🍶 酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ
この企画は、お酒の用語や造り、歴史など、少し分かりにくい話を噛み砕いて整理するために、地酒専門店 酒逢の店主とAIが対話形式で掘り下げていく企画です。
店主の知識や経験をベースに、AIで資料やデータを整理しながら、「なぜ?」「本当に?」まで確認していきます。
今回のテーマは「酵母」。
日本酒造りでは、米のでんぷんを麹の酵素によって糖に変え、その糖を酵母が利用してアルコールを造ります。
……というところまでは、日本酒に詳しい方なら聞いたことがあるかもしれません。
でも改めて考えてみると、
「そもそも酵母って何者なの?」
「酵母と酵素って、名前は似てるけど何が違う?」
「酵母を変えると、日本酒の味や香りはどこまで変わる?」
「リンゴ系、バナナ系の吟醸香はどうやって生まれる?」
「蔵付き酵母ときょうかい酵母は何が違う?」
「昔は酵母を入れずに、どうやって酒を造っていたの?」
「泡なし酵母なんて、どうやって生まれたの?」
など、掘り始めると疑問だらけです。
今回は、酵母がアルコールを造る仕組みから、香りや酸への影響、きょうかい酵母が生まれた歴史、蔵付き酵母、泡あり・泡なし酵母、酒母の中での酵母同士の競争、そして酵母が増えて死んでいくまで。
酒造りの中で「酵母という生き物」が何をしているのかを、かなり広めに掘り下げてみます。
また、前回の「酒米」の回で少し触れた、酵母を「ドM」「ブラック企業の社畜」に例える話についても、今回は酵母側からもう少し詳しく確認していきます。
なるべく公的資料や研究論文など、根拠を確認できるものをもとに話を進めていますが、酒蔵研修での体験や蔵元さんから聞いた話、店主自身の経験、そこから組み立てた考察も含まれます。
すべてを「確定した事実」としてではなく、酒屋とAIが資料を見ながらあれこれ考えている“壁打ち”としてお楽しみください😁
目次
- そもそも、酵母って何者?
- ところで「酵母」と「酵素」って、名前似すぎじゃない?
- 酵母って、アルコールを造るだけじゃないの?
- 同じ蔵、同じ水、同じ米。酵母だけ変えたら、飲んで分かる?
- リンゴとバナナ。吟醸香の二大看板って考えていい?
- リンゴでもバナナでもない香りも、酵母は作る?
- じゃあここ10年くらいで耳にするようになった「4MMP」って何者?
- 前回の「酵母はドM」って話、酵母側からちゃんと見ると?
- じゃあ「優秀な酵母」って、何が優秀なの?
- 自社酵母・蔵付き酵母・きょうかい酵母・県酵母……何が違う?
- 蔵付き酵母ってことは、昔は酵母を投入してなかったんだよね?
- じゃあ、なぜ「きょうかい酵母」が必要になった?
- きょうかい酵母を年代で見ると、酒造家が「酵母に何を求めていたか」が見える?
- 入れた酵母が、そのまま最後まで支配するとは限らない?
- 速醸・生酛・山廃・菩提酛。酵母を入れるタイミングは同じ?
- 乳酸が雑菌を防ぐなら、入れた酵母も少しはダメージを受けないの?
- 「泡あり酵母」と「泡なし酵母」。そんな都合のいい酵母、どうやって作ったの?
- 昔は「泡を見て発酵を管理した」って、本当にそんなに分かるの?
- じゃあ現在の最先端では、酵母が元気かどうやって調べる?
- 花酵母、オリーブ酵母、地域酵母……採れた酵母なら何でも酒を造れるの?
- 酵母と酒母・醪にも「相性」ってある?
- 酵母って、酒母から醪の最後まで同じ奴が働き続けてるの?
- 死んだ酵母って、酒の味に影響するの?
- じゃあ搾ったあと、酵母と酵素はどこへ行くの?
- 酵素って酒造りには絶対必要なのに、搾った後はできれば失活させたい
- じゃあ生酒って、「酵素がまだ働いてる酒」でもあるの?
- 結局、酵母って日本酒の何なんだろう?
- 酵母から実際に日本酒を探してみる
- 参考資料・出典
そもそも、酵母って何者?
〖酒逢店主🍶〗
今回は「酵母」について話そうか。
日本酒造りの説明をするときって、ものすごく大雑把に言えば、
米
↓
デンプン
↓
麹の酵素で糖にする
↓
酵母がその糖を使う
↓
アルコールと二酸化炭素ができる
って流れでしょ?
で、昔、酒蔵の人から説明してもらった時に、
「でんぷんは大きすぎて、そのままじゃ酵母には食べられない。アミラーゼで糖にして、酵母が食べられるサイズにしてやる」
みたいな話を聞いたことがあるのよ。
すごく分かりやすかったから今でも覚えてるんだけど、これって科学的にもだいたい合ってる?
〖AI 🤖〗
比喩としては、かなり本質を捉えています。
ただ、「大きすぎて口に入らない」という物理的な意味ではありません。
デンプンは、ブドウ糖がたくさんつながった大きな分子です。
一般的な清酒酵母は、そのデンプンをそのまま自分で分解して利用することができません。
そこで麹菌が作るアミラーゼなどの酵素がデンプンを分解し、酵母が利用できるブドウ糖などに変えていきます。
日本酒では、この「麹による糖化」と「酵母によるアルコール発酵」が同じ醪の中で同時に進むので、「並行複発酵」と呼ばれています。※1
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
「サイズ」っていうのは喩えだけど、
デンプンのままだと酵母は処理できない
↓
麹の酵素で分解すると発酵できる
って構造自体は合ってるわけね。
でさ。
ここから急に素朴な疑問なんだけど……
そもそも酵母って、菌なの?
乳酸菌とかと同じイメージでいいの?もちろん肉眼じゃ見えないからさ(笑)
〖AI 🤖〗
「菌」という大きなくくりでは菌ですが、乳酸菌とはかなり違います。
乳酸菌は細菌。
一方、清酒酵母は「菌類」、より正確には真菌の仲間で、カビやキノコと同じ大きなグループに入ります。
清酒造りで中心的に使われているのは、Saccharomyces cerevisiaeという種類の酵母です。
人間の細胞と同じように核を持つ「真核生物」で、基本的には一つの細胞で生活しています。
〖酒逢店主🍶〗
キノコと酵母が同じ大きな仲間っていうのも、全然ピンとこないね(笑)。
でも、もう一個不思議なのよ。
酵母って糖を使って生きるわけでしょ?
酒蔵なら米から糖を大量に供給してもらえるけど、そんな環境って自然界じゃ特殊じゃない?
人間が酒を造るよりはるか昔から酵母はいたんだろうし、こいつら元々どこに隠れて、どうやって命を繋いできたの?
〖AI 🤖〗
自然界の酵母は、酒蔵のような糖だらけの液体だけで生活しているわけではありません。
樹木、樹皮、土壌、落ち葉、果実など、いろいろな場所から見つかります。
栄養が豊富な環境が来れば増殖し、条件が悪くなれば活動を落とす。条件によっては胞子を作って厳しい環境をしのぐこともあります。
だから、
「糖が大量にないと生きられない生物」
ではありません。
〖酒逢店主🍶〗
人間が酵母のために米を何トンも蒸して、麹まで作って、糖をずっと供給してくれる酒蔵って……
酵母側からしたら相当な好待遇だな(笑)。
〖AI 🤖〗
まあ、その後アルコール濃度がどんどん上がって、自分たちにとっても相当厳しい職場になっていくんですけどね。
〖酒逢店主🍶〗
ああ。
早くもブラック企業の気配が(笑)。
それは後でやろう。
ところで「酵母」と「酵素」って、名前似すぎじゃない?
〖酒逢店主🍶〗
その前に一回整理したい。
酵母と酵素。
字も似てるし、酒造りの説明では両方出てくるでしょ?
俺も日本酒勉強し始めた時にはごっちゃに理解してたし、今なら感覚的には分かってるつもりだけど、正確に説明しろって言われると…ちょっと困る。実際、何が違うの?
〖AI 🤖〗
一番大きな違いは、
酵母は生き物。
酵素は生き物ではなく、化学反応を進める物質。
ということです。
酵素の多くはタンパク質で、特定の化学反応を進みやすくする働きを持っています。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ酒造りで並べると?
〖AI 🤖〗
かなり単純化すると、こうです。
麹菌=生き物
麹菌がアミラーゼやプロテアーゼなど、いろいろな酵素を作ります。
↓
アミラーゼなど=酵素
デンプンなどの大きな物質を分解します。
↓
デンプンが糖になる
↓
酵母=生き物
その糖を取り込み、自分の細胞の中にあるさまざまな酵素を使って代謝します。
↓
アルコール、二酸化炭素、酸、香気成分などが生まれる
という流れです。
〖酒逢店主🍶〗
そうなんだよね、酵母の中にも酵素があるんだよね。
理系の勉強苦手だったから理解を脳が拒むのよ…
〖AI 🤖〗
たくさんあります。
そもそも酵母が糖からアルコールを作れるのも、酵母の細胞内で多くの酵素反応が順番に起きているからです。
ですから、
「酵母と酵素は別物」
ではあるんですが、
「酵母は酵素を使って仕事をしている」
という関係でもあります。
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
麹菌も酵母も生き物。
その生き物が作ったり、自分の中で使ったりしてる「化学反応を進める道具」が酵素、と。
〖AI 🤖〗
かなり分かりやすい整理だと思います。
ただ、「道具」といっても酵素自体が反応を進める働きを持つ物質なので、単なるハサミやスコップとは少し違いますけどね。
〖酒逢店主🍶〗
まあ、その辺は後でまた面倒くさくなりそうだから、今はそのくらいで(笑)。
酵母って、アルコールを造るだけじゃないの?
〖酒逢店主🍶〗
で、話を酵母に戻して。
酵母の一番大きな仕事は、
糖を使ってアルコールを造る。
これは分かる。
でも完成した日本酒の「味」で考えた場合、酵母ってどの辺まで担当してるの?
〖AI 🤖〗
かなり広いです。
もちろん中心は、
糖からエタノールと二酸化炭素を作るアルコール発酵。
ただ、その代謝の過程で酵母は、
有機酸、
高級アルコール、
エステル類をはじめとした香気成分、
など、さまざまな成分も作ります。
さらに酵母の種類によって、
発酵が速い・遅い、
低温でもよく働く、
醪後半まで糖を使いやすい、
酸が多い・少ない、
特定の香気成分を多く作る、
といった違いがあります。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ、よくある説明で、
「米が味を作って、酵母が香りを作る」
くらいに分けるのもけっこう…雑だよね?
〖AI 🤖〗
かなり雑です。
確かに吟醸香などは酵母の影響が大きいですが、酵母は味に関係する酸なども作ります。
逆に、香りも酵母だけで決まるわけではありません。
どんな米を使うか、どんな麹か、糖やアミノ酸がどのくらい供給されるか、何℃で発酵させるか。
そうした環境によって、同じ酵母でも代謝の仕方が変わります。
〖酒逢店主🍶〗
「この原料だからこの味」
でもないし、
「この酵母だからこの味」
でもない。
前回の酒米と同じ「スパッとわかりやすくない」話になってきたな。
〖AI 🤖〗
そうですね。
ただ、その中でも酵母によって確かに出やすい傾向はあります。
同じ蔵、同じ水、同じ米。酵母だけ変えたら、飲んで分かる?
〖酒逢店主🍶〗
だとすれば、思考実験なんだけど…、例えば
同じ蔵。
同じ水。
同じ米。
精米歩合も同じ。
麹も同じ。
温度管理も一緒。
なるべく全部同じにして、投入する酵母だけ変える。
それで2種類の”酵母だけ違い”の酒を造ったら、飲み比べて分かるくらいに、がっつり差が出るかな?
酒逢で取り扱いしてる山本酒造店さんでも、”6号酵母・7号酵母”を出してるよね。
もちろん毎年飲んでるけど、結構しっかり差は感じると思う。
〖AI 🤖〗
成分として差が出ること自体は、かなり確かです。
酵母株を変えた比較醸造では、香気成分や有機酸、発酵経過などに違いが出ます。
官能評価でも、その違いが認識される例があります。※2
〖酒逢店主🍶〗
よかった〜、「大差ないです。思い込み・プラセボの類です」って言われたらどうしようかと思った(笑)
〖AI 🤖〗
確実にあります。
ただし、
「酵母を変えれば違いが出る」
と、
「完成した酒を飲めば使用酵母を当てられる」
は全然違う話です。
例えば1801号を使った酒でも、必ず同じ強さでカプロン酸エチルが出るわけではありません。
造りによってかなり変わります。
逆に、別の酵母でも似たような香気バランスになることはあり得ます。
〖酒逢店主🍶〗
ということは、
「この香り、1801っぽいな」
くらいなら感想としてはあり得るけど、
ブラインドで、
「はい、これは1801号です!」
まで言うのは相当難しい。
〖AI 🤖〗
そう考えた方がいいです。
分析値まで見れば話は別ですが、飲んだ酒から酵母番号を一意に逆算するのは難しい。
〖酒逢店主🍶〗
酒米もそうだったけど、
「傾向がある」
と
「当てられる」
を一緒にしちゃダメってことだね。
リンゴとバナナ。吟醸香の二大看板って考えていい?
〖酒逢店主🍶〗
酵母の話になると、店頭でもよく説明するのが、
カプロン酸エチル=リンゴ系。
酢酸イソアミル=バナナ系。
これはもう定番でしょ?
日本酒の酵母由来の香りって、超大ざっぱに言えばこの二つに分かれる、くらいでいいの?
〖AI 🤖〗
「酵母由来の香り全部」とすると言い過ぎですが、
吟醸香の代表的な二大看板
という意味なら、かなり分かりやすい整理です。
カプロン酸エチルは、リンゴ、青リンゴ、洋梨などを連想させる香り。
酢酸イソアミルは、バナナのような香り。
吟醸酒の香りを説明するとき、この二つは非常に重要です。
〖酒逢店主🍶〗
で、酵母によってリンゴが得意だったり、バナナが得意だったりする。
これは科学的にはどんな理屈でそうなるの?
〖AI 🤖〗
そもそも、二つの成分は作られる経路が違います。
カプロン酸エチルは、酵母の脂肪酸合成と深く関係しています。
一方の酢酸イソアミルは、イソアミルアルコールと酢酸から作られ、アミノ酸代謝などとも関係しています。※3
だから遺伝的に代謝の特徴が違う酵母を選抜・育種すると、
「カプロン酸エチルを多く作る株」
「酢酸イソアミルを多く作る株」
という差が出てきます。
〖酒逢店主🍶〗
代表選手を挙げるなら?
〖AI 🤖〗
ざっくりしたイメージなら、こんな感じです。
| 香りのイメージ | 主な香気成分 | 代表的な酵母・研究例 |
|---|---|---|
| リンゴ・洋梨系 | カプロン酸エチル | 1601号、1801号など |
| バナナ系 | 酢酸イソアミル | 9号系など |
| リンゴ+バナナ | 両方のエステル | 1701号、1801号など |
| 花・バラ系 | β-フェネチルアルコール、酢酸β-フェネチルなど | 高生産株の育種例あり |
| パイナップル系 | カプリル酸エチルなど | 高生産株の育種研究例あり |
| マスカット・ライチ・柑橘系 | 4MMP | 単純に「この酵母」とは整理しにくい |
〖酒逢店主🍶〗
1801って確か、カプエチも酢酸イソアミルも両方あるんだよね?
〖AI 🤖〗
そうなんです。
1801号は、カプロン酸エチルだけの酵母ではありません。
カプロン酸エチルと酢酸イソアミルの両方を高く生成するタイプです。※4
だから、
「1801号=リンゴ専門」
「9号=バナナ専門」
と一対一で覚えると、ちょっと雑になります。
〖酒逢店主🍶〗
酵母には得意科目はある。
でも一教科しかできないわけではない、と。
リンゴでもバナナでもない香りも、酵母は作る?
〖酒逢店主🍶〗
じゃあリンゴとバナナは二大看板だけど、他にもいる。
例えばどんなの?
〖AI 🤖〗
例えば、β-フェネチルアルコールや酢酸β-フェネチル。
花やバラのような香りに関係します。
それからカプリル酸エチル。
研究では、これを多く生成してパイナップル様の香りを示す清酒酵母も育種されています。※5
ほかにも酵母が作る高級アルコールや各種エステルがあって、それらが組み合わさって酒の香りになります。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ、
「日本酒のフルーティーな香り=リンゴかバナナ」
というより、
「リンゴとバナナが一番有名だけど、実際には後ろにものすごい数の香気成分がいる」
が正しいのね。
〖AI 🤖〗
そうです。
しかも、香りは単純な足し算でもありません。
濃度が低くても全体の印象に影響する成分もありますし、複数の香りが重なった結果、単独の成分とは違う印象になることもあります。
じゃあここ10年くらいで耳にするようになった「4MMP」って何者?
〖酒逢店主🍶〗
そこで最近ちょっと聞くようになった4MMP。
これ、リンゴでもバナナでもないよね?
〖AI 🤖〗
かなり毛色が違います。
4MMPは、チオール系と呼ばれる香気成分です。
清酒では、マスカット、ライチ、柑橘系などを連想させる香りへの関与が確認されています。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ、
「4MMP高生産酵母」
みたいなのがいたとして、それを入れればマスカット香になる?
〖AI 🤖〗
そこは、カプロン酸エチルとは少し違う考え方が必要です。
4MMPの場合、原料側に存在する前駆体を酵母が変換することで生成することが示されています。※6
つまり、
「酵母が何もないところから全部4MMPを作る」
というより、
原料にある材料を、酵母が香りとして引き出す
という側面が強い。
〖酒逢店主🍶〗
へぇ。
じゃあこれはますます、
「どの酵母を使ったか」
だけじゃ決まらないんだ。
〖AI 🤖〗
そうですね。
原料側にどれくらい前駆体があるか。
その酵母がどれくらい変換できるか。
醪の状態はどうか。
そういう組み合わせで考えた方がいいです。
〖酒逢店主🍶〗
4MMPは「リンゴ・バナナ二大政党」に最近入ってきた新興政党、くらいに思ってたけど、そもそも仕組みがちょっと違うのね(笑)。
〖AI 🤖〗
しかも多ければ多いほど良いわけでもありません。
4MMPは非常に低い濃度でも感じられる香気成分で、増えすぎると硫黄系のニュアンスも出てきます。※6
前回の「酵母はドM」って話、酵母側からちゃんと見ると?
〖酒逢店主🍶〗
ここで前回の酒米の話につながるんだけど。
昔、酒蔵の人から、
「酵母はドM」
とか、
「ブラック企業の社畜みたいなもん」
みたいな説明を聞いたことがあるのよ(笑)。
高精米にして栄養を減らす。(低賃金)
しかも低温にする。(悪い労働環境)
楽に発酵させず、厳しい環境でがっつり長時間働かせる。
そうすると良い香りが出る、みたいな。
前回は酒米側から少し触れたけど、今回は酵母側からちゃんと見たい。
※この話は前回の「酒米」の回でも少し触れています。
〖AI 🤖〗
まず、
「酵母を苦しめれば苦しめるほど、良い香りを出す」
と理解すると間違いです。
ただ、比喩として完全に的外れかというと、そうでもありません。
吟醸造りでは、高精白米を使い、低温で長期間発酵させる造りが行われます。※7
精米によって米の外側に多いタンパク質、脂質、ミネラルなどが減ります。
さらに低温になると、酵母の増殖や発酵もゆっくりになります。
つまり酵母が置かれる栄養環境・温度環境は、普通にどんどん増殖しやすい環境とは違います。
〖酒逢店主🍶〗
その「ゆっくり」が、吟醸香につながる?
〖AI 🤖〗
関係します。
ただし一つの理由だけではありません。
低温で発酵することで酵母の代謝バランスが変わります。
香気成分を作る酵素の働きや、香気成分が醪から揮発して逃げる量にも温度が関係します。
ですから、
「寒くてつらいから酵母がリンゴの香りを出して助けを求めている」
みたいな話では当然ありません(笑)。
〖酒逢店主🍶〗
そりゃそうだ(笑)。
じゃあ、
「酵母をイジメればイジメるほど良い香りが出る」
ではない。
でも、
「楽にバンバン発酵させるんじゃなくて、あえて条件を絞って、ゆっくり働かせながら狙った香りや味に持っていく」
という意味なら、あの喩えも完全に的外れではないと。
〖AI 🤖〗
そういう整理ならかなり近いと思います。
そして、ここで大事なのが、
どんな酵母でも同じ条件で同じように働けるわけではない
ということです。
低温でも発酵しやすい株もあれば、そうでない株もあります。
じゃあ「優秀な酵母」って、何が優秀なの?
〖酒逢店主🍶〗
そこなんだよね。
有名な酵母とか、多くの蔵が使いたがる酵母って何が良いの?
香りが良いから?再現性が高いから?
〖AI 🤖〗
香りは一要素です。
酒造家から見た「使いやすい・優秀な酵母」には、いろいろな能力があります。
例えば、
発酵力が強い。
低温でも発酵できる。
高いアルコール濃度になっても働き続けられる。
醪後半まで発酵を進められる。
酸の生成量が狙った酒質に合う。
カプロン酸エチルや酢酸イソアミルなどを狙った量生成する。
好ましくない香味成分を作りにくい。
毎回安定した発酵経過を取りやすい。
などです。
〖酒逢店主🍶〗
要は、
「この酵母を使うと絶対旨い」
じゃなくて、
「酒蔵がやりたい造りに必要な能力を持っている」
なんだ。
〖AI 🤖〗
そうですね。
そして面白いのが、
その“必要な能力”が時代によって変わっている
ことです。
自社酵母・蔵付き酵母・きょうかい酵母・県酵母……何が違う?
〖酒逢店主🍶〗
歴史に行く前に、用語を整理しよう。
日本酒の商品説明を見てると、
「蔵付き酵母」
「自社酵母」
「きょうかい酵母」
「県酵母」
「花酵母」
とか、いっぱい出てくる。
これ、どう分ければいい?
〖AI 🤖〗
一つ注意したいのは、
全部が同じ基準で分類された名前ではない
ということです。
まず「きょうかい酵母」。
これは日本醸造協会が製造・頒布している酵母です。※8
「県酵母」や「地域酵母」などは、各地域の公設試験研究機関などが開発・選抜し、その地域の酒蔵で利用される酵母。
「蔵付き酵母」は、その酒蔵の環境から分離されたり、その蔵で酒造りに関わってきた酵母を指すことが多い。
一方「自社酵母」は、統一された一つの公的分類ではありません。
自社の蔵付き酵母を分離・培養している場合もありますし、自社で育種・選抜した株を指す場合もあります。
〖酒逢店主🍶〗
そうなんだよね
「自社酵母=蔵付き酵母」
って言い切れる感じでもないんだよね。
〖AI 🤖〗
そうです。
重なる場合はありますが、同義ではありません。
〖酒逢店主🍶〗
「どこから採った酵母か」と、
「誰が管理・育種・頒布してる酵母か」
が混ざって名前になってるからややこしいんだね。
蔵付き酵母ってことは、昔は酵母を投入してなかったんだよね?
〖酒逢店主🍶〗
そもそもさ。
「蔵付き酵母」って言葉があるくらいだから、昔はアンプルに入った酵母を買ってきて、
「はい、今日は9号」
なんてやってなかったわけでしょ?
じゃあ昔は、どこから酵母が来たの?
〖AI 🤖〗
純粋培養した酵母を意図的に添加する以前は、酒造場の環境に存在する酵母を利用していました。
蔵の中、道具、麹などから酒母へ酵母が入り、その中から清酒の発酵に適した酵母が増えていきます。
〖酒逢店主🍶〗
よく、
「何百年も続く蔵だから、蔵の壁に昔から酵母が住み着いてる」
みたいな話も聞くけど。イメージはいいけどさ「伝統」とか「老舗」的な雰囲気で。それって本当にそんな感じ?
〖AI 🤖〗
そこは少し慎重に言った方がいいです。
「蔵の壁に同じ一種類の酵母が何百年間ずっと住み続け、それだけが毎年酒母に飛び込んでいる」
くらいに単純化すると、かなりイメージ先行になります。
昔の研究でも、酒母へ入ってくる酵母の供給源として麹などが注目されています。
ただ、各酒造場に特徴的な酵母集団が存在し、その中から酒造りに適した酵母が繰り返し関与する、という意味では「蔵付き酵母」という考え方はあります。
〖酒逢店主🍶〗
「蔵の妖精が壁から飛んでくる」みたいな話ではない、と(笑)。
じゃあ、なぜ「きょうかい酵母」が必要になった?
〖酒逢店主🍶〗
俺のイメージなんだけど。
明治くらいまでは、そうやって蔵にいる酵母を利用するのが普通だった。
でも当然、
すごく良い酒になる蔵もあれば、うまくいかない蔵もある。
腐造だって今より全然あった。
例えば同じ地域で、川を挟んでA蔵とB蔵があったとしてさ。
水も似てる。
同じような米を使ってる。
でもA蔵は毎年良い酒ができる。
B蔵はどうも安定しない。
調べてみたら、A蔵には酒造りに向いた酵母がいる。
だったら、その酵母を採って増やしてB蔵にも渡せばいい。
近代化を進めてた日本で、しかも酒造業って地方にとって大きな産業だったし、酒税は国にとっても重要だった。
だから優秀な酵母の選定・純粋培養・頒布が進んだ。
大筋そんな感じ?
〖AI 🤖〗
A蔵・B蔵の話はあくまでイメージですが、大きな流れとしてはかなり近いです。
明治37年、1904年に大蔵省醸造試験所が設立されます。
そして1906年に発足した日本醸造協会は、純粋培養した清酒酵母の分与を始めました。※9
この時代、酒造業は地方産業としてだけでなく、国の税収という意味でも非常に大きな存在でした。※10
「良い酒を造る酒造場から優良酵母を分離し、それを純粋培養して他の酒蔵でも利用できるようにする」
これは品質の安定化という意味で、非常に大きな技術革新だったわけです。
〖酒逢店主🍶〗
今なら、
「同じ酵母が全国に広がったら地域性なくならない?」
みたいな見方もできるけど、
その前に、
「ちゃんと安定して酒になる」
自体がめちゃくちゃ重要だった時代なんだ。
〖AI 🤖〗
そう考えると、きょうかい酵母が求められた理由が分かりやすいと思います。
きょうかい酵母を年代で見ると、酒造家が「酵母に何を求めていたか」が見える?
〖酒逢店主🍶〗
ここ、一覧にしようよ。
1号、2号、3号……って名前だけ並べても、俺でも覚える気なくすから(笑)。
「いつ頃採られたか」
と、
「その時代に酒造家が何を酵母に求めていたか」
で見る。
〖AI 🤖〗
その方が意味があります。
細かな年次や由来には資料による整理の違いもありますが、大きな流れを見るとこんな感じです。※8※9
| 酵母 | 分離・実用化された時代 | 主な由来 | 見えてくる特徴・時代背景 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 1906年頃 | 櫻正宗 | 優良酵母を純粋培養して各地で利用すること自体が大きな革新 |
| 2号 | 明治末期~大正初期 | 月桂冠 | 良酒を造る酒造場から優良株を分離・共有する時代 |
| 3号 | 1910年代 | 醉心 | 香気や発酵性に優れた株を銘醸蔵から選抜 |
| 4号 | 1920年代 | 広島県内の酒造場 | 発酵性だけでなく、香味も含めて優良株を選ぶ時代 |
| 5号 | 1920年代 | 賀茂鶴 | 芳香なども含めて評価された優良株 |
| 6号 | 1935年 | 新政酒造 | 強い発酵力。低温でも発酵しやすい性質 |
| 7号 | 1946年 | 真澄 | 強い発酵力と芳香。非常に広く普及 |
| 9号 | 1950年代 | 熊本県酒造研究所 | 吟醸香に優れ、吟醸造りで広く使用 |
| 10号 | 1950年代 | 東北地方の醪 | 低温長期型、少酸、吟醸香 |
| 11号 | 1970年代 | 育種・選抜株 | 長期醪での切れや少アミノ酸など、より細かな酒質設計 |
| 14号 | 1990年代 | 北陸地方の醪 | 少酸・低温発酵など、目標酒質に合わせた選択 |
| 1601号 | 1990年代 | 育種株 | カプロン酸エチル高生産など、香気成分そのものを明確に狙う |
| 1701号 | 2000年代 | 育種株 | 複数の吟醸香成分を高生成 |
| 1801号 | 2000年代 | 交配育種株 | 高香気・少酸・発酵性など、複数の能力を組み合わせる |
| KArg1901 | 2010年代 | 1801号系由来の育種株 | 香りだけでなく、尿素非生産性など安全性・品質面まで考えた育種 |
〖酒逢店主🍶〗
こう見ると面白いな。
最初の頃は、
「良い酒を造ってる蔵から、ちゃんと働く良い酵母を採って全国に配る」
だったのが、
段々、
低温で強い。
酸が少ない。
この香りを多く出す。
アミノ酸を少なくする。
尿素を作らない。
みたいに注文が細かくなっていく。
〖AI 🤖〗
まさにそこです。
だから、
古い酵母=能力が低い、新しい酵母=上位互換
という話ではありません。
酒造技術や目標とする酒質が変わって、
酵母に求める仕事が変化してきた
と見た方がいいです。
〖酒逢店主🍶〗
番号がスマホみたいに、
19号だから7号より三倍強い!
みたいな話じゃない(笑)。
入れた酵母が、そのまま最後まで支配するとは限らない?
〖酒逢店主🍶〗
ここで昔聞いた話があるんだけど。
普段は○号酵母をメインで使ってる蔵が、試しに別の×号酵母を使った。
ところが出来上がった酒を調べてみたら、投入した×号より、普段使ってる○号に近い状態だった。
「結局、蔵にいるいつもの酵母に負けたんじゃないか」
みたいな話。
これ、そんなこと本当にあるの?
〖AI 🤖〗
あり得ます。
特に昔の研究では、培養酵母を添加しても、酒母や醪の中で別の酵母・野生酵母が大きな割合を占めていた例が確認されています。※11
現代は衛生管理や培養酵母の取り扱い、酵母識別技術も大きく進んでいるので、昔の数字をそのまま今の蔵に当てはめることはできません。
ただ、
酵母を投入した=その瞬間から醪中の酵母100%がその株になる
わけではありません。
〖酒逢店主🍶〗
酵母同士でも競争があるってことだよね?
〖AI 🤖〗
あります。
どちらがその環境で早く増えるか。
温度、pH、糖濃度、栄養条件などにどちらが合っているか。
最初に何個いたか。
さらに酵母の中には、他の酵母を抑える「キラー性」を持つものまであります。※11
〖酒逢店主🍶〗
酵母界まで物騒だな(笑)。
でもそう考えると、
「目的の酵母を酒母で大量に増やしてから醪へ持っていく」
って意味が見えてくるね。
〖AI 🤖〗
そうですね。
酒母は単なる「発酵を始める小さいタンク」ではなく、
目的の清酒酵母を安全に大量に増やし、本番の醪で優勢にするための工程
という意味も非常に大きいです。
速醸・生酛・山廃・菩提酛。酵母を入れるタイミングは同じ?
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ酒母の話。
速醸の場合は、最初から乳酸を入れて酸性にして、かなり早い段階で酵母を入れるイメージ。
生酛や山廃は、乳酸菌が乳酸を作って雑菌が生きにくい環境ができてから、優良酵母を増やしていく。
大体そういう理解でいいよね?
※生酛・山廃について詳しくは、第1回「生酛・山廃」で掘り下げています。
〖AI 🤖〗
速醸、生酛、山廃について大づかみに見るなら、その方向でいいです。
速醸酒母では醸造用乳酸を最初から使うので、早い段階で酸性環境を作れます。※12
一方、生酛・山廃では、硝酸還元菌や乳酸菌などの微生物の遷移を利用しながら、最終的に乳酸の蓄積した環境を作ります。
そこへ優良清酒酵母を加えて増殖させる方法が一般的です。
〖酒逢店主🍶〗
菩提酛はだいぶ違うよね?
〖AI 🤖〗
菩提酛は、そこを完全に同じ枠に入れない方がいいです。
「そやし」と呼ばれる工程で作る酸性の水には、乳酸菌だけではなく酵母も関与します。
なので、
「どの酒母も、まず乳酸だけ作って、その後に培養酵母を投入する」
という順番で統一することはできません。
〖酒逢店主🍶〗
やっぱり酒母だけでも面倒くさい(笑)。
乳酸が雑菌を防ぐなら、入れた酵母も少しはダメージを受けないの?
〖酒逢店主🍶〗
ここ、ずっとちょっと気になってる。
昔、酒蔵さんから、
「乳酸がバリアになって雑菌を防いでくれる」
って説明を受けたことがあって。
分かりやすいから「乳酸バリア」って言葉が頭に残ってるのよ。
でもその酸性の環境に酵母を投入するわけでしょ?
雑菌を抑えるくらいなんだから、酵母側も多少はダメージ受けないの?
〖AI 🤖〗
そこは、
「乳酸が雑菌だけを狙い撃ちして、清酒酵母だけ完全無傷」
という仕組みではありません。
酒母全体を酸性にすることで、多くの好ましくない細菌が増殖しにくい環境を作ります。
その一方、清酒酵母はその低pHの環境でも増殖・発酵できる。
つまり、
全員にとって快適な環境ではないけれど、清酒酵母の方が競争上かなり有利になる環境を作る
と考える方が近いです。
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
「敵だけ消滅させる結界」じゃなくて、
「敵にはかなり居心地が悪いけど、清酒酵母なら戦えるフィールドにする」
感じか。
〖AI 🤖〗
そうですね。
もちろん酵母も酸、糖濃度、低温、アルコールなど、さまざまなストレスを受けます。
だから投入した酵母が一匹残らずずっと元気、というわけではありません。
「泡あり酵母」と「泡なし酵母」。そんな都合のいい酵母、どうやって作ったの?
〖酒逢店主🍶〗
日本酒の酵母でもう一個よく聞くのが、
「泡あり」
「泡なし」。
作業効率だけ考えたら泡なしの方が便利でしょ?
高泡が出たらタンクいっぱいまで仕込めないし、こまめな清掃とか管理も必要になる。
じゃあ、
「泡を出さないけど、ちゃんと酒は造る酵母」
なんて都合のいいものが自然発生したの?
それとも交配?
まさか、遺伝子操作で無理やり作ったの?
〖AI 🤖〗
代表的な泡なし酵母は、現在の意味でのゲノム編集によって作られたものではありません。
泡あり清酒酵母から生じた変異株の中から、泡を作らないものを選び出し、実用的な株を選抜・育種していったものです。※13
〖酒逢店主🍶〗
先に偶然変わった奴を見つけて、
「お前、泡がだいぶ出ないじゃん! 使える!」
って選んだ感じ?
〖AI 🤖〗
かなりざっくり言えば(笑)。
しかも最初から、
「この遺伝子を変えれば泡が出なくなる」
と全部分かっていたわけではありません。
後になって分子生物学が進み、酵母の細胞表面にあるAWA1という遺伝子・タンパク質が、高泡形成に深く関わっていることが分かりました。※13
つまり、
先に泡なしという性質を持った変異株を見つけて使い、その後で“なぜ泡が出ないのか”が遺伝子レベルで分かった
という順番です。
〖酒逢店主🍶〗
それは面白いな。
「科学者が設計図を書いて酵母を作った」じゃなくて、
「便利な奴を見つけて使ってたら、後から体の仕組みまで分かった」。
昔は「泡を見て発酵を管理した」って、本当にそんなに分かるの?
〖酒逢店主🍶〗
泡あり酵母の話で思い出した。
昔の酒造りって、
筋泡、水泡、岩泡、高泡、落泡……
みたいに、泡の形で醪の状態を判断してたって言うでしょ?
これ、どれくらい正確だったの?
職人さんの経験則で、
「今日は泡がこんな感じだから……まぁ順調だろ」
くらいだったのか、
実際かなり合理的な指標だったのか。
〖AI 🤖〗
少なくとも、単なる占いではありません。
醪の泡は、酵母の増殖やアルコール発酵で発生する二酸化炭素、醪中の成分などによって形成されます。
発酵の進行に伴って酵母の状態や二酸化炭素の発生量が変わるので、泡の姿も変化します。
長年酒造りをしていれば、
「通常ならこの時期に、このくらいの泡になる」
という標準的な経過を持つことができます。
そこから外れれば、発酵の遅れなどを疑う材料になる。
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
今みたいに数値を何個も測れない時代なら、
目で見える泡って結構重要なモニターだったんだ。
〖AI 🤖〗
そう考えられます。
ただし当然、泡だけ見れば酒母や醪のすべてが分かるわけではありません。
温度や味、香りなど、他の観察と合わせて判断していたわけです。
じゃあ現在の最先端では、酵母が元気かどうやって調べる?
〖酒逢店主🍶〗
昔が「泡を見る」なら、今は?
温度、日本酒度、ボーメとかは当然見るだろうけど、
「今このタンクの中で酵母がどれくらい元気で、どれくらい死んでるか」
まで分かるの?
〖AI 🤖〗
調べようと思えば、かなり細かく分かります。
まず現場では、温度や糖、ボーメ、日本酒度、アルコール濃度など、発酵の結果を継続的に測ることで酵母の働きを見ます。
酵母そのものを調べる方法としては、顕微鏡で細胞数を見る方法があります。
生菌・死菌をある程度区別する染色法も古くから使われてきました。※14
さらに現在では、PCRなどを使って、
「本当に目的の酵母株なのか」
「別の酵母が混じっていないか」
をDNAレベルで確認することもできます。※14
研究やより高度な分析では、蛍光色素やフローサイトメトリーなどを使って、酵母集団の状態を詳しく見ることもできます。
〖酒逢店主🍶〗
昔、
「泡の立ち方が昨日と違う」
で見てたものを、
今なら細胞レベル、DNAレベルまで見ようと思えば見られると。科学と技術の進歩って凄いね
〖AI 🤖〗
そうです。
ただし、
「現在の日本中の酒蔵が毎日PCRやフローサイトメーターで醪を管理している」
という話ではありません。
通常の酒造現場では、温度や分析値、発酵経過、香味など、もっと現実的な管理で十分な場合が多い。
必要に応じて高度な検査技術も使えるようになった、という理解が適切です。
花酵母、オリーブ酵母、地域酵母……採れた酵母なら何でも酒を造れるの?
〖酒逢店主🍶〗
最近、
花酵母とか、オリーブ酵母とか、地域独自の酵母とか、
いろいろあるでしょ?
これは別にディスりたいわけじゃないのよ。
地元の植物から採れた酵母で酒を造るって、ストーリーとしても面白い。
地域性を出す意味もある。
でもさ。
自然界から酵母を見つけました。
↓
はい、美味しい日本酒造れます!
って、そんな簡単な話じゃないでしょ?
〖AI 🤖〗
全く別の問題です。
自然界から酵母が分離できたことと、
その酵母が実用的な清酒酵母であること
は別です。
清酒造りでは、
低温環境でしっかり増殖・発酵できるか。
高い糖濃度に耐えられるか。
アルコール濃度が上がっても働けるか。
発酵が途中で止まらないか。
酸をどのくらい作るか。
どんな香気成分を作るか。
不快な香りを出さないか。
毎回安定して同じように発酵するか。
などを確認する必要があります。
〖酒逢店主🍶〗
採れた段階では、
「プロ野球の入団テストに応募してきた人」
くらいなのね。
〖AI 🤖〗
近いです(笑)。
そこから小規模な発酵試験をして、良ければさらに大きな仕込みで確認して……
と、実用化まで選抜が続きます。※15
〖酒逢店主🍶〗
でも逆に言えば、そういうところから、
既存のきょうかい酵母には無い、面白い性質が見つかる可能性もある。
〖AI 🤖〗
もちろんあります。
「きょうかい酵母より優秀か劣っているか」という一列の順位ではなく、
今までと違う酒質を作れるか
という価値もあります。
酵母と酒母・醪にも「相性」ってある?
〖酒逢店主🍶〗
話を聞いてるとさ。
酵母って単独の性能だけ見ても意味ない気がしてきた。
例えば、
「この酵母は9号です」
だけじゃなくて、
どんな酒母に入れるか、
何℃で育てるか、
糖がどれくらいあるか、
アミノ酸がどれくらいあるか、
でも変わるんでしょ?
じゃあ「酒母と酵母の相性」みたいなものもあるんじゃないかな?
〖AI 🤖〗
「相性」という言葉をどう定義するかはありますが、考え方としてはあります。
酵母は生き物なので、
pH、
温度、
糖濃度、
アミノ酸などの栄養、
ミネラル、
アルコール濃度、
によって増殖や代謝が変わります。
つまり同じ酵母でも、
速醸酒母で育てた場合と、
生酛・山廃系の環境で育てた場合では、
置かれている環境が同じではありません。
〖酒逢店主🍶〗
ということは、
「酵母だけ新しいのに変えました。他の造りは全部いつも通り」
で、その酵母の能力を最大限出せるとは限らない。
〖AI 🤖〗
そうですね。
酵母を変えるなら、その酵母がどう動くかを見ながら、温度や麹、酒母、醪管理なども調整する必要が出てきます。
〖酒逢店主🍶〗
前回の酒米で、
「米が変わったら蔵は造りを調整する」
って話をしたけど、酵母も同じだ。
素材じゃなく生物だから、もっと面倒かもしれない(笑)。
酵母って、酒母から醪の最後まで同じ奴が働き続けてるの?
〖酒逢店主🍶〗
ここも前から気になってるのよ。
速醸だったら酒母のかなり早い段階で酵母を投入するでしょ?
そこから酒母ができて、
三段仕込みで醪になって、
二十日とか三十日とか発酵して……
最初に投入した酵母が、その最後までずっと生きて働いてるの?
〖AI 🤖〗
「最初に入れた一匹が、最後まで働き続けている」と考えると違います。
酵母は出芽して増殖します。
酒母で大量に増やし、醪初期にもさらに増殖します。
醪の中には、やがて1gあたり億単位の酵母細胞が存在するようになります。※1
そこには当然、最初に投入した酵母そのものだけではなく、その子、その孫、そのさらに先の世代までいます。
〖酒逢店主🍶〗
最初に入れた酵母は「初代社員」で、
そこから社員がどんどん増えて会社がデカくなる感じか。
〖AI 🤖〗
それならイメージしやすいですね。
そして醪後半になると環境が変わります。
糖は減る。
アルコールは増える。
栄養状態も変化する。
すると新しく増殖する速度は落ち、一部の酵母は弱り、死滅するものも増えていきます。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ醪の中って、
元気な若手社員。
まだ働いてるベテラン。
疲れてる社員。
もう死んでる社員。
全部混ざってるんだ。
〖AI 🤖〗
かなり雑な例えですが(笑)、酵母集団として考えるならその方が実態に近いです。
死んだ酵母って、酒の味に影響するの?
〖酒逢店主🍶〗
で、昔聞いたことがあるのが、
「酵母の健康状態とか、死んでる酵母の割合が、酒のキレイさにも影響する」
って話。
これ、どこまで本当?
〖AI 🤖〗
少なくとも、
酵母が死ぬことが酒の成分に影響する
こと自体は確認されています。
醪末期に酵母が死滅すると、酵母菌体内の酵素などが関わって、アミノ酸などが増える現象も研究されています。※16
ただ、
「死んだ酵母が多い=必ず汚い酒」
と一対一で考えるのは単純すぎます。
最終的な酒質は、発酵経過、麹、原料、温度、上槽時期など多くの要因で決まります。
〖酒逢店主🍶〗
でも死んでる酵母が悪影響を与える可能性があるなら、
網で死骸だけすくってキレイに……
なんて、都合よく死んだ酵母だけ選別できないよね(笑)。
〖AI 🤖〗
そうですね(笑)。生きた酵母と死んだ酵母が同じ醪の中に混在しているので、死んだ酵母だけ都合よく取り除く、という話ではありません。
しかも元気な酵母と死んだ酵母が、醪の液体の中に大量に存在しています。
ですから酒造家がやるのは、
「死んだ酵母を可能な限り除去する」
ではなく、
酵母が必要な期間、なるべく狙った状態で働けるように醪環境を管理する
ことです。
温度。
栄養。
発酵速度。
アルコール濃度。
上槽のタイミング。
そういう管理が最終的な酒質につながります。
〖酒逢店主🍶〗
ここまで来ると、やっぱり酵母と味の関係性って
「何号を選んだか」
だけの話じゃないね。
じゃあ搾ったあと、酵母と酵素はどこへ行くの?
〖酒逢店主🍶〗
最初に「酵母と酵素は別物」って話をしたでしょ?
醪の中には、
酵母もいる。
麹由来の酵素もある。
じゃあ搾った後は、この二つどうなるのか説明して
〖AI 🤖〗
ここも二つでかなり違います。
まず酵母。
酵母は一個一個が細胞という「粒」です。
醪を上槽すると、米や麹の固形分と一緒に、酵母の大部分も酒粕側へ移ります。
酒側に残った酵母や細かなオリも、オリ引きやろ過などによってさらに減っていきます。
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ酵母は、
醪では億単位でいたけど、搾る段階でかなり酒粕に持っていかれる…と。
〖AI 🤖〗
そうです。
一方、酵素は少し違います。
麹菌が作ったアミラーゼなどの酵素は、醪の液体中に溶けた状態で働いているものもあります。
なので、
搾れば全部酒粕側へ行く
わけではありません。
搾った酒の中にも、活性を持った酵素が残り得ます。
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
酵母は「細胞」という粒だから物理的に取り除きやすい。
酵素は液体に溶けてる物質だから、普通に搾っただけでは酒側にも残る。
〖AI 🤖〗
大づかみには、そういう理解で分かりやすいと思います。
酵素って酒造りには絶対必要なのに、搾った後はできれば失活させたい
〖酒逢店主🍶〗
で、ここでちょっと別角度の質問。
さっきまでは、
「酵素がデンプンを糖にしてくれるから日本酒が造れる」
っていう、超重要ファクターだったでしょ?
なのに酒が完成したら、今度は酵素を失活させるために火入れするんだよね?
〖AI 🤖〗
そうです。
火入れには、
残っている酵母などの微生物を死滅させること。
火落菌などの微生物を抑えること。
そして、酒の中に残った酵素を失活させること。
〖酒逢店主🍶〗
酒造り中は、
「アミラーゼさん!デンプン切ってください!」
「もっと働いてください!」
って頼りまくってたのに、
搾った瞬間、
「はい、もう結構です。これ以上仕事しないでください」
って火入れされるのか。
酵素目線では、
狡兎死して走狗烹らる
だな(笑)。
〖AI 🤖〗
だいぶ物騒な例えですが(笑)。
ただ、
必要な工程では働いてもらい、完成した酒をその状態で保存したい段階では反応を止める
という意味では、確かにそんな構図です。
〖酒逢店主🍶〗
韓信の気持ちが少し分かった(笑)。
〖AI 🤖〗
酵素には感情ありませんけどね(笑)。
じゃあ生酒って、「酵素がまだ働いてる酒」でもあるの?
〖酒逢店主🍶〗
ということは生酒。
火入れしてないから、酵素も失活してない。
だから時間が経つと味が変わりやすいってことだよね?
〖AI 🤖〗
そうです。
生酒では、火入れによる失活を受けていない酵素が酒中に残っている場合があります。
ですから、搾った時点で酒造りが完全に「停止」しているわけではなく、保存中にも酵素による反応が少しずつ進みます。
そのため、火入れした酒に比べると酒質が変化しやすく、温度管理がより重要になります。
〖酒逢店主🍶〗
お客さんと話してる、生酒の認識に関しては特に、”酵母”と”酵素”が認識混ざりやすいんだな…と感じるんだけど
「生酒=まだ酵母が生きてるピチピチの酒」
くらいのイメージを持ちがちだけど、必ずしもそうじゃない。
〖AI 🤖〗
そうです。
生酒という言葉の基本は、
「火入れをしていない酒」
です。※17
上槽した段階で酵母の大部分は酒粕側へ移りますし、オリ引きやろ過によってさらに減らすこともできます。
ですから、
「生酒=生きた酵母が大量に入っている酒」
とは限りません。
むしろ生酒の品質変化を考えるときに重要なのが、
火入れをしていないので、酒中の酵素も活性を保っている
ということです。
〖酒逢店主🍶〗
だから生酒は冷蔵管理が大事になる。
〖AI 🤖〗
そうですね。
冷やすことで、酵素反応を含めたさまざまな反応の速度を遅くすることができます。
ただし、
冷やしたから反応が完全にゼロになるわけではありません。
生酒を長く置くと問題になりやすい「生老香」も、その例の一つです。
代表的な生老香成分の一つであるイソバレルアルデヒドは、酒の中にあるイソアミルアルコールが、麹由来の酵素の働きによって酸化されることで生成します。※19
〖酒逢店主🍶〗
一例として、生老香については、
「酵素と酸素があることで生成される」
って理解でいいの?
〖AI 🤖〗
大筋では、その理解で大丈夫です。
もう少し正確に言うと、
イソアミルアルコールという材料があり、そこに酸素があり、酵素がその酸化反応を進める。
その結果として、生老香の原因になるイソバレルアルデヒドが生成します。
なので、
「酵素そのものが悪臭になる」
わけではありません。
酵素はあくまで、酒の中にある成分を別の成分へ変える反応を進める側です。
〖酒逢店主🍶〗
なるほど。
じゃあ酵素自体が悪者っていうより、
造ってる途中では必要だからガンガン働いてほしい。
でも搾って、
「よし、この状態を商品として、できるだけ長期間残したい」
となった後まで働き続けられると、今度は完成した酒が少しずつ別の方向へ動いていってしまう。
そういうことか。
〖AI 🤖〗
そういう理解が分かりやすいと思います。
だから火入れには、
「酒を造るために必要だった反応を、完成したところで止める」
という意味もあります。
一方、生酒は火入れによってその反応を止める工程を経ていません。
そのぶん、火入れした酒にはないフレッシュな香味を楽しめる一方で、保存中も酒質が動きやすい。
だから冷蔵管理が重要になるわけです。
〖酒逢店主🍶〗
なるほどね。
最初に
「酵母と酵素って名前似すぎだろ」
って話をしたけど(笑)、最後まで追ってみると役割が全然違うのが分かる。
酵母は生き物として発酵する。
酵素はその酵母や麹菌が作ったり使ったりしながら、化学反応を進める。
で、搾った後の行方まで違う。
〖AI 🤖〗
そうですね。
この二つを分けて考えられると、日本酒造りのかなりの部分が整理しやすくなると思います。
結局、酵母って日本酒の何なんだろう?
〖酒逢店主🍶〗
じゃあ酵素の話まで寄り道したところで、最後にもう一回「酵母」に戻ろうか。
最初は、
「酵母は糖を使ってアルコールを作る菌」
くらいの話だったのに、随分広がったよね(笑)。
でもここまで話してみると、酵母って料理に入れる調味料とはちょっと違うんだよね。
例えば醤油を入れたら、
醤油そのものの味や香りが料理に加わる。
でも酵母は、
「1801号という味の液体を入れて、リンゴ味を足してる」
わけじゃない。
〖AI 🤖〗
そうですね。
酵母そのものを味付けとして加えているわけではありません。
酵母が、
どんな環境で、
何を栄養として使い、
どのくらい増殖し、
どんな代謝をして、
何を作ったか。
その結果を酒として飲んでいます。
〖酒逢店主🍶〗
だから味を見て、
「これは○号酵母っぽい」
っていうのも、かなり難易度高い。
〖AI 🤖〗
高いと思います。
酵母ごとの傾向はあります。
でも、それが完成酒にどう現れるかは造りによって変わる。
「9号だから必ずこの味」
「1801だから必ずこの香り」
ではありません。
〖酒逢店主🍶〗
でもさ。
じゃあ酵母は、
大工さんが使う鉋(かんな)とかノミとか釘みたいな、
「造り手が使う完全な裏方の道具」
かというと、それも違う。
鉋(かんな)自身が建築中の建物の中で何かを作るわけじゃないけど、
酵母は自分で増えて、自分で糖を使って、アルコールや香りや酸を作ってる。
〖AI 🤖〗
そこが大きな違いですね。
道具は人間が直接動かします。
でも酵母は生き物です。
酒造家ができるのは、
どの酵母を使うか選ぶ。
働く環境を作る。
温度を調整する。
栄養の供給を調整する。
他の微生物に負けにくい状況を作る。
発酵の進み方を観察する。
というところまで。
最終的にアルコールや香味成分を実際に作るのは、酵母自身です。
〖酒逢店主🍶〗
そういえば、昔酒蔵研修に行った時に、蔵人さんから聞いた言葉を思い出した。
正確な言い回しまでは覚えてないんだけど……
「俺たち蔵人が酒を造ってる、っていうのとはちょっと違う。
実際に酒を造るのは、麹や酵母。
俺たちは、あいつらが健康に酒を造れるように環境を整えて、狙ったレシピにできるだけ近づくように最大限世話をする。
それが仕事なんだ」
みたいな話だったのよ。
当時も「へぇ~」と思ったから覚えてるんだけど。
今回ここまで酵母の話をすると、あの言葉の意味が前より分かる気がする。
〖AI 🤖〗
かなり本質を突いた言葉だと思います。
米を蒸すのも人。
麹を造る環境を整えるのも人。
温度を決めるのも人。
酵母を選ぶのも人。
でも、
デンプンを糖へ分解する酵素を作って働かせるのは麹菌。
糖からアルコールを作るのは酵母。
人間が直接、その化学反応を一つ一つ行っているわけではありません。
〖酒逢店主🍶〗
なるほどね。
酵母って、
「これを入れればこの味になります」
っていう調味料でもない。
かといって、
職人が一方的に使う鉋(かんな)やノミみたいな道具でもない。
どっちかっていうと、
一緒に酒を造ってる、気難しい部下とかポケモン
くらいが近いのかな。
ただ、そいつがちゃんと仕事できる環境を作って、
「今回こういう酒にしたいから、こっちの方向でお願いします」
って最大限お世話するのが蔵人。
〖AI 🤖〗
かなり近いと思います。
〖酒逢店主🍶〗
で、そいつ、生き物だから全部言うこと聞くわけでもない(笑)。
〖AI 🤖〗
そこまで含めて発酵ですね(笑)。
〖酒逢店主🍶〗
そう考えると、
日本酒造りって「人が酒を作る」というより、
人間が麹菌や酵母に、できるだけ狙い通りの仕事をしてもらう技術
って面もかなり大きいんだな。
酵母の番号を覚えるより、そっちを理解した方が面白い気がする。
酵母から実際に日本酒を探してみる
ここまで読んで、
「じゃあ9号系と1801号って、実際飲んだらどう違うんだろう?」
「同じ酵母を使っている別の蔵同士なら、どれくらい共通点があるんだろう?」
と思った方は、実際に飲み比べてみると面白いと思います。
今回散々書いた通り、
同じ酵母=同じ味
ではありません。
だからこそ、
「酵母が同じなのに全然違う」
「蔵は違うのに、なんとなく香りの方向に共通点を感じる」
みたいなところまで含めて楽しめます。
酒逢では、使用酵母が公表されている商品を、酵母から探すことができます。
参考資料・出典
- 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒のはなし【特集:清酒2】(改訂版)」― 麹菌と酵母の働き、並行複発酵、酵母の出芽・増殖など。資料を見る
- 馬場茂ほか「清酒実地醸造における発酵管理について(第1報)」『日本醸造協会雑誌』63巻6号(1968)、稲橋正明ほか「清酒酵母における接合性変異株の分離と雑種形成」『日本醸造協会誌』94巻7号(1999)― 酵母株による成分・酒質・官能上の違いの研究例。発酵管理の比較/官能審査を含む育種試験
- 堤浩子「清酒酵母の香気生成機構」『におい・かおり環境学会誌』46巻5号(2015)― カプロン酸エチル、酢酸イソアミルの生成機構。J-STAGE
- 公益財団法人 日本醸造協会「高エステル生成酵母」― きょうかい1801号の性質・特徴。日本醸造協会
- 栗林喬ほか「カプリル酸エチル高生産性清酒酵母の育種とその応用」『日本醸造協会誌』119巻3号(2024)、蟻川幸彦ほか「β-フェネチルアルコール、酢酸β-フェネチル高生産性清酒酵母の分離」(1991)。カプリル酸エチル研究/β-フェネチル系研究
- 飯塚幸子ほか「全国新酒鑑評会出品酒に含まれる4-mercapto-4-methylpentan-2-oneの解析」『日本醸造協会誌』114巻2号(2019)。J-STAGE
- 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒のはなし 第15号 清酒III」― 吟醸造り、高精白、低温発酵など。資料を見る
- 公益財団法人 日本醸造協会「清酒用 ミニパウチ酵母・スラント酵母」「各種尿素低生産性酵母 他」― 6号・7号・9号・10号・11号・14号、1601号・1701号・KArg1901号等の由来・性質。現行酵母一覧/1601・1701・KArg1901
- 秋山裕一「きょうかい酵母」『日本醸造協会雑誌』68巻9号(1973)、独立行政法人 酒類総合研究所「沿革」― 1906年の純粋培養酵母頒布と清酒酵母史。歴史資料/酒類総合研究所 沿革
- 国税庁「国税の第1位へ」― 明治32年に酒税が国税収入の35.5%を占めたことなど。国税庁
- 高松国税局鑑定官室「清酒製造場の酵母について(第1報)」(1965)、中田久保ほか「清酒もろみ中の清酒酵母群について(第1報)」(1977)― 添加酵母の純度、野生酵母・キラー酵母との競争。添加酵母の分布/キラー酵母
- 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒のはなし 第10号」「清酒FAQ」― 生酛・山廃・速醸酒母、乳酸と優良酵母の培養。第10号/清酒FAQ
- 下飯仁「清酒酵母の高泡形成に関与する遺伝子AWA1」『日本醸造協会誌』97巻7号(2002)― 泡なし酵母と高泡形成機構。J-STAGE
- 大内弘造ほか「メチレンブルー・サフラニンO二重染色法による清酒酒母、もろみの酵母の活性度判定」(1978)、福田央「PCR法による清酒酵母の判別」(2014)。染色法/PCR法
- 井田祐子ほか「花から分離した酵母 Saccharomyces cerevisiae の清酒醸造特性」『日本菌学会会報』62巻2号(2021)― 植物からの分離、小仕込試験、500kg実地醸造試験。J-STAGE
- 原昌道ほか「清酒もろみ末期のアミノ酸の増加におよぼす死滅酵母菌体内カルボキシペプチダーゼについて」『日本醸造協会雑誌』72巻7号(1977)。J-STAGE
- 独立行政法人 酒類総合研究所「清酒FAQ」― 火入れの目的、生酒と酵素活性、保存中の酒質変化。酒類総合研究所
- 谷本昌太ほか「清酒の火入れ中の酵素失活挙動」『日本醸造協会誌』99巻3号(2004)― 生酒中酵素の加熱失活。J-STAGE
- 谷本昌太「酵素剤仕込みによる生酒の貯蔵中におけるムレ香の生成抑制」『日本醸造協会誌』103巻2号(2008)― イソアミルアルコールオキシダーゼとイソバレルアルデヒド生成。J-STAGE
※本文中の店主の体験談、酒蔵研修で聞いた説明、比喩・考察は、上記資料に記載された事実そのものではありません。資料で確認できる内容と、店主の経験・対話上の整理を区別して掲載しています。
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