〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第5回「酒米」

〖酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ〗第5回「酒米」
🍶 酒屋とAIの対話ログで学ぶ、お酒のあれこれ

この企画は、お酒の用語や造り、歴史など、少し分かりにくい話を噛み砕いて整理するために、地酒専門店 酒逢の店主とAIが対話形式で掘り下げていく企画です。

店主の知識や経験をベースに、AIで資料やデータを整理しながら、「なぜ?」「本当に?」まで確認していきます。

今回のテーマは「酒米」。山田錦、雄町、五百万石、愛山など、日本酒では米の品種名を目にする機会が多くあります。では、米のでんぷんを糖化し、さらに酵母で発酵させる日本酒で、「米の品種」は最終的な味にどこまで影響しているのでしょうか。

今回は、酒造好適米と食用米の違い、心白や精米の意味、米が「溶ける・溶けない」という話、香り・酸・旨味との関係、山田錦が長年高く評価されている理由まで掘り下げます。また、酒逢店主が実際に酒蔵研修で経験した麹造りの映像も交えながら、「酒造りにおける再現性」という視点から酒米を考えていきます。

なるべく公的資料や研究論文など、根拠を確認できるものをもとに話を進めていますが、蔵で聞いた話や店主自身の経験、そこから組み立てた考察も含まれます。すべてを「確定した事実」としてではなく、酒屋とAIが資料を見ながらあれこれ考えている“壁打ち”としてお楽しみください😁
📑 この記事の目次
  1. そもそも、デンプンがあれば酒になるんじゃない?
  2. 「酒米」と「酒造好適米」って同じなの?
  3. ご飯として美味しい米と、酒を造りやすい米は別物
  4. 酒造りって、ものすごく「平準化」を気にするんだよね
  5. 心白って、大きければ大きいほど良いの?
  6. じゃあ、なんで日本酒はあんなに米を削るの?
  7. 酵母は「ドM」「ブラック企業の社畜」って話を聞いたことあるんだけど……
  8. 90%の米と50%の米、同じ造りをしたらどうなる?
  9. 「40%以下まで磨けば、科学的には大差ない」って本当?
  10. じゃあ、削った外側だけでアルコールを造ったら?
  11. 造りの時期に酒蔵さんと話してるとよく聞く「今年の米は〇〇」
  12. 米が予定と違ったら、蔵はどうするの?
  13. 「米が予定と違う」は、日本酒度だけの問題じゃない?
  14. で、米の品種で酒の味が違うのは本当?
  15. じゃあ「香り」「酸」「旨味」は、米なの? 造りなの?
  16. 「山田錦だから上品」「雄町だから旨味」でいいの?
  17. 酒米って、顔立ちとメイクアップアーティストみたいなもの?
  18. 「地元で開発した酒米」なら、地酒はもっと美味しくなる?
  19. そもそも「酒米」って、いつから研究されてるの?
  20. それでも、なんで今も「山田錦は別格」って言われるの?
  21. 結局、酒米って何なんだ?

そもそも、デンプンがあれば酒になるんじゃない?

〖酒逢店主🍶〗

今回は「酒米」について話そうか。

日本酒売り場を見てると、

「山田錦使用」
「雄町100%」
「愛山」
「五百万石」

みたいに、米の品種がかなり前面に出てるでしょ?

で、俺も酒屋だから、

「雄町っぽい」とか、
「山田錦らしい」とか、

そういう話は普通にする。

でも改めて考えると、ちょっと不思議なんだよね。

ご飯だったら分かるよ。

コシヒカリとササニシキを炊いて食べれば、米そのものを食べてるんだから品種差が味に出るのは当然。

でも日本酒って、そのまま米を食ってるわけじゃないでしょ?

米のでんぷんを麹の酵素で糖にして、その糖を酵母が発酵してアルコールにする。

だったら、米の品種って最終的な酒にどこまで影響してるんだろう?

今回はそこから掘ってみたい。

〖酒逢店主🍶〗

ものすごく乱暴な言い方をするとさ。



デンプン



発酵

アルコール

なわけでしょ?

だったら「アルコールを作る」ことだけが目的なら、わざわざ高い酒造好適米を使う必要もなさそうだよね。

なんなら精米して米を削るのも、冷静に考えるとすごいことやってる。

玄米100kg買って、精米歩合50%なら半分削っちゃうんだから。

酒蔵さんも営利企業ってことを考えると、わざわざコストを増やして造るってことは、それを上回る付加価値――つまり「美味しさ」が増えるってことだよね。

〖AI 🤖〗

そこが今回の話の入口として面白いところです。

実際、「アルコール発酵できるかどうか」だけなら、米の中心部分だけでなければならないわけではありません。

国税庁醸造研究所が行った実験では、精米時に出る白糠を原料にして、酵母と水でアルコール発酵させています。

精米歩合95%、85%、75%、65%に相当する各部分の糠から、実際にアルコールを造ることができました。

ただし、外側に近い糠ほどアルコール分が低く、酸度やアミノ酸度が高くなり、官能評価でも糠臭や酸臭が強くなっています。※1

〖酒逢店主🍶〗

おお。

じゃあ、

「削った方だって、アルコールにするだけなら使えるんじゃない?」

という発想自体は、そんなに変な話じゃないんだ。

〖AI 🤖〗

そうですね。

だから、

「発酵してアルコールになる」

と、

「狙った香味の日本酒を造れる」

は全然違う話だと分かります。

ここから酒米の意味が見えてきます。


「酒米」と「酒造好適米」って同じなの?

〖酒逢店主🍶〗

その前に言葉を整理しとこうか。

俺ら普通に「酒米」って言うけど、「酒造好適米」とは同じ意味?

〖AI 🤖〗

日常的にはかなり近い意味で使われます。

国税庁の資料では、酒造好適米(酒米)は、清酒造りに適した性質を持つ米品種の総称と説明され、農産物の規格上では「醸造用玄米」と呼ばれます。※2

ただし、日本酒の原料米そのものが酒造好適米に限定されているわけではありません。

一般米、つまり食用米も日本酒の原料として使われています。※2

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「酒造好適米じゃないと日本酒は造れない」

では全然ない。

〖AI 🤖〗

そうです。

飯米からでも日本酒は造れますし、実際、それで美味しい酒もたくさんあります。

例えば酒逢でも扱っている「出羽桜 純米吟醸 つや姫」は、食用米として知られる山形県の「つや姫」を使った日本酒ですね。

▶ 出羽桜 純米吟醸 つや姫を見る

なので本当の疑問は、

「酒にできるか?」ではなく、「なぜ酒造り専用の米をわざわざ作るのか?」

です。


ご飯として美味しい米と、酒を造りやすい米は別物

〖酒逢店主🍶〗

ここは最初に言った話につながるよね。

ご飯は米そのものを食う。

でも日本酒は違う。

米を削って、水吸わせて、蒸して、麹菌生やして、糖化して、酵母で発酵させる。

もう米からしたら、

「原形ほぼ無いな」

くらい色々される(笑)。

〖AI 🤖〗

だから酒造好適米に求められる性能も、「炊いて食べた時に美味しい」だけではありません。

酒造好適米は一般に大粒で、心白を持つものが多く、食用米よりタンパク質が少ない傾向があり、低温で長期間発酵する醪の中でも溶けやすいなど、酒造りに向いた性質を持っています。※3

つまり、

食材としての美味しさ

だけではなく、

精米して、吸水して、蒸して、麹にして、醪の中でどう動くのか

までが原料米としての性能になる。


酒造りって、ものすごく「平準化」を気にするんだよね

〖酒逢店主🍶〗

これ、俺が酒蔵研修に行った時に教えてもらって、かなり印象に残ってるんだけど。

酒造りって、とにかく平準化・平均化を気にするんだよね。

麹室で麹を造ってる時も、ただ置いときゃいいわけじゃない。

麹米が重なってれば、内側は熱がこもる。

空気に触れてる表面は冷えやすい。

だから途中で何度も手を入れてひっくり返して、なるべく全体を同じ状態にしていく。

俺も実際に作業させてもらった。

酒逢店主が酒蔵研修で実際に行った麹造りの作業。麹の状態をなるべく均一にするため、手を入れながら全体をほぐし、混ぜていきます。

〖AI 🤖〗

麹菌は増殖する際に熱を出すので、製麹では品温の管理が非常に重要です。

製麹の基本技術に関する資料でも、蒸米をよく混ぜて温度を均一にすることや、放置すると内部は温度が上がりすぎる一方、表面は乾燥して麹の生育に差が出ることが説明されています。※4

〖酒逢店主🍶〗

で、高級酒の麹造りになると、さらに面倒なことやるんだよね。

大きな台の上でまとめて造った方が絶対楽なのに、わざわざ小さい麹蓋(こうじぶた)に分ける。

出羽桜さんで研修した時に、職人さんがお手本としてやってくれたのを撮影させてもらったんだけど。

麹を真ん中に集めて、全部の麹蓋で同じように“こんもり”させるの。

出羽桜酒造で酒蔵研修をした際、職人さんのお手本として撮影させていただいた麹蓋での作業。麹を中央へ寄せながら、一枚ずつ形を整えていきます。

これね。

職人さんがやると簡単そうに見えるんだけど、自分でやると超大変だった。

なんかね……形が違うのよ。

理想的に“こんもり”同じ形に……なかなかならない(笑)。

一枚一枚管理しなきゃいけないし、運ぶのも大変。

終われば当然、使った道具の掃除もある。

それでも高級酒では、わざわざこういうことをやる。

〖AI 🤖〗

ここは用語も確認しておくと、「麹蓋」と「麹箱」は同じものではありません。

酒類総合研究所の資料では、「盛り」の量は麹箱で15〜30kg、麹蓋では1.5〜2.5kg。麹蓋の方がかなり小さく、細かく分けて管理する道具です。※3

そして出羽桜酒造も、大吟醸用の麹を造る際には「麹蓋と呼ばれる小さな箱」に麹を入れ、きめ細かく温度管理すると公式に説明しています。※5

〖酒逢店主🍶〗

でしょ?

麹ですら、こんなに必死にバラつきを潰してる。

俺が研修で教わった感覚だと、

「決められた温度にする」だけじゃなくて、麹全体をなるべく同じ状態に揃えていかないと、受け継いだ造り通りにならない。

そういう話なんだよね。

だったら元になる米も、

「こっちは水を吸う」
「こっちは吸わない」
「これはすぐ溶ける」
「これは全然溶けない」

みたいに毎回バラバラだったら困るよね。

酒造好適米の価値って、美味しい酒になりやすいだけじゃなくて、

造り手が狙った通りに扱いやすいこと

もかなり大きいんじゃない?

〖AI 🤖〗

その理解はかなり妥当です。

実際、原料米の酒造適性を評価する際には、吸水性、蒸米の消化性、精米特性など、「工程の中でその米がどう動くのか」が調べられています。※3

つまり、

美味しい酒の材料であると同時に、再現性のある酒造りをしやすい材料

という見方ができます。


心白って、大きければ大きいほど良いの?

〖酒逢店主🍶〗

そこで酒米の話になると必ず出てくる「心白」。

磨いて磨いた後に出てくる、お米の“中心核”というか……白いとこね。

一般的には、

「酒米は心白が大きいから麹菌が入り込みやすい」

って説明するけど。

じゃあ心白ってデカけりゃデカいほど優秀なの?

〖AI 🤖〗

見た目のイメージとして「中心にある白いところ」は分かりやすいです。

ただ厳密には、心白は精米によって後から生まれるものではなく、玄米の段階から米粒の内部に見られる白色不透明な部分です。※2

そして、

心白が大きければ大きいほど優秀

という単純な話でもありません。

酒類総合研究所が八反系の酒米を調べた研究では、大きく眼状の心白を持つ品種は高度精米で割れやすかった一方、小さく線状の心白を持つ系統は高度精米に耐えやすいことが示されています。※6

〖酒逢店主🍶〗

面白いね。

「でっかい心白!立派!優秀!」

ではないんだ。

〖AI 🤖〗

そうです。

麹を造る上での性質だけでなく、

削れるか、割れないか、吸水を管理できるか、蒸した後どう溶けるか

まで全部つながっています。

だから酒米としては、心白も「大きさ」だけではなく、形・位置・米全体とのバランスを見る必要があるわけです。


じゃあ、なんで日本酒はあんなに米を削るの?

〖酒逢店主🍶〗

これも酒屋ではよく説明する話だけど。

米の外側って栄養が多い。

タンパク質とか脂質とかミネラルとか。

そういうのを多く残して発酵すると味が雑になりやすいから、透明感のある高級酒を狙う時は米を磨く。

俺はだいたいそんな理解なんだけど、公的な資料でも同じような説明になってる?

〖AI 🤖〗

大筋ではその理解でいいです。

国税庁は、米の胚芽や表層部にはタンパク質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く、これらは酒造りに必要な成分ではあるものの、多すぎると清酒の味や香りを悪くするため、精米によって減らすと説明しています。※7

酒類総合研究所の吟醸酒に関する資料でも、タンパク質は分解されると旨味や甘味だけでなく苦味や渋味などにも関係し、多すぎると繊細な味わいを損ねること、脂質も吟醸香の生成に関係することが説明されています。※8

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「外側の成分=全部悪者」

ではないんだ。

〖AI 🤖〗

そこは重要です。

麹菌や酵母にとって必要な栄養でもありますし、米のタンパク質から生じるアミノ酸やペプチドの一部は、酒の味にも関わります。

だから、

少なければ少ないほど正義

ではありません。

狙う酒質に応じて、どこまで減らすかという話です。


酵母は「ドM」「ブラック企業の社畜」って話を聞いたことあるんだけど……

〖酒逢店主🍶〗

これで昔聞いた話を思い出した。

酵母って、ものすごく変な喩えをすると、

「ドM」だったり、「ブラック企業の社畜」みたいなもの

って(笑)。

かなり磨いた米を使って、栄養が少ない環境にして。

吟醸造りでは低い温度の中で、

「寒いけど働いてください」

って長期間働かせる。

そうすると酵母が良い仕事をして、吟醸酒らしい良い香りを出す、みたいな話。

もちろん科学用語じゃなくて喩え話なのは分かってる(笑)。

でも、権威のある資料とか研究を見ても、結果としてはそういう理解に近い部分ってある?

〖AI 🤖〗

そう言えなくもない比喩ではあります。

ただ、科学的に分解すると少し違う説明になります。

酒類総合研究所は吟醸酒について、よく精米した米を使い、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」によって特徴的な香味を造ると説明しています。

また、吟醸香は酵母が作り出すもので、吟醸醪はおおむね5〜10℃という低温で管理されるため、麹の酵素作用や酵母の発酵も強く抑えられ、長期間かけて発酵が進みます。※8

なので、店主が聞いた比喩を科学的な言葉に置き換えるなら、

「高精白や低温長期発酵など、通常とは違う制約のある環境を人間が意図的に設計し、その中で酵母の代謝をコントロールし、吟醸酒らしい香味を引き出している」

くらいでしょう。

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

「酵母をイジメればイジメるほど良い香りが出る」みたいな単純な話ではない。

でも、

「楽にバンバン発酵させるんじゃなくて、あえて条件を絞って、ゆっくり働かせながら狙った香りや味に持っていく」

という意味なら、あの喩えも完全に的外れではないと。

〖AI 🤖〗

そういう理解なら近いと思います。


90%の米と50%の米、同じ造りをしたらどうなる?

〖酒逢店主🍶〗

これ、実験したくならない?

全く同じ米を使って、

片方は精米歩合90%くらい。

もう片方は50%。

酵母も麹も温度も全部同じ。

それで酒造ったら、科学的には何が変わるんだろう。

〖AI 🤖〗

完全に同一条件で「90%対50%」だけを比較した、今回の問いにそのまま答える研究は、今回確認した範囲では見つけられていません。

ただ、精米によって原料米の組成が変わること自体ははっきりしています。

外層に多い脂質、タンパク質、ミネラルなどは精米によって減っていきます。※7

つまり精米とは、

米を単に小さくしているのではなく、発酵に投入する原料の成分構成そのものを変えている

とも言えます。


「40%以下まで磨けば、科学的には大差ない」って本当?

〖酒逢店主🍶〗

ここで、以前聞いた話があるんだけど。

「精米歩合40%くらいまで削ったら、その先は成分的にはそんなに変わらない」

みたいな話。

一時期、

「うちは20%!」

「こっちは一桁!」

みたいな高精米競争もあったでしょ?

これ、酒類総合研究所とか論文とか、ちゃんとしたデータを見るとどうなの?

〖AI 🤖〗

まず、

「40%以下なら科学的には全部同じ」

とそのまま言える資料は確認できません。

むしろ、かなり極端な比較ですが面白い研究があります。

精米歩合35%と、なんと2.8%まで磨いた米を比較した試験では、2.8%精米の米は35%精米より粗タンパク質が少なく、出来上がった酒ではアミノ酸総量が半分以下になりました。

さらに有機酸、脂肪酸由来成分、香気成分、発酵中の酵母の状態にも違いが出ています。※9

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

「40%より削っても科学的には何も変わらない」

とまで言ったら言い過ぎなんだ。

〖AI 🤖〗

そうですね。

ただし、店主がその話を聞いた背景は想像できます。

米の外層に集中している成分については、ある程度精米したところでかなり減っています。

だから、

「40%から30%、20%と削った時の効果が、90%から70%へ削った時と同じ割合で劇的に続くわけではない」

という話なら理解できます。

でも、

ある数字を境に、その先は完全に同じ

というわけではありません。


じゃあ、削った外側だけでアルコールを造ったら?

〖酒逢店主🍶〗

最初の白糠の研究、やっぱり面白いな。

例えば50%まで磨いたら、中心側の50%を使う。

じゃあ削られた外側にもデンプンは残ってるんだから、そっちを集めて糖化・発酵させたらどうなるの?

って話だよね。

〖AI 🤖〗

完全に「中心50%対外側50%」という比較ではありませんが、先ほどの白糠の試験がかなり近いです。

外側の部分でもアルコール発酵はできます。

ただ、外側に近い区分ほど酸度やアミノ酸度が高く、糠臭や酸臭も強くなりました。※1

つまり、

デンプンがあればアルコールにはできる。

しかし、

どこのデンプンを使っても同じ香味の酒になるわけではない。

〖酒逢店主🍶〗

ここまで来ると「なぜ削るの?」がかなり腹落ちするね。

高級酒だから贅沢に米を捨ててる、みたいな話じゃない。

精米することで、

発酵へ投入する原料自体を作り替えてる

と考えた方が近いわけだ。


造りの時期に酒蔵さんと話してるとよく聞く「今年の米は〇〇」

〖酒逢店主🍶〗

もう一個、これは仕込み時期に酒蔵さんと話してると本当によく聞く。

「今年の米は割れやすい」

とか、

「今年はよく溶ける」

とか、

「今年の米は硬くて溶けにくい」

とか。

同じ山田錦なのに、年によって言うことが違うんだよね。

どうも生育時の気温とかが関係してるらしいけど、これって科学的にはどこまで分かってるの?

〖AI 🤖〗

特に「溶ける・溶けない」についてはかなり研究されています。

酒類総合研究所は、その年の原料米の溶解性を、稲が実る登熟期の気温から予測して酒造関係者向けに公表しています。

高温で登熟した米ではアミロペクチンの側鎖が長くなり、蒸した米のでんぷんが老化しやすくなるため、醪中で酵素によって消化されにくい方向へ動くことが確認されています。※10

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

特にここ数年は夏の暑さがエグいから、酒蔵の人が、

「今年も米が……米が……」

って言うのは、そういう感じなんだね。

〖AI 🤖〗

そういう背景はかなりあります。

一方、「割れやすい」まで全部を気温だけで説明するのは避けた方がいいです。

米粒の水分、栽培条件、収穫時期、心白の形、精米条件など複数の要因が関係します。

だから、

米の溶解性と登熟期気温の関係はかなり強く確認されている。
一方、割れやすさは複数要因を見る必要がある。

という整理がいいでしょう。


米が予定と違ったら、蔵はどうするの?

〖酒逢店主🍶〗

でもこれ、蔵からしたら結構怖いよね。

去年と同じ品種を買って、去年と同じ酒を造ろうとしてるのに、

「あれ?今年ぜんぜん溶けないぞ」

ってなるわけでしょ?

酒造りって、レシピの数字をそのまま守れば終わりじゃないでしょ?

どうやって予定してた造りへ戻すの?

〖AI 🤖〗

ここが造り手の技術になります。

まず原料処理の段階でも、実際の米を見ながら吸水を調整します。

酒類総合研究所は、吟醸造りでは米質を見極め、試し洗いを行い、水温や時間を確認しながら、わずか1%の吸水量にもこだわって管理すると説明しています。※3

そして醪へ進んでからも、

  • 麹の酵素力
  • 汲水
  • 仕込み温度
  • 醪の温度経過
  • 発酵の進み方

などを見ながら管理していく。

原料米の溶解性についての研究でも、米の溶け方が発酵速度や日本酒度、グルコース、アルコール、香気成分などに影響することが確認されています。※11

つまりレシピって、

「この数字を守れば自動的に同じ酒になる」

ではなく、

「今年の原料を見ながら、狙った経過へ戻していくための設計図」

に近いのかもしれません。

〖酒逢店主🍶〗

これ、最初の麹の話と同じだな。

ズレが出る。

それを見つける。

手を入れる。

なるべく狙った状態へ戻す。

酒造りって、ずっとそれやってるんだ。


「米が予定と違う」は、日本酒度だけの問題じゃない?

〖酒逢店主🍶〗

あと俺、酒蔵の人から、

酒って日本酒度とか酸度だけじゃなく、

「醪の中で酵母がどれくらい元気に活動しているか」

とか、

「死んでいる酵母がどれくらいいるか」

みたいなことでも酒質が変わる、って聞いたことがあるんだよね。

だったら、

「今年の米、想定より溶けるな」

「逆に全然溶けないな」

って、単純に糖が多い・少ないだけの話じゃないんじゃない?

米の状態が変われば、酵母が置かれる環境まで変わるでしょ?

このへん、研究だとどうなってる?

〖AI 🤖〗

まず、

酵母の生死が醪中の成分へ影響する

こと自体は研究で確認されています。

醪末期に酵母が死滅すると、死滅酵母由来の成分や菌体内酵素の作用によって、アミノ酸の増加に影響することが報告されています。※12

また、先ほどの2.8%精米と35%精米を比較した研究でも、原料米条件の違いによって発酵中の酵母の状態に違いが現れ、2.8%精米の試験では発酵終了時まで酵母の死滅が確認されなかったと報告されています。※9

そして原料米の溶解性についても、発酵速度、日本酒度、グルコース、アルコール、さらにカプロン酸エチルなどの香気成分との関係が確認されています。※11

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ、

「米の状態が違えば溶け方が変わって、糖化と発酵のバランスも変わる。そこから酵母の代謝や、最終的な酒の成分にまで影響が波及することがある」

くらいなら言える。

でも、

「今年の米は〇〇だったから、〇〇が発生して、お酒が〇〇になってしまった」

まで一発で一本につなぐのは雑、と。

〖AI 🤖〗

その整理がいいと思います。

日本酒は変数が多いので、一つの原因だけで完成酒の状態まで断定するのは危険です。

ただ、

原料米の性質が発酵のかなり下流まで影響し得る

こと自体は、研究からもかなり見えてきています。


で、米の品種で酒の味が違うのは本当?

〖酒逢店主🍶〗

ここまで来て、やっと本題に戻る(笑)。

山田錦、雄町、五百万石、愛山。

米によって「出やすい酒質の傾向が違う」というのは、俺も実際に飲んでいて感じるし、酒蔵の人とも普通にそういう話をする。

これって感覚論だけじゃなく、成分分析や比較試験でも確認できてる?

〖AI 🤖〗

「原料米の品種が違えば、製成酒の成分や呈味にも差が出る」

ところまでは、研究で確認できます。

酒造好適米と良食味米を含む11品種を比較した試験では、掛米品種によって出来上がった酒の呈味に差が見られ、遊離アミノ酸や糖の組成にも違いが確認されています。※13

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

じゃあ、

「酒米の品種によって、出来上がる酒に出やすい傾向が違う」

という話自体は、単なるイメージや売り文句だけではなくて、科学的にもある程度裏付けがある、と考えていいわけだ。

〖AI 🤖〗

そうですね。

ただし、ここで面白いのは、

米の味が、そのまま日本酒へ移っているわけではない

ことです。

米の品種によって、

  • タンパク質の量や組成
  • デンプンの性質
  • 吸水性
  • 蒸米の消化性
  • 醪での溶け方

などに違いがあります。

それによって発酵中の環境や物質の供給速度が変わり、最終的な糖、アミノ酸、有機酸、香気成分などにも差が出る。

だから、

米の個性が「糖化と発酵」という長い工程を通って、最終的な酒質として現れる

と考える方が近いです。


じゃあ「香り」「酸」「旨味」は、米なの? 造りなの?

〖酒逢店主🍶〗

ここ、かなり知りたい。

「米によって酒質の傾向が変わる」は分かった。

でも、

香り、
酸、
旨味。

これは、それぞれどれくらい「米」の話なんだろう?

例えば、

「この米だから華やか」

「この米だから酸がある」

「この米だから旨味が強い」

みたいな説明。

一概には言えないだろうけど、科学的には米寄りなのか、造り寄りなのか、どんな感じ?

香りは?

〖AI 🤖〗

代表的な吟醸香については、かなり造り寄りです。

吟醸酒の華やかな果実様の香りは酵母が作り出すもので、使用する酵母や発酵条件の影響が大きい。※8

ただし、米が無関係という意味ではありません。

精米歩合40%の米を使った大吟醸を想定した試験では、原料米の溶けやすさによって発酵速度が変わり、それに伴ってカプロン酸エチル濃度にも差が出ています。※11

〖酒逢店主🍶〗

つまり、

「山田錦の中にリンゴの匂いが入ってます」

ではない(笑)。

〖AI 🤖〗

もちろん(笑)。

米の性質が発酵環境に影響して、その中で酵母が作る香りにも影響する

という経路ですね。

酸は?

〖AI 🤖〗

酸についても、完成酒の有機酸の多くは発酵過程で生じるものなので、やはり造りの影響がかなり大きいです。

ただ、原料米の品種を変えた比較試験では、出来上がった酒の呈味に有機酸由来と考えられる違いも確認されています。※13

だから、

「この米だからこの酸になる」という直接的な話ではないけれど、米の違いが発酵を通じて酸の出方へ影響することはある。

というところです。

旨味は?

〖AI 🤖〗

旨味は三つの中では、米とのつながりを比較的説明しやすいです。

米のタンパク質が麹の酵素などで分解され、アミノ酸やペプチドへ変わります。

掛米品種によって製成酒の遊離アミノ酸量が異なったという試験結果もあります。※13

ただし、

タンパク質が多い米=旨味が多い=美味しい

でもありません。

多すぎれば重さや好ましくない香味につながることもある。

結局ここでも、米の特性を造り手がどう扱うかが入ってきます。


「山田錦だから上品」「雄町だから旨味」でいいの?

〖酒逢店主🍶〗

そう考えると、お酒の説明でよく目にする、

山田錦=上品
雄町=旨味
五百万石=淡麗
愛山=華やか

みたいな説明って、完全な嘘ではないけど、かなり大ざっぱな説明なんだろうな。

〖AI 🤖〗

「品種ごとに出やすい酒質傾向がある」という入口としては使えます。

農林水産省の資料でも、山田錦は香りがよくコクのある酒、五百万石は淡麗、美山錦はすっきり、雄町はコクのある酒になりやすい、といった代表的な傾向が紹介されています。※14

ただし、

その品種を使えば必ずその味になる

わけではありません。

同じ山田錦でも蔵が違えば酒は変わる。

同じ蔵でも精米歩合、麹、酵母、発酵温度などが変われば違う酒になる。

さらに、今まで見てきた通り、

同じ品種でも生産年の気温によって米の溶け方すら変わる。

だから品種名は、完成した酒の味を決める「答え」というより、

酒造りのスタート地点にある一つの重要な条件

と考えた方がよさそうです。


酒米って、顔立ちとメイクアップアーティストみたいなもの?

〖酒逢店主🍶〗

俺のイメージだと、酒米と造り手って、

顔立ちとメイクアップアーティスト

みたいなものなんだよね。

たぬき顔の人は、こういうメイクが似合いやすい。

狐顔なら、こうすると特徴が引き立つ。

みたいな傾向はあるでしょ?

でも、

「たぬき顔なら全員同じ完成形になります」

では当然ない。

同じような顔立ちでも、誰がどうメイクするかで全然変わる。

逆に、

「あのメイクアップアーティストさん、本当に上手だね」

って世界もある。

〖AI 🤖〗

今回調べてきたことを整理すると、その比喩はかなり分かりやすいと思います。

酒米にも品種固有の性質はあります。

でも、そこから完成酒へ至るまでには造り手の判断が大量に入る。

だから米の品種を、

完成酒の味を決めるレシピ

として見るより、

特徴を持った素材

として考えた方が近い。

〖酒逢店主🍶〗

俺のイメージでは造り手の中に、

「この米でしか出しにくい、この方向の味が好き」

みたいなのがあって。

毎年米と向き合いながら、

「今年はこう来たか。じゃあ、こっちを調整しよう」

みたいな試行錯誤をしてるんだと思う。

それを何年も積み重ねて、

「俺はこの米なら、こういう方向へ伸ばすのが好き」

みたいなのができていく。

そういう競争なのかなって。


「地元で開発した酒米」なら、地酒はもっと美味しくなる?

〖酒逢店主🍶〗

最近は地域独自の酒米もいっぱいあるでしょ?

県で開発しました。

地元の農家が作りました。

地元の水で仕込みました。

これはストーリーとしてすごくいいと思う。

ただ、

「地元の米だから酒が旨くなる」

は別の話だと思うんだよ。

それだけで最高品質になるなら、最高峰の酒を狙う時に、わざわざ兵庫県産山田錦を使いたがる蔵がたくさんあることの説明がつかない。

〖AI 🤖〗

ここも分けて考えた方がいいですね。

酒米の育種は、

「出来上がった酒が美味しいか」

だけの競争ではありません。

その地域で栽培できるか、収量、倒伏しにくさ、耐冷性や病害への強さ、農家が安定して作れるかなど、農業上の性能も重要です。

例えば長野県で育成された「ひとごこち」でも、醸造適性だけでなく、多収性、耐倒伏性、耐冷性、病害抵抗性などを含めて評価されています。※15

〖酒逢店主🍶〗

だから、

「地元酒米を作った=山田錦を超える味の米ができた」

って話じゃないんだ。

〖AI 🤖〗

そうです。

地域で安定生産できる。

農家と蔵が継続的に取り組める。

その米について造り手側の経験が蓄積する。

そして、その土地ならではの酒として価値を作れる。

これらも立派な意味があります。

〖酒逢店主🍶〗

色んなところで色んな米を作って、色んな人が色んな造り方を試すこと自体は良いことだと思うんだよね。

知見がどんどん溜まるし。

その中から次世代のスターが出てくるかもしれない。


そもそも「酒米」って、いつから研究されてるの?

〖酒逢店主🍶〗

そもそも歴史的にはどうなんだろう。

昔から、

「この米、酒造りに向いてるぞ」

みたいな経験はあったんだろうけど。

今みたいに酒造り用の品種として研究したり、交配して育種したりするようになったのはいつ頃?

〖AI 🤖〗

経験的に優れた米を選ぶ歴史はかなり古くまで遡れます。

代表的なのが雄町です。

岡山県の資料では、1859年頃に岸本甚造という農家が見つけた稲を持ち帰り、1866年に雄町の元になる原種を選抜したとされています。※16

一方で、酒造適性を科学的に調査する動きが本格化するのは近代以降です。

1932年から1937年には、大蔵省醸造試験所を中心に全国の酒造原料米を調べる大規模な調査が行われました。

供試品種は6年間で延べ93品種。

精米特性や化学分析だけでなく、製麹試験、糖化試験、山廃・速醸酒母の製造試験まで行われています。

そして1936年に山田錦、1957年には五百万石が登場します。※17

〖酒逢店主🍶〗

なるほど。

最初は、

「この米、なんか酒造りにいいぞ」

だったものが、

「じゃあ、何がいいんだ?」
「測ってみよう」
「だったら、その性質を持つ米を作ろう」

になっていくわけだ。


それでも、なんで今も「山田錦は別格」って言われるの?

〖酒逢店主🍶〗

で、最後これ。

いろんな酒蔵の人に酒米の話を聞くけど、

「やっぱり山田錦は別格」

みたいに言う人、本当に多いんだよね。

もちろん全員じゃないよ。

でも最高級酒とか鑑評会の話になると、山田錦への信頼感はかなり強い。

これって単なるブランドイメージなの?

酒造適性のデータを見ても説明できる?

〖AI 🤖〗

ブランドだけでは説明しきれません。

山田錦は、適度な心白の発現によって高度精米が可能で、デンプンが分解されやすく、麹造りや醪の発酵も安定しやすいなど、複数の酒造適性を持つことが資料でも説明されています。※18

さらに大きいのが、これだけ長い間、これだけ大量に使われ続けてきたことでしょう。

酒類総合研究所の資料でも、山田錦は現在も検査数量が最も多い酒造好適米として紹介されています。※3

〖酒逢店主🍶〗

ここで、蔵の人から聞いた表現ですごくしっくり来たのが、

日本刀造りにおける玉鋼みたいなもの

って話なんだよね。

玉鋼を買えば誰でも名刀を造れるわけじゃない。

当然、職人の腕が必要。

でも最高峰のものを造ろうとする腕の良い職人ほど、

「材料は何でもいいですよ」

ともならないでしょ?

自分の技術をちゃんと反映できる、信頼できる材料を使いたい。

〖AI 🤖〗

今回調べてきた内容をつなげると、その比喩はかなりしっくりきます。

山田錦を使えば、自動的に美味しい酒ができるわけではありません。

飯米でも美味しい日本酒は造れる。

地域酒米にも、それぞれ意味がある。

でも最高品質を狙う時に、

高度に精米できる。
吸水や蒸米の状態を管理しやすい。
麹を造りやすい。
醪での挙動を読みやすい。
さらに長年の造り手側の経験が蓄積されている。

そういう材料を使えることは、かなり大きい。

〖酒逢店主🍶〗

山田錦の中に「美味しい酒の味」が入ってるというより、

最高峰を狙う職人が、安心して腕を振るえる材料

みたいな感じなのかもね。


結局、酒米って何なんだ?

〖酒逢店主🍶〗

台本書いてるときは、

「〇〇とは言い切れない」

「△△だからといって××というわけではない」

だらけの、わかりにくい話になるかと思ったけど、まぁボチボチ整理できて一安心(笑)。

俺なりに整理すると。

まず、

酒を造るだけなら、酒造好適米じゃなくても造れる。

米のでんぷんを糖化して発酵させれば、アルコールはできる。

でも酒蔵がやりたいのは、

「アルコールができました」

じゃない。

狙った味・香りの酒を、美味しく、しかもなるべく毎年再現すること。

そのためには、精米した時に割れにくいとか、吸水を読みやすいとか、麹を造りやすいとか、醪でどう溶けるかを読みやすいとか、原料として色んな性能が必要になる。

〖AI 🤖〗

そして、その性能は米の品種によって実際に違います。

さらに同じ品種でも、生産年の気温などによって性質が変わる。

だから造り手は、

品種名だけを見るのではなく、その年のその米を見て造りを調整する。

そして米のタンパク質やデンプンの性質などの違いは、糖化と発酵を通じて、糖、アミノ酸、有機酸、香気成分などの違いにもつながります。

つまり、

米の品種は確かに酒質へ影響する。
でも「米の味が、そのまま酒の味になる」わけではない。

ということですね。

〖酒逢店主🍶〗

そう考えるとさ。

ある雄町のお酒を飲んで、

「この蔵の、この雄町の酒、俺の思う“雄町の魅力”をいい感じで表現してていいなぁ……なんか話合いそうだな」

みたいに思う方が、俺としては面白いね。

同じ米を使って全然違う酒になるのも、むしろ当然。

酒米は完成した料理じゃない。

素材なんだから。

〖AI 🤖〗

そして良い素材とは、

単に「美味しい成分を持っている素材」というだけではなく、

造り手が自分の技術を使い、狙ったものを作るために信頼できる素材

でもある。

〖酒逢店主🍶〗

じゃあ結局、俺としてはこれかな。

酒米は「この米を使えば、この味になる」というレシピじゃない。
米によって確かに性格は違う。
でも、その性格を見て、どこを伸ばして、どう酒にするかを決めるのは造り手。

山田錦が玉鋼なら、雄町も五百万石も愛山も、それぞれ違う素材。

で、どれを使って何を造ったのかを見る。

その方が、

「山田錦だから高級」

とか、

「雄町だから濃い」

だけで終わるより、日本酒を見るのがちょっと面白くなる気がする。

〖酒逢店主🍶 × AI 🤖〗<また次回〜👋👋


📌 酒米から実際に日本酒を探してみる

酒逢の通販では、山田錦・五百万石・雄町・愛山など、使われている酒米から日本酒を絞り込んで探すことができます。

今回の話を読んだあとに、同じ酒米でも蔵によってどれくらい表現が違うのか、実際の商品を見比べてみるのも面白いと思います。

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参考資料・出典

※1: 岩田博ほか「無蒸煮白糠を用いた酒類の製造について」 (日本醸造協会誌、1998年)

※2: 国税庁「日本酒ラベルの用語事典|原料米・酒造好適米(酒米)・心白」

※3: 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒のはなし 特集:清酒2(科学と技術の融合)」

※4: 「シリーズ・醸造の基本技術|製麹」 (日本醸造協会誌)

※5: 出羽桜酒造「酒造り 仕込み|麹造り」

※6: 独立行政法人 酒類総合研究所「平成17年度 研究成果|八反系酒造好適米の心白形状と精米特性」

※7: 国税庁「清酒の製法品質表示基準の概要|精米歩合とは」

※8: 独立行政法人 酒類総合研究所「お酒のはなし 第15号|吟醸酒」

※9: 「超高度精白米を用いた純米大吟醸の試験製造とその品質」 (日本醸造協会誌)

※10: 独立行政法人 酒類総合研究所「令和元年産清酒原料米の酒造適性予測」

※11: 奥田将生ほか「原料米の溶解性及びイネ登熟期気象条件が吟醸酒の香気成分濃度に及ぼす影響」 (日本醸造協会誌、2023年)

※12: 原昌道ほか「清酒もろみ末期のアミノ酸の増加におよぼす死滅酵母菌体内カルボキシペプチダーゼについて」 (日本醸造協会雑誌、1977年)

※13: 「酒造好適米と良食味米を掛米として用いた清酒の呈味評価」 (日本醸造協会誌、2015年)

※14: 農林水産省「酒米の代表品種と酒質の特徴」

※15: 農林水産省 アグリサーチャー「酒造好適米水稲新品種『ひとごこち』とその施肥法」

※16: 岡山県「おかやまの米|雄町について」

※17: 国税庁「日本酒の歴史と酒造原料米の変遷」

※18: 農林水産省「山田錦の優れた酒造適性」

※本文中の酒蔵研修での体験、酒蔵関係者から聞いた話、歴史的・技術的な推測や比喩は、上記資料から確認できる事実と区別しながら、酒逢店主とAIの対話の中で整理・考察したものを含みます。

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この記事について

この記事は、地酒専門店 酒逢の店主を中心に、スタッフが酒蔵から得た情報や公開資料、日々の販売・試飲経験などをもとにまとめています。 酒逢について

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🍶 お酒の用語・知識に関するよくある質問

質問1:お酒の用語や知識は、なるべく覚えた方がいいですか?

お酒を楽しむために、用語を暗記しなければならないわけではありません。飲んで「美味しい」と思えれば、どんな製法なのか、どんな原料や酵母を使っているのかを知らなくても、それで十分です。わざわざ評論家のように味を言語化する必要もありません。

ただ、それぞれの言葉が何を意味し、どんな歴史や技術的な背景を持っているのかを少しずつ知っていくと、お酒を見るときの「解像度」はかなり変わってきます。

例えば日本酒なら、何も知らずに裏面ラベルを見たときには、「酒蔵名+よく分からない専門用語がたくさん書いてある」くらいで終わってしまうかもしれません。

でも、酒母、酒米、酵母、火入れ、生酒、搾り方など、それぞれの意味が分かってくると、

「生酛なのに、こんなに綺麗なんだ」
「火入れなのに、このフレッシュ感はすごい」
「この酒米を、この蔵はこう表現するのか」

といった、一段違った見方ができるようになります。

用語を覚えること自体が目的というより、そのお酒がどんな背景や技術の積み重ねで造られているのかを見るための材料が増えていく、くらいに考えるのがちょうどいいと思います。

質問2:お酒の用語やスペックが分かれば、飲む前に味を当てられるようになりますか?

ある程度の方向性を予想するための手がかりにはなりますが、完璧に味を当てることはできません。

例えば同じ「生酛」でも、力強く濃醇なお酒もあれば、驚くほど綺麗で軽快なお酒もあります。「辛口」も同じで、一つの分類の中にまったく違うタイプのお酒があります。

原料、酵母、製法、発酵、火入れ、熟成などは、それぞれ味わいに関係する要素ですが、お酒はそれら複数の条件が組み合わさって完成します。

だから知識を「このスペックだから、きっとこういう味だ」という答え合わせに使うよりも、

「この条件から、この造り手はどんな味に表現しているんだろう?」

と考えながら飲む方が、お酒の楽しみ方としてはずっと面白いと思います。

質問3:同じ原料や酵母、同じ製法でも、造り手によって味が違うのはなぜですか?

お酒の味は、一つの要素だけで決まるものではないからです。

例えば日本酒なら、同じ酒米を使っていても、酒蔵の考え方や技術体系、仕込み水、精米、麹造り、酵母、酒母、発酵温度、搾り、火入れ、熟成などが違えば、出来上がるお酒も変わります。

そして、そこが知識を持って飲み比べる面白さでもあります。

例えば同じ原料や製法のお酒を何本か飲んでいくと、「この条件のお酒の中では、この造り手の表現が自分には一番しっくりくる」と感じることがあります。

少しお芝居に例えるなら、「同じ演目でも、演じる役者が変われば表現も変わる」のと似ています。

原料や酵母、製法などの条件が「演目」だとすれば、それをどう表現するかには、造り手の考え方や技術、それぞれの造り手ならではの個性が現れます。

質問4:お酒の知識が増えると、お酒選びはどう変わりますか?

最初は、「甘いのが好き」「辛口が好き」「飲みやすいお酒が好き」といった大きな感覚で選んでいたものが、知識と飲んだ経験が結びついてくると、少しずつ自分の好みを細かく捉えられるようになります。

例えば日本酒なら、

「生酛でも軽快なタイプが好き」
「この酒米を使った中では、この蔵の表現が好き」
「火入れなのにフレッシュなタイプが好き」

といった具合です。

つまり、知識が増えること以上に、“知識によって整理された飲酒経験”が増えていくことが大きいのだと思います。

それによって、単にお酒を分類できるようになるだけではなく、「自分は何を面白いと思うのか」「どんな表現を美味しいと感じるのか」も、少しずつ見えやすくなってきます。

この「お酒の用語・知識解説」も、用語を暗記するための読み物というより、お酒を見る視点を一つずつ増やしていくための読み物として使ってもらえればと思っています。