地酒専門店「酒逢」の店主が、入荷ごとに実際に開栓・試飲して記録しているテイスティングレビューの一覧です。
各商品ごとの具体的な香り、口当たり、旨み、余韻、おすすめの飲み方(温度帯)から、相性の良いおつまみ(ペアリング)まで、ご購入前の安心な判断材料としていただけるよう、できるだけ詳しくご紹介しています。あなたにぴったりの最高の1本を選ぶ参考に、ぜひご活用ください。
店主の味見ログ
南部美人のど真ん中、ここにあり🎯 | 純米吟醸(緑ラベル)、エレガントで綺麗な「蔵の主力」
岩手・南部美人の看板商品「純米吟醸」を試飲。心地よい吟醸香とお米の甘みがほのかに広がる、優しく綺麗で上品な一杯です。キレの良さも兼ね備えた、まさにエレガントな南部美人の王道を行く味わいを詳しく解説します。
出羽桜が誇る「美しい熟成」の極致 | 大吟醸 雪漫々、風格漂う大看板の円熟味
山形・出羽桜酒造の「雪漫々」を試飲。厳しい基準を満たした大吟醸を低温でじっくり熟成させることで、フルーティーな香りを残しつつ、驚くほど角の取れた円熟の味わいを実現しています。内に秘めた華やかさと、素晴らしいまとまりの逸品を詳しく解説します。
軽快ながら芯のある、実力派純米酒 | 一乃谷 純、驚きの良心的価格で愉しむ福井の美酒
福井・宇野酒造場の「一乃谷 純」を試飲。名水百選「お清水(おしょうず)」を仕込み水に使用し、非常に綺麗なタッチと「絹のように」滑らかな口当たりを実現しています。軽快な飲み心地の中に純米酒らしい芯の強さを秘めた、知る人ぞ知るコストパフォーマンス抜群の一本を詳しく解説します。
冷でよし、燗でなおよし。 | 国権 純米酒、湯豆腐からすき焼きまで寄り添う万能な"宅飲みの相棒"
湯豆腐や里芋の煮物といった薄味から、すき焼きや生うになどの濃厚な味わいまで。旨味がしっかりした和食全般にきっちり寄り添う、正統派の食中酒です。熱めのお燗で一気に柔らかく、優しく変化する「お燗マジック」の楽しみ方と、おすすめのペアリングを紹介します。
コスパ大爆発!毎日飲みたくなる"相棒"のような酒 | 出羽桜 誠醸辛口、地元で愛され続ける不動の日常酒
湯豆腐などの淡白な料理から、餃子やチヂミといったスタミナ料理まで。どんなメニューとも付き合ってくれる、まさに「食中酒の鑑」と呼べる一本です。酔い覚めも良く、毎日飲んでも飲み飽きない。暮らしに寄り添う出羽桜のスタンダード酒、「普通酒にしては」「安い割には」じゃない、その美味しさを詳細に綴りました。
時間だけが成し得る「美しい熟成」 | 出羽桜 枯山水、3年の眠りを経て円熟した逸品
山形・出羽桜酒造が1984年から醸し続ける熟成酒「枯山水」を試飲。3年間の熟成により角が取れ、まろやかに円熟した唯一無二のバランスが魅力です。淡麗な酒が時間の経過とともに「美しく枯れた」成長を遂げた、その絶品な食中酒としての魅力を詳しく解説します。
南部美人ブランドの最高峰 | 純米大吟醸 山田錦35%、JAL国際線ファーストクラスにも選ばれてた逸品
岩手・南部美人の最高傑作「純米大吟醸 山田錦35%」を試飲。JAL国際線ファーストクラス機内酒にも採用された、格調高く・奥行きがあり・かつ極めて繊細な味わいが魅力。その濃密で奥行きのある至高の一杯を詳しく解説します。
ワイングラスで、ゆっくりと香り楽しんで飲みたい | 南部美人 大吟醸、生ゆばや赤貝に寄り添うお上品な風格
岩手・南部美人の実力派「大吟醸」を試飲。岩手県産米「結の香」を40%まで磨き、華やかな香りと甘み・旨味をしっかり残した淡麗な仕上がりが魅力です。ニューヨークの一流レストランでも提供され、日本のみならず世界で愛される、しっとりと綺麗な酒質の魅力を詳しく解説します。
凛とした気品と、芯のある美しさ | 国権 純米大吟醸 一吉、超軟水が醸すお上品な香りと旨味
福島・国権酒造の高級ライン「一吉」を試飲。「うつくしま夢酵母」が醸し出す気品あふれる香りと、純米大吟醸ならではの奥深い旨みが調和しています。派手すぎず透明感のある、お上品で出過ぎない香り系の真髄を詳しく解説します。
おせち料理やとんこつ鍋、ハレの日を彩る。 | 繁桝 箱入娘、濃淳な旨味が料理を惹き立てる
おせちから、福岡らしいとんこつ鍋やすき焼きまで。お酒そのものにしっかりとした旨味と酸があるため、味の濃いお料理とも絶妙に響き合います。常温に近づくほどに増していく旨味を楽しみながら、大切な方とゆっくり味わいたい逸品を詳しく紹介します。
出羽桜のとって"初の市販大吟醸"、"吟醸の出羽桜"の原点 |出羽桜 大吟醸、氷温熟成が奏でるとびきりの優雅さ
山形・出羽桜酒造の市販大吟醸第一号である「出羽桜 大吟醸」を試飲。マイナス5度の氷温熟成が育んだ、和紙のように繊細で優雅な味わいと美しい香りが魅力です。蔵人の愛情と伝統の技が詰まった、食卓を格調高く彩る一本の真髄を詳しく解説します。
吟醸酒の創世記に辿り着いた、揺るぎなき伝統の味 | 満寿泉 大吟醸 寿、能登杜氏の技が息づく品格の極み
富山・桝田酒造店の大定番高級酒「満寿泉 大吟醸 寿」を試飲。能登四天王の一人、三盃幸一氏が辿り着いた「粕をたくさん出す」という基本を忠実に守った贅沢な造りと、それによるこの上なく上品な味わいが特徴。品良く軽やかな香りと、一切の引っ掛かりがない上質な味わいを詳しく解説します。
🍶 日本酒の選び方・楽しみ方についてのよくある質問(クリックで展開)
① 特定名称分類(純米・吟醸など)の捉え方について
質問:そのお酒の特定名称を見れば、ある程度の味の傾向はわかりますか?
返答:特定名称は、あくまで原料や精米歩合による分類ですので、いわゆる”当社比”のようなものと考えて下さい。「その蔵の商品の中」ではある程度の傾向は把握できます(純米は純米吟醸よりも旨味があり、純米大吟醸は透明感や高級感がある…など)。しかし一般的にお酒を選ぶ場合は、ひとつの酒蔵の商品ラインナップ内で選ぶことは少なく、複数の酒蔵のラインナップの中からお酒を選ぶ場合は、それほど明確な指標にはなりません。仕込み水・酒米・酵母・酒母・温度経過…など、日本酒の味は無数の分岐によって左右されるので、特定名称は参考程度で把握されることをお勧めします。
② スペック(数値)による味の予測について
質問:酒米、酵母、日本酒度などのスペックから、味を予測することはできますか?
返答:正確には予測できません。数値や原材料の種類はあくまで「点」に過ぎず、それらが複雑に絡み合って日本酒の風味を形成しています。例えば「〇〇米のお酒」を何種類か飲んで、どれも美味しかった場合でも、それは「〇〇米が優れた米だから」ではなく、「その米の特性を理解した造り手が、そのポテンシャルを引き出す造り(精米や吸水や温度管理…など)をした結果」だと思って下さい。
同じ米、同じ酵母、同じ数値でも、蔵の仕込み水や設備、造り手の技術や手のかけ方で驚くほど味は変わります。スペック表を見てお酒を選ぶ時、例えば「生酛」「純米」「〇〇米」「△△酵母」とあった場合は、「カテゴリ:時代劇」「演目:忠臣蔵」「主演〇〇」「助演△△」と書いてあるようなものです。もちろん監督さんはその酒蔵さんです。「どんな作品なのか楽しみだ」といったスタンスで楽しむことをお勧めします。
③ 醸造アルコールについて
質問:醸造アルコールが添加されているお酒は避けたほうがいいですか?悪酔いすると聞いたのですが…
返答:残念ならが「純米=善、アル添=悪」と考えている方が一定数いるのは事実ですが…、醸造アルコール添加はむしろ「キレ」や「香り」をデザインするための、高度な技術の一つであり、醸造アルコール→悪酔いと直結するものではありません。一般的に…、吟醸香(=高級エステル香)はアルコールにのみ溶けるので、アルコール添加をしたほうが香りを多く保ちやすいこと、また口当たりの滑らかさやキレが良くなるという点で使用されているものが多いので、もしかするとその「悪酔いする」と言っていた人が悪酔いしたのは…、飲みやすくて飲み過ぎてしまったのかもしれません。
④ 失敗しない「選び方」のコツ
質問:自分の好みに合うお酒を、どうやって見つければいいですか?
返答:御覧頂いた「酒逢店主のテイスティングレビュー」に記載のあるスペックを参考程度に見たうえで、どんな香りや口当たりなのかもサラッと確認して、特に「おすすめされているおつまみ」の傾向をチェックしてみてください。「〇〇のような香り」「〇〇な口当たり」といった感想は個人差も発生しますが、「このお酒、〇〇に合いそう」という感覚は、一番ズレが少ない共通感覚であると考え、必ず少なくとも数種類のおつまみ名を記載していますので、ご参考にして下さい。
⑤ 日本酒という「趣味」の楽しみ方
質問:自分にとっての「正解の1本」をどう探せばいいですか?
返答:日本酒の「合う・合わない」は、その日の体調や疲れ具合、一緒に食べる料理、さらには一人で飲むか、誰と一緒に飲むか…でも変化します。また「自分の好みの方向」ですら、時間とともに変わっていくものです。正解を求めるよりも、「今の自分にはこれが心地よい」という一期一会の変化を楽しむ中で、無限のバリエーションに触れ、その探求のプロセス自体を楽しむのが、日本酒という趣味の醍醐味だと考えています。