〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第7回「にごり酒」

〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第7回「にごり酒」

🍶 酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ

この企画は、お酒の用語や造り、歴史など、少し分かりにくい話を噛み砕いて整理するために、地酒専門店 酒逢の店主とAIが対話形式で掘り下げていく企画です。

店主の知識や経験をベースに、AIで資料やデータを整理しながら、「なぜ?」「本当に?」まで確認していきます。

今回のテーマは「にごり酒」。

「にごり酒って何?」

と言われたら、

「普通の透明なやつじゃなくて、にごってる日本酒」

……まあ、日本語が分かれば名前だけでだいたい分かります(笑)。

でも、少し掘り下げてみると、

「おりがらみ、うすにごり、にごり酒って何が違う?」
「そもそも、どうやってわざと濁らせてるの?」
「シュワシュワするにごりと、しないにごりは何が違う?」
「にごり酒って、ちゃんと混ぜて飲まなきゃダメ?」
「辛口のにごり酒って成立する?」
「にごり酒とどぶろくの境界はどこ?」
「ほぼどぶろくにしか見えない濃厚なにごり酒が、なんで“清酒”として売れるの?」
「そもそも昔の日本酒って、透明に濾過できてたの? 濁りがデフォルトだったりしない?」

など、意外と分からないことだらけです。

今回は、にごり酒の造り方から、おりがらみ・活性にごりとの違い、保存、どぶろくとの定義・法的な境界、密造酒の歴史、そして現代のかなり尖ったにごり酒まで、広めに掘り下げてみます。

なるべく公的資料や研究資料、酒蔵の公式情報など、根拠を確認できるものをもとに話を進めていますが、酒蔵研修での体験や蔵元さんから聞いた話、店主自身の経験、そこから組み立てた考察も含まれます。

すべてを「確定した事実」としてではなく、酒屋とAIが資料を見ながらあれこれ考えている“壁打ち”としてお楽しみください😁

目次

  1. そもそも「にごり酒」って何?
  2. そもそも普通の日本酒って、どうやって透明になるの?
  3. じゃあ、にごり酒はどうやってあの白さを残すの?
  4. 「シュワシュワするにごり」と「シュワシュワしないにごり」は何が違う?
  5. にごり酒は、ちゃんと混ぜて飲むべき? 上澄みだけじゃダメ?
  6. にごりが濃いほど、味も濃い? 甘くなる?
  7. にごり酒って、なんで冬から春に多いの?
  8. じゃあ一年中売ってるにごり酒って、どうして大丈夫なの?
  9. 「にごり酒」と「どぶろく」は何が違うの?
  10. でも「ほぼどぶろく」みたいな濃厚にごり酒、あれ本当に清酒なの?
  11. 「どぶろく特区」って、そもそもどういう制度?
  12. そもそも昔の日本酒って、全部どぶろくみたいに濁ってたんじゃないの?
  13. じゃあ、どぶろくはなぜ禁止されたの?
  14. 昭和の映画で、一升瓶に米を入れて棒で混ぜてるの見たことあるんだけど……
  15. ところで、にごり酒ってあんまり「超高級酒」のイメージなくない?
  16. じゃあ実際、「最高級ランクのにごり酒」ってある?
  17. 現代のにごり酒、どこまで尖ってる?
  18. 結局、「にごり酒」って何が面白いんだろう?

そもそも「にごり酒」って何?

〖酒逢店主🍶〗

今回は「にごり酒」。

……なんだけどさ。

これ、生酛とか山廃とか酵母と違って、言葉の意味だけなら説明いらないよね(笑)。

にごり酒=濁ってる酒。

〖AI 🤖〗

名前だけならそうですね(笑)。

〖酒逢店主🍶〗

でも商品を並べてると、

にごり酒。
うすにごり。
おりがらみ。
かすみ酒。
ささにごり。

とか、微妙に違う名前がいっぱいある。

あれって、

「白さ30%まではおりがらみ、50%ならうすにごり、80%以上ならにごり酒」

みたいな基準があるの?

俺の感覚だと、濃さだけを比較するなら

「おりがらみ ≒ うすにごり < にごり酒」

みたいな感じで商品名付いてるのかなぁ……くらいの相場感なんだけど。

〖AI 🤖〗

そういう全国共通の数値基準があるわけではありません。

まず典型的な「にごり酒」の定義は、

醪(もろみ)を目の粗い袋や網などでこし、通常より多くの固形分やオリを酒側に残したもの

と考えると分かりやすいです。※1

一方、「おりがらみ」や「おり酒」は少し違います。

通常通り醪(もろみ)を搾った後の酒にも、酵母や米・麹由来の細かなオリが残ります。

普通なら酒を静置してオリを沈め、上澄みを取る「澱引き」を行いますが、そのオリをあえて残した状態の商品が「おりがらみ」「おり酒」などです。※2

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、俺の感覚だと

「おりがらみ ≒ うすにごり < にごり酒」

だったけど、濁りの度合いにきちっとした順列や定義があるわけじゃないんだね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

少なくとも典型的な製法で整理すると、

にごり酒は、醪(もろみ)を粗くこすことで固形分を多く残す。

おりがらみ・おり酒は、通常通り上槽した後にも残る細かなオリを活かす。

という違いがあります。

見た目としてはどちらも白く濁るので似ていますが、

「なぜ濁っているのか」が少し違う

わけです。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ「うすにごり」は?

〖AI 🤖〗

そこはかなり曖昧です。

「うすにごり」「かすみ」「ささにごり」などは、商品の見た目や濁り具合を表す呼称として使われていますが、

「この製法なら必ずうすにごり」

という法律上の統一された分類ではありません。

実際、醪(もろみ)を粗い網でこした酒でも、濁りが比較的薄ければ「ささにごり」「うすにごり」などの商品名で販売されることがあります。

逆に、おりがらみでも商品によってはかなり白く見えるものがあります。

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

それぞれの定義を見ると、

「おりがらみ ≒ うすにごり < にごり酒」

っていう俺の感覚は、別に大きくズレてるわけじゃない。

でもそれが、

「この順番で濁りが濃くなります」っていう統一ルールではない

ってことね。

そもそも普通の日本酒って、どうやって透明になるの?

〖酒逢店主🍶〗

そもそも醪(もろみ)って真っ白でドロドロじゃん。

あれがどうやって、店に並んでる透明な日本酒になるのかを、まず説明して欲しいな。

俺、出羽桜さんに研修に行った時に、ヤブタの掃除を撮影した動画があるんだよ。

出羽桜酒造での研修時に撮影。ヤブタのフィルターから酒粕を剥がしている様子。

で、剥がした酒粕が下に落ちて、こんもり溜まったのがこれ。

出羽桜酒造での研修時、ヤブタから剥がされた酒粕が下部に溜まっている様子
ヤブタから剥がされた酒粕が下部に溜まっている様子。

これ見ると分かりやすいよね。

〖AI 🤖〗

かなり分かりやすいです。

上槽というのは、発酵を終えた醪(もろみ)を、

液体部分=清酒

と

固体部分=酒粕

に分ける工程です。

昔ながらの酒袋を使う方法や槽搾り、自動醪(もろみ)圧搾機など、やり方はいくつもあります。

出羽桜さんで撮影したのは、一般に「ヤブタ」と呼ばれている自動醪(もろみ)圧搾機ですね。※2

〖酒逢店主🍶〗

動画で見ると、

醪(もろみ)の中にあった固形分がフィルター側にこれだけ残って、酒粕としてごっそり分離される

っていうのが分かりやすいよね。

下に落ちてる酒粕の量を見ると、

「普通の澄んだ日本酒を造る時は、これだけ醪(もろみ)の固形分を酒側から分けてるんだ」

って実感できる。

〖AI 🤖〗

そうですね。

ただし、

上槽した瞬間に、市販酒みたいに完全に澄み切るわけでもありません。

搾った酒にも、まだ細かな米・麹・酵母などがオリとして残っています。

そこで酒を静置してオリを沈め、上澄みを分ける「澱引き」をしたり、その後さらにろ過をしたりして、より澄んだ酒へ仕上げていきます。※2

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

醪(もろみ)
↓
搾る
↓
酒と酒粕に大きく分かれる
↓
まだ細かいオリは酒側にいる
↓
澱引きやろ過
↓
さらに澄んでいく

って感じだね。

〖AI 🤖〗

大づかみにはそうです。

じゃあ、にごり酒はどうやってあの白さを残すの?

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ逆に、瓶の1/3くらいの高さとか、ものによっては半分くらいまで真っ白なにごり酒はどうやって造る?

普通の酒は、さっきの動画みたいに固形分を酒粕として分ける。

だったら、にごり系の酒はどこかの段階で、

「これはちょっと残しておきます」

ってやってるわけでしょ?

〖AI 🤖〗

そうですね。

ただし、白く濁った酒を造る方法は一種類ではありません。

大づかみに整理すると、

① 醪(もろみ)を目の粗い布や網などでこして、通常より多くの固形分を酒側に残す。

② 通常通り上槽した後に残る細かなオリを、澱引きで取り除かず、あるいは一部残して商品にする。

③ 別に取ったにごり部分を清酒に加えて、濁り具合を調整する。

といった方法があります。※1※3

〖酒逢店主🍶〗

最初のが、いわゆる王道の「にごり酒」?

〖AI 🤖〗

典型的なにごり酒としては、それが一番分かりやすいです。

普通の清酒より目の粗い袋や網などで醪(もろみ)をこすことで、米や麹、酵母などを含む固形分が酒側にも多く残ります。※1

例えば、かなり濃厚なにごり酒の中には、数ミリ単位の粗い網で醪(もろみ)をこしている商品も実際にあります。※4

〖酒逢店主🍶〗

で、二番目が「おりがらみ」に近い。

〖AI 🤖〗

そうですね。

通常の上槽後にも酒側には細かなオリが残ります。

それを澱引きで完全に取り除かず、オリを絡ませた状態で瓶詰めすれば、おりがらみのような外観になります。

〖酒逢店主🍶〗

三番目は、

「一回分けた後で、にごりを足す」。

これも聞いたことはあるけど、やってる現場を見たことないんだよね。

〖AI 🤖〗

これは実際にあります。

通常の清酒とは別に、醪(もろみ)を粗くこした「にごり部分」を用意しておき、それを清酒と合わせて、濁り具合や味わいを調整する造りです。

すべてのにごり酒がこの方法というわけではありませんが、実際にこうした造り方を公表している蔵もあります。※3

〖酒逢店主🍶〗

となると、

にごり酒はこの機械でこう造る

って一つの共通レシピがあるわけじゃなくて、

醪(もろみ)を粗くこして最初から固形分を残す方法もあれば、上槽後のオリを残す方法もあるし、別に取ったにごりを後から合わせる方法もある。

酒蔵によって、商品によって、濁りをどう残すかの方法が様々ってことね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

なので、にごり酒の造り方を

「この設備ならこう造る」

と設備の種類ごとに決めて考えるより、

どの段階で、どんな形で固形分やオリを酒側に残しているのか

と考える方が分かりやすいです。

「シュワシュワするにごり」と「シュワシュワしないにごり」は何が違う?

〖酒逢店主🍶〗

次。

にごり酒って、

シュワシュワする奴と、

全然シュワシュワしない奴、

両方あるよね。

あれは何が違うか説明して。

〖AI 🤖〗

まず、

「濁っていること」と「炭酸ガスがあること」は別の軸

です。

にごりは、酒中に米・麹・酵母などの固形分やオリが残っている状態。

シュワシュワ感は、二酸化炭素が酒中に溶け込んでいる状態です。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、シュワシュワの代表格である「活性にごり」は?

〖AI 🤖〗

一般には、生きた酵母を残し、瓶の中でも発酵する余地を残したにごり酒を「活性にごり」と呼ぶことが多いです。

瓶内でも発酵が進めば、酵母は糖を使って、

アルコールと二酸化炭素

を作ります。

密閉された瓶の中では、発生した二酸化炭素の一部が酒に溶け込むため、シュワシュワした酒になります。

以前の「酵母」の回で扱った、

糖 → 酵母 → アルコール+二酸化炭素

の続きですね。

→ 酵母の記事はこちら

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

「にごり酒だからシュワシュワする」

じゃなくて、

あくまで「瓶の中に炭酸ガスが残ってるからシュワシュワする」。

活性にごりなら、生きた酵母が瓶内でも発酵してガスを作ってる場合がある、と。

〖AI 🤖〗

そういう理解がいいです。

実際、にごり酒を酵母が元気な状態で瓶詰めして、瓶内二次発酵によって自然な炭酸ガスを持たせる商品があります。※5

〖酒逢店主🍶〗

でもスパークリング日本酒って透明なものもあるよね? あれとの違いは?

〖AI 🤖〗

瓶内二次発酵をさせた後、瓶内に溜まった澱を取り除いて、透明なスパークリング日本酒に仕上げる方法もあります。

だから、

にごり=発泡

でも、

発泡=にごり

でもありません。

にごり酒は、ちゃんと混ぜて飲むべき? 上澄みだけじゃダメ?

〖酒逢店主🍶〗

店頭でも聞かれるんだけど、

「これ、ちゃんと混ぜて飲むんですよね?」

って質問。

にごり酒って混ぜて飲むのが正解なの?

〖AI 🤖〗

必ずしも、

最初から全部均一に混ぜなければならない

わけではありません。

上澄みだけを飲むのも、一つの楽しみ方です。

上澄みの部分は比較的すっきりと感じやすく、その後オリを混ぜると、口当たりや旨味、厚みなどが変わります。

同じ一本の中で、

上澄みだけ
↓
少しオリを絡ませる
↓
完全に混ぜる

と変化を楽しむこともできます。

〖酒逢店主🍶〗

俺も最初に上澄みだけ飲んで、

「じゃあ混ぜたらどう変わる?」

ってやるの好き。

〖AI 🤖〗

ただし重要なのが、

「混ぜて飲む」と「開栓前に振る」は全然違う

ということです。

活性にごりなど、瓶内に炭酸ガスが溜まっている商品を開栓前に強く振れば、開けた瞬間に中身が吹き出す危険があります。

〖酒逢店主🍶〗

ああ。店舗でお酒の説明してる時も、

普通のにごりなら、

「上澄みだけ先に飲んだり、飲む前に混ぜたり、色々試してみて下さい」

って案内するけど、

元気な活性にごりの場合は……

「完全に開けきるまで、なるべく振動を与えず、慎重にちょっとずつ開けて下さい。振るなんてもってのほか! 開栓までに3倍時間かかっちゃうから!」

って言ってるな(笑)。

〖AI 🤖〗

そうですね(笑)。

活性系の商品については、まず蔵元が指定している開栓方法を優先するのが大事です。

にごりが濃いほど、味も濃い? 甘くなる?

〖酒逢店主🍶〗

見た目の話で言えばさ。

ほぼ透明なうすにごりから、

飲むヨーグルトみたいな濃厚にごりまである。

やっぱりにごりが多いほど、味も濃厚になりやすい?

〖AI 🤖〗

少なくとも、口当たりへの影響はかなり大きいです。

クリーミーさ、
とろみ、
米由来の旨味、
酵母や麹由来の風味、

などを感じやすくなります。

澄んだ酒にはない、

「食感」

が加わるのも、にごり酒の大きな特徴です。※4

ただし、

にごりが濃い=必ず甘口

ではありません。

〖酒逢店主🍶〗

そうだね。

感覚としては、

にごり酒って甘口の方が……お客さんの受けが良いように思う。

クリーミーで、米っぽくて、甘い。

分かりやすいってのもあるだろうね。

でも「辛口にごり」ってのも実際あるよね。

〖AI 🤖〗

甘辛は、単純に濁りの量では決まりません。全く別の軸です。

酒中にどれだけ糖が残っているか。
酸がどの程度あるか。
アルコール度数。
香り。
炭酸ガス。
そしてオリによる口当たり。

そうしたものの組み合わせで、最終的な甘辛の印象は変わります。※1

実際に、かなりドライに仕上げたスパークリングにごりや、辛口を明確に掲げたものや、お燗向けのにごり酒も造られています。※5

〖酒逢店主🍶〗

そうだね。

見た目と舌触りは濃厚。

でもゴリゴリの辛口で、お燗で美味しいお酒もあるしね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

むしろ、

「見た目はミルキーなのに味はドライ」

というギャップ自体が、にごり酒の面白さにもなります。

にごり酒って、なんで冬から春に多いの?

〖酒逢店主🍶〗

酒屋として商品を見てる感覚なんだけど。

にごりって10月、11月くらいから増え始めて、

12月〜3月くらいが花盛り。

遅くて4月、5月くらい。

夏以降はガクッと少なくなる印象がある。

やっぱり長期保存に向かないから?

〖AI 🤖〗

まず、その時期感を全国一律のルールとして言うことはできません。

「全国のにごり酒は何月に何本発売されている」

という公的な統計があるわけではないからです。

ただ、酒屋としてそう感じる理由はかなり説明できます。

日本酒造りは伝統的に秋から春に集中してきました。※6

そして、にごり酒には、

新酒らしいフレッシュさ
生酒
活性タイプ

といった商品が多くあります。

造ったばかりの酒を、その季節ならではの商品として出荷するケースが多いので、新酒シーズンと重なりやすいわけです。

〖酒逢店主🍶〗

それに活性にごりなんて、

気温が高い季節に配送したら……爆発事故が起こりそうでちょっと怖い。

〖AI 🤖〗

そうですね。

生きた酵母が残っているタイプでは、温度が高くなるほど発酵が進みやすくなります。

ガス圧や酒質の管理も難しくなるので、低温流通との相性が非常に重要になります。

ただ、

にごり酒そのものが、夏には造れない

わけではありません。

夏向けに発売される活性にごりやスパークリングにごりもあります。例えば出羽桜「とび六」は、公式に5月〜8月発売の商品として案内されています。※5

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

「にごり酒は冬の酒」

じゃなくて、

俺の店で商品を見ていると、冬から春に一気に増える印象がある。理由としては新酒時期や、生・活性タイプとの相性が大きそう

くらいがいいね。

〖AI 🤖〗

その表現が一番妥当だと思います。

じゃあ一年中売ってるにごり酒って、どうして大丈夫なの?

〖酒逢店主🍶〗

逆にさ。

通年で販売してる濃厚にごりも、数は少ないけどあるにはあるよね?

通年流通できるにごりは、何が違う?

あと、

にごりを一年中供給するために蔵で長期間保存しておく

って考えると、火入れしたとしても、酒質は時間とともに変わるでしょ?

普通の酒以上に、商品として同じ状態を保つのって難しそうな気もするんだけど。

〖AI 🤖〗

そこは二つに分けて考えた方がいいです。

まず、通年流通させやすくする方法として分かりやすいのが、

火入れして安定性を高めること。

にごり酒だからといって、必ず生酒である必要はありません。

火入れをすれば、生きた酵母などの微生物を抑え、酒中の酵素の働きも止めることができます。

そのため、生・活性タイプよりは長期の貯蔵や流通を設計しやすくなります。酒類総合研究所も、火入れによって賞味期間を長くしたにごり酒があると説明しています。※1※2

ただし、

火入れしたら、その瞬間の酒質のまま一年間止まってくれるわけではありません。

火入れ後の清酒でも、貯蔵中には少しずつ熟成が進みます。

色や香り、味わいは時間とともに変化するので、長期間保存するなら、

どの温度で、
どれくらいの期間置いて、
どの状態で出荷するのか、

まで考える必要があります。

〖酒逢店主🍶〗

そうだよね。

「火入れしたから一年置いといても同じ酒」

ってわけじゃない。

〖AI 🤖〗

そうです。

それともう一つ、

通年商品だからといって、冬に一年分まとめて造って、それを一年間ずっと保存しているとは限りません。

年間を通して仕込める設備を持つ蔵もありますし、複数回に分けて造ることもできます。日本酒造組合中央会も、季節を問わず酒を造る「四季醸造」を行う蔵があることを紹介しています。※7

つまり通年供給は、

火入れ、貯蔵温度、出荷時期、仕込みの時期や回数などを含めて、一年を通して酒質をどう揃えるか

という商品設計の話でもあります。

〖酒逢店主🍶〗

にごってるから即不安定、ではないけど、

通年商品にするなら、

「発酵を止めれば終わり」じゃなくて、その後の熟成まで見越して造らなきゃいけない

ってことね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

「にごり=生」でも「にごり=活性」でもありません。

真っ白で濃厚なにごりでも、火入れをして通年流通させている商品はあります。

ただし、

にごり酒だから透明な酒より必ず保存が難しい

とまで一律に言うことはできません。

その商品を、どんな状態で一年中届けたいのか。

そこから逆算して、製造や貯蔵の方法が設計されていると考える方がよさそうです。

「にごり酒」と「どぶろく」は何が違うの?

〖酒逢店主🍶〗

ここまで来たら一番聞かれる奴。

濃いめのにごり酒とどぶろく。

見た目だけなら、

「これ、どっちも白いドロドロの酒じゃん」

ってなる(笑)。

何が違うの?

〖AI 🤖〗

法律上の境界を一番簡単に言えば、

醪(もろみ)を「こした」かどうか

です。

酒税法上の「清酒」は、米、米麹、水などを原料として発酵させたものを、

こしたもの

と定義しています。※8

にごり酒は白く濁っていますが、粗い目であっても醪(もろみ)をこしています。

一方、一般に「どぶろく」と呼ばれている酒は、醪(もろみ)をこさず、そのまま製品にしたものです。

〖酒逢店主🍶〗

つまり見た目じゃなく、

こしたか、こしてないか。

〖AI 🤖〗

大きな境界はそこです。

でも「ほぼどぶろく」みたいな濃厚にごり酒、あれ本当に清酒なの?

〖酒逢店主🍶〗

そこが納得いかない(笑)。

世の中には、

瓶を逆さにしてもすぐ混ざらないくらいドロドロで、

米粒みたいなのまで大量に入ってて、

「いやいや、これもうほぼどぶろくだろ」

って酒があるじゃん。

でもラベル見ると「清酒」。

どこまで粗くていいの?

〖AI 🤖〗

ここは酒税法が意外と面白いです。

国税庁の法令解釈では、「こす」という行為をかなり広く捉えています。

大まかに言うと、

方法を問わず、醪(もろみ)を液体部分とかす部分に分離する行為

です。※9

つまり、

「何ミクロン以下のフィルターを使わなければ“こした”と認めません」

という決まりではありません。

〖酒逢店主🍶〗

え。

じゃあめちゃくちゃ粗いザルでも、

一応、

通った側と通らなかった側に分かれれば、

「こした」になるの?

〖AI 🤖〗

もちろん原料やアルコール度数など、他の清酒としての要件を満たしていることが前提ですが、

「こす」という行為そのものは、かなり幅広く認められています。

さらに、醪(もろみ)を静置して、

上澄みの液体部分だけを汲み取る

ような方法も、「こす」に含まれるとされています。※10

〖酒逢店主🍶〗

思ったより「こした」の判定が豪快だな(笑)。

だから、

ほぼ醪(もろみ)に見える超濃厚なにごりでも、

ちゃんと液体部分とかす部分を分ける工程を通っていれば、清酒になり得る。

〖AI 🤖〗

そういうことです。

実際に、どぶろくを思わせるほど非常に濃厚でありながら、数ミリ単位の粗い網で醪(もろみ)をこして「清酒」として造られている商品もあります。※4

「どぶろく特区」って、そもそもどういう制度?

〖酒逢店主🍶〗

どぶろくに関しては、

「どぶろく特区」

ってあるでしょ?

名前は聞くけど、あれって結局どういう制度なの?

普通のどぶろく造りと何が違うのか、整理して説明して。

〖AI 🤖〗

まず大前提として、

どぶろく特区だから、免許なしで自由にどぶろくを造れるわけではありません。

日本で酒を造るには、基本的に酒類製造免許が必要です。

いわゆる「どぶろく」は酒税法上では「その他の醸造酒」にあたり、その製造免許には通常、年間の製造見込数量について最低製造数量の基準があります。※11

〖酒逢店主🍶〗

要するに、

「自分の田んぼで米作ってるから、その米でちょっとどぶろく造って出そう」

だけじゃ、普通は酒造免許を取れないってことね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

小規模な農家や農家民宿などが地域の米を使って少量のどぶろくを造ろうとすると、通常の最低製造数量が大きなハードルになります。

そこで構造改革特区の制度では、認定された地域で一定の条件を満たす農業者が、自ら生産した米などを原料にどぶろくを造る場合、

最低製造数量の基準を適用しない

という特例が設けられています。※11※12

〖酒逢店主🍶〗

ああ。

じゃあ「どぶろく特区」って、

そこでだけ特別にどぶろく造りが解禁されてる場所

って意味じゃないんだ。

〖AI 🤖〗

そうです。

特区でも製造免許そのものは必要です。

どぶろく特区は、

小規模な農業者などでも、地域の農産物を使ったどぶろく造りに参入できるよう、免許取得時の「製造量」のハードルを特例で外した制度

と考えると分かりやすいです。

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

「特区なら自由にどぶろく造っていい」

じゃなくて、

免許は必要。ただし、小規模でも免許を取れるように一部の条件が緩和されてる

ってことね。

そもそも昔の日本酒って、全部どぶろくみたいに濁ってたんじゃないの?

〖酒逢店主🍶〗

でも歴史を考えるとさ。

今みたいなヤブタも、精密なフィルターもない。

だったら昔の日本酒って、基本みんな濁ってたんじゃない?

〖AI 🤖〗

そこも、

「昔の酒=全部どぶろく」

とすると言い過ぎです。

今のような設備は当然ありませんが、

濁った酒と澄んだ酒を作り分けようとする発想

自体はかなり古くから存在します。

古い文献にも、濁った酒と澄んだ酒を区別する表現が登場しています。

奈良時代に編纂された『播磨国風土記』には「清酒(すみさけ)」の記述があり、奈良時代の資料には「浄酒(すみざけ)」や「濁酒」といった名称も見られます。※13

〖酒逢店主🍶〗

そんな昔から、

「濁ったままの酒」と、

「澄ませた酒」

を分けてたの?

〖AI 🤖〗

そうです。

もちろん、

昔の「澄んだ酒」が、現代の透明な吟醸酒と同じだった

という意味ではありません。

使える道具も技術も全く違います。

それでも、

酒袋などで醪(もろみ)をこす。
オリを沈める。
上澄みを取る。

といった技術を積み重ねながら、より澄んだ酒を造る方法が発達していきます。

江戸時代になると、伊丹や灘などで清酒が大規模に造られ、江戸へ大量に運ばれるほどの産業になっていました。※13

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

酒造り・酒を販売してた大先輩達は、昔から「もうちょっと澄ませたいな」

って頑張ってきたわけだ(笑)。

じゃあ、どぶろくはなぜ禁止されたの?

〖酒逢店主🍶〗

で、どぶろくの話。

家庭で米と麹から酒造るなんて、昔の農村では普通にやってたんでしょ?

それがなんで禁止されたの?

衛生?

危ないから?

それとも税金?

〖AI 🤖〗

歴史的には、

酒税・国家財政の問題が非常に大きい

です。

農村などでは昔から、自分たちで飲むための酒を造る自家醸造が行われていました。

明治時代に入ってからも、当初は一定条件のもとで自家用酒が認められていました。

しかし、明治政府にとって酒税は非常に重要な税収になります。

そして日清戦争後の財源確保なども背景に酒税制度が強化され、

1899年、明治32年には自家用酒の製造が全面的に禁止

されます。※14

〖酒逢店主🍶〗

やっぱり税金がでかいんだ。

〖AI 🤖〗

かなり大きいです。

当時の酒税は、国の財政を支える主要な税の一つでした。

実際、明治32年には酒税が国税収入の第1位になり、国税収入の35.5%を占めています。※14

家庭で自由に酒を造られてしまえば、当然その酒には酒税がかかりません。

国として酒税を確実に徴収するためにも、免許を持つ酒造業者による製造へ集約していく意味は大きかったわけです。

ただし、その後は密造酒そのものが社会問題になります。

特に戦中・戦後の酒不足の時代には、正規の酒が手に入りにくくなり、さまざまな密造酒が造られました。

中には工業用アルコールなどを使った危険なものまで出回り、健康被害の防止という意味でも取締りが重要になっていきます。※15

〖酒逢店主🍶〗

最初から、

「危険だからどぶろく禁止!」

という単純な話ではない。

まず税制度があって、

その後、密造酒そのものが社会問題にもなっていったと。

昭和の映画で、一升瓶に米を入れて棒で混ぜてるの見たことあるんだけど……

〖酒逢店主🍶〗

ここで昔から気になってることがある。

昭和の映画とかドラマだったと思うんだけど、

一升瓶みたいな瓶の中に米っぽいものが入ってて、

変な棒を突っ込んでガシャガシャ混ぜてる描写を見た記憶があるのよ。

あれって、

家庭で密造どぶろく造ってる描写だったんじゃないかな?

〖AI 🤖〗

作品名や場面が分からないので、

「間違いなく密造どぶろくです」

とは言えません。

ただ、時代背景としては十分あり得ます。

明治32年以降、自家用酒の製造は禁止されましたが、それで家庭や農村での酒造りが完全になくなったわけではありません。

特に第二次世界大戦後は、深刻な酒不足もあって密造酒が急増し、大きな社会問題になりました。※15

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

その映画の瓶が本当に酒を発酵させてる場面だったなら、

免許なしなら密造酒だった可能性はある。

でも、

「一升瓶+米+棒」

だけで断定はできない。

〖AI 🤖〗

そのくらいが正確ですね。

〖酒逢店主🍶〗

なんか今度、映画見てて出てきたら作品名メモっとこう(笑)。

ところで、にごり酒ってあんまり「超高級酒」のイメージなくない?

〖酒逢店主🍶〗

ここまで話して、全然違う疑問。

にごり酒って、

なんとなく「高級酒」って感じ薄くない?

大吟醸。
雫酒。
斗瓶取り。
精米歩合20何%。

とか聞くと、

「おお、高級そう」

ってなる。

でも、

「最高級にごり酒です!」

って、あんまり聞かない気がする。

なんでだろう?

〖AI 🤖〗

まず事実として、

「にごり酒だから高級酒になれない」という決まりはありません。

にごり酒でも、原料や精米歩合、製法などの条件を満たせば、純米吟醸や純米大吟醸を名乗ることができます。

「酒が濁っているか透明か」は、特定名称酒の区分を決める条件ではありません。※16

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ俺のイメージの問題か。

〖AI 🤖〗

ここから先は、一つの資料で原因を断定できる話ではありません。

ただ、

にごり酒には、
新酒、
季節酒、
昔ながらの酒、
どぶろくに近い素朴な酒、
甘くて気軽に飲める酒、

といったイメージが長く付いてきた面があります。

一方、近代以降の高級日本酒では、

吟醸、
高精白、
透明感、
雑味の少なさ、

といった方向が「高級」「洗練」と結びついてきました。

その結果として、

透明な酒=洗練された高級酒

濁った酒=素朴で庶民的な酒

というイメージが作られやすかった可能性はありそうです。

ただ、ここはあくまで酒逢店主とAIの考察ですね。

〖酒逢店主🍶〗

ここは断定せず、

「そういうイメージが俺にはある。理由としてはこういう可能性がありそう」

くらいがいいね。

じゃあ実際、「最高級ランクのにごり酒」ってある?

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ逆に探そう。

生でも火入れでもいい。

「にごり酒だけど、めちゃくちゃ本気の高級酒」

って実際ある?

〖AI 🤖〗

あります。

例えば、

山田錦を精米歩合23%まで磨いた純米大吟醸を使った、発泡にごり酒があります。※17

普通のにごり酒よりかなり高価格帯で、

「最高精白クラスの純米大吟醸×にごりスパークリング」

という方向で造られています。

〖酒逢店主🍶〗

23%の純米大吟醸で発泡にごり。

完全に「にごり=手に取りやすいお酒」の反例だな(笑)。

〖AI 🤖〗

そうですね。

ほかにも、

吟醸造りを徹底したにごり酒。
国内外の品評会で評価されたスパークリングにごり。
にごり酒を蔵の主力商品として何十年も磨き続けている酒蔵。

など、

「にごり」という一分野そのものを高いレベルまで突き詰めている例があります。※4※5

〖酒逢店主🍶〗

「伝説の一本」を一つ選ぶっていうより、

にごりを専門分野みたいに磨き上げてる蔵もあるし、

純米大吟醸の最高精白クラスで造る蔵もある。

ちゃんと上を見れば世界があるわけね。

現代のにごり酒、どこまで尖ってる?

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ最後に、

今のにごり酒ってどこまで変なのがある?(笑)

〖AI 🤖〗

かなり自由です。

例えば、

超濃厚型。

どぶろくを思わせるほど固形分を多く残した、飲むヨーグルトのようなにごり。

ドライなスパークリング型。

見た目は白く濁っているのに、甘さを抑えた辛口の発泡にごり。

超高精白型。

純米大吟醸クラスの原料設計で造る高級にごり。

赤色酵母を使ったピンク色のにごり。

酵母そのものが赤色を帯びる性質を利用して、桃色のにごり酒を造る方法もあります。日本醸造協会では「桃色濁り酒用」の清酒用赤色酵母を提供しており、赤色色素は酵母自体に存在するため、酵母を取り除くと色が薄くなると説明しています。※18

さらに、

貴醸酒×活性にごり、
低アルコール、
高酸、
瓶内二次発酵、
夏向けにごり、
燗で楽しむ火入れにごり、

など、かなり多様です。

〖酒逢店主🍶〗

最初の、

「にごり酒=白くて甘い冬の酒」

から、だいぶ遠いところまで来たな(笑)。

結局、「にごり酒」って何が面白いんだろう?

〖酒逢店主🍶〗

最初はさ。

定義とか製法とか歴史とかを話しして終わるのかと思ってたけど……

でも話してみると、

何で濁ってるかも違う。
濁らせ方も違う。
シュワシュワするかどうかも別。
甘口とは限らない。
生とは限らない。
火入れして一年中売ってるものもある。
純米大吟醸の高級品まである。
そして法律の境界を掘ると、どぶろくまで出てくる。

〖AI 🤖〗

見た目が分かりやすい分、

「白い酒」

という一種類にまとめてしまいやすいんですよね。

でも実際には、

どの段階で固形分やオリを残したか。
どれくらい残したか。
酵母が生きているか。
発泡しているか。
火入れしたか。

などで、かなり違う酒になります。

〖酒逢店主🍶〗

あと今回、改めて面白いと思ったのが、

にごり酒とどぶろくの境界ね。

清酒は醪(もろみ)を「こしたもの」で、どぶろくはこしていない

っていう違い自体は知ってたけど、

今回ちゃんと調べてみたら、

酒税法上の「こす」の範囲が、俺が思ってたよりずっと広かった(笑)。

何ミクロンのフィルターを通せ、みたいな話じゃないし、

上澄みを汲み分けるのまで「こす」に入る。

〖AI 🤖〗

そこは面白いところですね。

日常語の「濾す」から想像すると、

布やフィルターを通して細かい固形物を取り除く

というイメージになりやすいですが、

酒税法上はもっと広く、

醪(もろみ)を液体部分とかす部分に分離する行為

として捉えられています。※9※10

だから、見た目がほとんど醪(もろみ)のような超濃厚にごりでも、清酒としての他の要件を満たし、「こす」工程を経ていれば清酒になり得る。

逆に、見た目だけで

「これはどぶろく」

「これはにごり酒」

と判断することはできません。

〖酒逢店主🍶〗

そう考えると、

透明な酒から超濃厚にごりまで、

「どこまで分けるか、何を酒側に残すか」

の幅が想像以上に広いんだよね。

〖AI 🤖〗

そうですね。

今回の話を通して見ると、

透明か濁っているかという見た目より、その濁りがどの工程で、どう残されたものなのか

を見る方が、にごり酒の違いを理解しやすいと思います。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ今度にごり酒を飲む時は、

「甘い・濃い」

だけじゃなくて、

「この濁りはどう残したんだろう?」
「酵母はまだ動いてる?」
「上澄みだけだとどうなる?」

くらい考えて飲むと、ちょっと面白くなりそうだな。

にごり酒から実際に日本酒を探してみる

ここまで読んで、

「濃厚なにごりと、うすにごりを飲み比べてみたい」
「シュワシュワする活性にごりを飲んでみたい」
「逆に火入れした落ち着いたにごり酒も試したい」

と思った方は、実際に飲み比べてみると面白いと思います。

今回見てきた通り、

「にごり酒」という言葉だけでは、味は決まりません。

甘口もあれば辛口もある。

クリーミーなものもあれば、さらっとしたものもある。

静かなにごりもあれば、開栓に苦労するほど元気な活性にごりもあります。

酒逢では、にごり・うすにごり・おりがらみなどの商品をまとめて探すことができます。

→ にごり酒・うすにごり・おりがらみから日本酒を探す


参考資料・出典

  1. 酒類総合研究所「清酒|にごり酒とは何ですか?/清酒の甘辛とは何ですか?」
    https://www.nrib.go.jp/sake/sakefaq02.html
  2. 酒類総合研究所「お酒のはなし【特集:清酒2】(改訂版)」
    https://www.nrib.go.jp/sake/story/pdf/SeishuNo02.pdf
  3. 板倉酒造「R4BY 春の月 微発泡 純米吟醸 にごり生原酒」― 清酒に、別の醪(もろみ)から濾したにごりを混ぜる製法例
    https://www.tenon.jp/sake_list/sake-list1/r4by/1014
  4. 「酒は濁れど想いは一点のにごりなし」、にごり酒文化を発信し続ける、岐阜・三輪酒造 ― 三輪酒造代表への取材記事。3mm方眼の網による上槽、貯蔵、にごり酒の「食感」について
    https://tanoshiiosake.jp/3721
  5. 出羽桜酒造「出羽桜 微発泡 吟醸にごり とび六」― 瓶内二次発酵、ドライタイプ、発売時期5月〜8月
    https://www.dewazakura.co.jp/item/cat08/tobiroku.html
  6. 日本酒造組合中央会「日本酒の歴史」― 寒造り、新酒、日本酒造りの歴史
    https://japansake.or.jp/sake/about-sake/history-of-sake/
  7. 日本酒造組合中央会「日本酒の製造工程」― 上槽・ろ過・火入れ・貯蔵、四季醸造について
    https://japansake.or.jp/sake/about-sake/sake-brewing-processes/
  8. 国税庁「酒税法における酒類の分類及び定義」― 清酒の定義
    https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2025/pdf/0001.pdf
  9. 国税庁「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達 第3条―『こす』の意義」
    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sake/2-02.htm
  10. 国税庁「構造改革特区における製造免許の手引」― 濁酒の上澄みを他の容器に取り分ける行為も「こす」に当たる旨の説明
    https://www.nta.go.jp/taxes/sake/menkyo/tebiki/menkyo2.pdf
  11. 国税庁「酒類製造免許関係 Q8」― 構造改革特区における酒税法の特例
    https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/03a/08.htm
  12. 国税庁 税務大学校論叢「特区制度と酒類製造免許」― その他の醸造酒(濁酒)の最低製造数量基準の不適用
    https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/110/03/03.pdf
  13. 日本酒造組合中央会「日本酒の歴史」― 『播磨国風土記』の「清酒(すみさけ)」、奈良時代の「浄酒」「濁酒」、伊丹・灘の酒造史
    https://japansake.or.jp/sake/about-sake/history-of-sake/
  14. 国税庁 税務大学校「酒税が国を支えた時代」「国税の第1位へ」― 明治32年の自家用酒製造禁止、酒税と国家財政
    https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h22shiryoukan/02.htm
    https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h21shiryoukan/03.htm
  15. 国税庁 税務大学校「酒税行政と酒税」・国税庁70年史 ― 密造酒、戦後の大規模密造、工業用アルコールによる健康被害
    https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h22shiryoukan/03.htm
    https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/70th_html/02_4.htm
  16. 日本酒造組合中央会「日本酒の分類」― 特定名称酒の原料・精米歩合・製造方法等の要件
    https://japansake.or.jp/sake/about-sake/classification-of-sake/
  17. 獺祭「純米大吟醸 磨き二割三分 発泡にごり酒」― 山田錦23%精米、粗越しした醪(もろみ)を使用した発泡にごり酒
    https://dassai.com/product/seasonal/sparkling23.html
  18. 公益財団法人 日本醸造協会「清酒用赤色酵母(桃色濁り酒用)」
    https://www.jozo.or.jp/yeast/red/

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この記事は、地酒専門店 酒逢の店主を中心に、スタッフが酒蔵から得た情報や公開資料、日々の販売・試飲経験などをもとにまとめています。 酒逢について

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🍶 お酒の用語・知識に関するよくある質問

質問1:お酒の用語や知識は、なるべく覚えた方がいいですか?

お酒を楽しむために、用語を暗記しなければならないわけではありません。飲んで「美味しい」と思えれば、どんな製法なのか、どんな原料や酵母を使っているのかを知らなくても、それで十分です。わざわざ評論家のように味を言語化する必要もありません。

ただ、それぞれの言葉が何を意味し、どんな歴史や技術的な背景を持っているのかを少しずつ知っていくと、お酒を見るときの「解像度」はかなり変わってきます。

例えば日本酒なら、何も知らずに裏面ラベルを見たときには、「酒蔵名+よく分からない専門用語がたくさん書いてある」くらいで終わってしまうかもしれません。

でも、酒母、酒米、酵母、火入れ、生酒、搾り方など、それぞれの意味が分かってくると、

「生酛なのに、こんなに綺麗なんだ」
「火入れなのに、このフレッシュ感はすごい」
「この酒米を、この蔵はこう表現するのか」

といった、一段違った見方ができるようになります。

用語を覚えること自体が目的というより、そのお酒がどんな背景や技術の積み重ねで造られているのかを見るための材料が増えていく、くらいに考えるのがちょうどいいと思います。

質問2:お酒の用語やスペックが分かれば、飲む前に味を当てられるようになりますか?

ある程度の方向性を予想するための手がかりにはなりますが、完璧に味を当てることはできません。

例えば同じ「生酛」でも、力強く濃醇なお酒もあれば、驚くほど綺麗で軽快なお酒もあります。「辛口」も同じで、一つの分類の中にまったく違うタイプのお酒があります。

原料、酵母、製法、発酵、火入れ、熟成などは、それぞれ味わいに関係する要素ですが、お酒はそれら複数の条件が組み合わさって完成します。

だから知識を「このスペックだから、きっとこういう味だ」という答え合わせに使うよりも、

「この条件から、この造り手はどんな味に表現しているんだろう?」

と考えながら飲む方が、お酒の楽しみ方としてはずっと面白いと思います。

質問3:同じ原料や酵母、同じ製法でも、造り手によって味が違うのはなぜですか?

お酒の味は、一つの要素だけで決まるものではないからです。

例えば日本酒なら、同じ酒米を使っていても、酒蔵の考え方や技術体系、仕込み水、精米、麹造り、酵母、酒母、発酵温度、搾り、火入れ、熟成などが違えば、出来上がるお酒も変わります。

そして、そこが知識を持って飲み比べる面白さでもあります。

例えば同じ原料や製法のお酒を何本か飲んでいくと、「この条件のお酒の中では、この造り手の表現が自分には一番しっくりくる」と感じることがあります。

少しお芝居に例えるなら、「同じ演目でも、演じる役者が変われば表現も変わる」のと似ています。

原料や酵母、製法などの条件が「演目」だとすれば、それをどう表現するかには、造り手の考え方や技術、それぞれの造り手ならではの個性が現れます。

質問4:お酒の知識が増えると、お酒選びはどう変わりますか?

最初は、「甘いのが好き」「辛口が好き」「飲みやすいお酒が好き」といった大きな感覚で選んでいたものが、知識と飲んだ経験が結びついてくると、少しずつ自分の好みを細かく捉えられるようになります。

例えば日本酒なら、

「生酛でも軽快なタイプが好き」
「この酒米を使った中では、この蔵の表現が好き」
「火入れなのにフレッシュなタイプが好き」

といった具合です。

つまり、知識が増えること以上に、“知識によって整理された飲酒経験”が増えていくことが大きいのだと思います。

それによって、単にお酒を分類できるようになるだけではなく、「自分は何を面白いと思うのか」「どんな表現を美味しいと感じるのか」も、少しずつ見えやすくなってきます。

この「お酒の用語・知識解説」も、用語を暗記するための読み物というより、お酒を見る視点を一つずつ増やしていくための読み物として使ってもらえればと思っています。