む。

飲んでるうちに冷める。

「あれ? 冷めたらまた味変わった」

ってなる。

それで十分でしょ?

〖AI 🤖〗

むしろ、それだけで、

温度を上げた時の変化

高い温度での味

燗冷まし

まで一通り経験できます。

〖酒逢店主🍶〗

そうなんだよ。

「正しい燗のつけ方を覚えてからやる」

じゃなくて、

とりあえず温めてみればいい。


「燗向きの酒」じゃない酒も、温めてみていい?

〖酒逢店主🍶〗

当然、

「これは燗で美味しいですよ」

って造り手が勧めてる酒は、ちゃんと燗で飲んでほしい。

それはまずやってほしい。

でも、それだけじゃなくてさ。

冷酒で飲んで美味しかった酒を、

「これ温めたらどうなるんだろ?」

ってやるのも面白いでしょ?

〖AI 🤖〗

そこがお燗を「実験」にする楽しさですね。

〖酒逢店主🍶〗

そう。

「華やかな吟醸だから燗は無し」
「生酒だから燗は無し」
「生酛だから燗」
「熟成酒だから高め」

みたいに、知識で全部答えを決めちゃう必要ない。

やってみて不味かったら、

「あ、この酒は俺は冷たい方が好きだな」

で終わり。

一合もいらない。

ちょっと温めれば分かるんだから。

〖AI 🤖〗

温度帯の目安や酒質ごとの推奨温度は、 失敗を減らすためのガイドとして便利です。

でも、それは「禁止事項」ではない。

日本酒造組合中央会の飲用温度の説明を見ても、 日本酒には幅広い温度帯があり、 酒質によって温度による変化を楽しめることが示されています。 ※5

〖酒逢店主🍶〗

そういう意味で、

お燗って日本酒の味を変えるというより、

一本の酒の中にある別の顔を探す遊び

だと思うんだよね。


夏だって、お燗は美味い

〖酒逢店主🍶〗

あと最後にこれ言わせて。

「お燗は冬でしょ」

っていうのも、俺は違うと思う。

夏でも美味いからね。

〖AI 🤖〗

歴史的にも、燗酒は冬だけに限定された飲み方ではありません。

江戸期には一年を通じて燗を楽しむ文化が広がっていたとされています。 ※1

〖酒逢店主🍶〗

そうそう。

夏だからって、

「暑いから今日の味噌汁、冷蔵庫でキンキンに冷やしておきました!」

とは普通ならないでしょ(笑)。

温かいから美味しいものは、暑い日でも美味しい。

お燗もそれと同じだと思うんだよ。

〖AI 🤖〗

さすがに冷や汁には怒られそうですが(笑)。

〖酒逢店主🍶〗

あれは別ジャンルだから(笑)。


家のお燗と、プロのお燗は別物でいい

〖酒逢店主🍶〗

ただし、ここまで

「適当でいい」
「レンジでもいい」
「温度計なんかなくてもいい」

って言ってきたけど。

お燗が得意な飲食店さんで出てくる一杯は、また別だと思ってる。

〖AI 🤖〗

そこは矛盾しませんね。

〖酒逢店主🍶〗

酒の状態を見て、
料理を見て、
温度を決めて、
酒器を決めて、
上げ方も考えて、
客が口にする時の温度まで考える。

そこまでこだわって出てくるお燗は、もう芸術品だと思う。

俺も、

「こんな燗つけられるようになりたいな」

って思うし。

ある意味、目標。

〖AI 🤖〗

さっき出てきた「お燗番」の世界は、まさにその先にあるものですね。

でも、

「プロがそこまでやっている」

「だから素人は適当に燗しちゃいけない」

ではない。

料理だって同じですよね。

一流料理人が作る料理は芸術品でも、 自宅で味噌汁を作るのに料理学校へ行く必要はない。

〖酒逢店主🍶〗

まさにそれ。

専門店のお燗を飲んで、

「お燗ってここまで出来るんだ!」

って感動する。

家では家で、

「昨日よりちょっと熱めにしてみよう」
「この酒、冷酒より燗の方が好きだな」
「え? このタイプも燗にするとこんな味になるんだ」

って遊ぶ。

両方あっていい。


結局、お燗ってそんなに難しい?

〖酒逢店主🍶〗

ここまで話してきて思うけど、

お燗って「難しい飲み方」なんじゃなくて、

家で気軽に温めて楽しむ世界と、 お燗番みたいな人たちがとことん突き詰めていく深い世界が、 同じ「お燗」って言葉で語られてるから難しく見えるのかもしれないね。

〖AI 🤖〗

それはありそうです。

温度の呼び方や、酒質ごとのおすすめ温度を知っておくのは便利です。

でも家庭で楽しむ段階から、

「この酒の最適温度は何度なのか」
「どういう温度変化をさせるのが正解なのか」

まで突き詰める必要はありません。

一方で、こだわれば、

酒の状態、料理、酒器、温度、温度の動かし方、 提供するタイミングまで組み合わせて一杯を仕上げる。

つまり、

「入口はものすごく簡単。でも、奥はものすごく深い」

という飲み方なんでしょうね。

〖酒逢店主🍶〗

うん。

で、俺としては別に、

「冷酒よりお燗の方が偉い!」

って言いたいわけじゃない。

華やかな酒をキンキンに冷やして飲むのも大好きだし(笑)。

ただ、

冷やして飲んで終わりだった一本に、

30℃、40℃、50℃……

って別の表情があるかもしれない。

それを最初から、

「難しそうだからやらない」

は勿体ないと思う。

〖AI 🤖〗

お燗は、

「正解の温度を当てる競技」

ではないですからね。

〖酒逢店主🍶〗

そう。

まず温めて飲んでみる。

美味かったらそれで正解。

もう少し熱くしてみる。

冷めてきたところも飲んでみる。

違う酒でもやってみる。

その経験が増えると、

「ああ、俺はこういう酒をこの辺の温度で飲むのが好きなんだな」

って少しずつ分かってくる。

それでいいと思う。

お燗を難しくしてるのって、案外、

「ちゃんとやらなきゃ」

って俺たち自身が思い込み過ぎてることなのかもしれないね。

〖AI 🤖〗

そして、突き詰めたくなったら、その先にはとんでもなく深い世界がある。

最初は簡単なのに、どこまでも掘れる。

それがお燗の面白さなのかもしれません。

〖酒逢店主🍶〗

いいね。

じゃあ今年は、

「お燗向きって書いてある酒を燗する」

だけじゃなくて、

冷蔵庫に入ってる酒を見て、

「お前、温めたらどうなる?」

くらいの感じで遊んでみてください(笑)。

日本酒の楽しめる幅、たぶん一気に広がると思います。

〖酒逢店主🍶 × AI 🤖〗<また次回〜👋👋


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酒逢の通販では、 お燗で魅力が広がる日本酒や、蔵元から燗酒としてもおすすめされている日本酒などをまとめています。

今回の話を読んだあとに、 「まず一本温めてみようかな」と思ったら、 気負わずいろいろな温度で試してみてください。

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参考資料・出典

※1: 酒文化研究所「平成の『地酒』クロニクル|冷たい酒はどう広がったのか」

※2: 国税庁・税務大学校「租税史料叢書 第五巻 酒税関係史料 解題」

※3: 国税庁「日本酒の歴史と戦後の変化」

※4: 菊正宗酒造 日本酒図書館「酒と酒器」 SAKE Street「お燗番の流儀」

※5: 日本酒造組合中央会「おいしい飲み方・選び方」

※6: 池見元宏ほか「タイプ別清酒の成分比較について(第2報)―市販清酒の燗前後の成分変化について―」 (日本醸造協会雑誌、1981年)

※7: 清酒の飲用温度と呈味に関する官能評価資料 (日本醸造協会誌)

※8: 島津製作所・大阪大学大学院 福崎研究室「飲用温度が香気成分に及ぼす影響」

※9: 島津善美ほか「清酒に含まれる有機酸の酸味に及ぼす飲用温度の影響」 (日本調理科学会誌、2009年)

※10: Sarafian et al. “Early and Late Cardiovascular and Metabolic Responses to Mixed Wine: Effect of Drink Temperature” (Frontiers in Physiology、2018年)

※11: 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒全般 よくある質問」

※本文中の歴史的な推測・仮説は、上記資料から確認できる事実をもとに、 酒逢店主とAIの対話の中で整理・考察したものを含みます。

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🍶 お酒の用語・知識に関するよくある質問

質問1:お酒の用語や知識は、なるべく覚えた方がいいですか?

お酒を楽しむために、用語を暗記しなければならないわけではありません。飲んで「美味しい」と思えれば、どんな製法なのか、どんな原料や酵母を使っているのかを知らなくても、それで十分です。わざわざ評論家のように味を言語化する必要もありません。

ただ、それぞれの言葉が何を意味し、どんな歴史や技術的な背景を持っているのかを少しずつ知っていくと、お酒を見るときの「解像度」はかなり変わってきます。

例えば日本酒なら、何も知らずに裏面ラベルを見たときには、「酒蔵名+よく分からない専門用語がたくさん書いてある」くらいで終わってしまうかもしれません。

でも、酒母、酒米、酵母、火入れ、生酒、搾り方など、それぞれの意味が分かってくると、

「生酛なのに、こんなに綺麗なんだ」
「火入れなのに、このフレッシュ感はすごい」
「この酒米を、この蔵はこう表現するのか」

といった、一段違った見方ができるようになります。

用語を覚えること自体が目的というより、そのお酒がどんな背景や技術の積み重ねで造られているのかを見るための材料が増えていく、くらいに考えるのがちょうどいいと思います。

質問2:お酒の用語やスペックが分かれば、飲む前に味を当てられるようになりますか?

ある程度の方向性を予想するための手がかりにはなりますが、完璧に味を当てることはできません。

例えば同じ「生酛」でも、力強く濃醇なお酒もあれば、驚くほど綺麗で軽快なお酒もあります。「辛口」も同じで、一つの分類の中にまったく違うタイプのお酒があります。

原料、酵母、製法、発酵、火入れ、熟成などは、それぞれ味わいに関係する要素ですが、お酒はそれら複数の条件が組み合わさって完成します。

だから知識を「このスペックだから、きっとこういう味だ」という答え合わせに使うよりも、

「この条件から、この造り手はどんな味に表現しているんだろう?」

と考えながら飲む方が、お酒の楽しみ方としてはずっと面白いと思います。

質問3:同じ原料や酵母、同じ製法でも、造り手によって味が違うのはなぜですか?

お酒の味は、一つの要素だけで決まるものではないからです。

例えば日本酒なら、同じ酒米を使っていても、酒蔵の考え方や技術体系、仕込み水、精米、麹造り、酵母、酒母、発酵温度、搾り、火入れ、熟成などが違えば、出来上がるお酒も変わります。

そして、そこが知識を持って飲み比べる面白さでもあります。

例えば同じ原料や製法のお酒を何本か飲んでいくと、「この条件のお酒の中では、この造り手の表現が自分には一番しっくりくる」と感じることがあります。

少しお芝居に例えるなら、「同じ演目でも、演じる役者が変われば表現も変わる」のと似ています。

原料や酵母、製法などの条件が「演目」だとすれば、それをどう表現するかには、造り手の考え方や技術、それぞれの造り手ならではの個性が現れます。

質問4:お酒の知識が増えると、お酒選びはどう変わりますか?

最初は、「甘いのが好き」「辛口が好き」「飲みやすいお酒が好き」といった大きな感覚で選んでいたものが、知識と飲んだ経験が結びついてくると、少しずつ自分の好みを細かく捉えられるようになります。

例えば日本酒なら、

「生酛でも軽快なタイプが好き」
「この酒米を使った中では、この蔵の表現が好き」
「火入れなのにフレッシュなタイプが好き」

といった具合です。

つまり、知識が増えること以上に、“知識によって整理された飲酒経験”が増えていくことが大きいのだと思います。

それによって、単にお酒を分類できるようになるだけではなく、「自分は何を面白いと思うのか」「どんな表現を美味しいと感じるのか」も、少しずつ見えやすくなってきます。

この「お酒の用語・知識解説」も、用語を暗記するための読み物というより、お酒を見る視点を一つずつ増やしていくための読み物として使ってもらえればと思っています。