特定名称分類で探す(アル添系)
精米歩合の基準と、醸造アルコールを加えるかどうかで日本酒を8つのタイプに分けた、 お酒選びのための「目安」となる分類です。
とはいえ、あくまで目安なので、「吟醸だからこの味」と決めつけられるものではありません。
特定名称(アル添系)に関してもっと詳しく
ちょっと嫌われがちなアルコール添加ですが、私は大好きです
「醸造アルコールが入っている日本酒=悪い酒」というイメージ、いまだに根強いですよね。 でも実際には、純米系には純米系の良さ、アル添系にはアル添系の良さがあります。 どちらか一方を悪者にするより、「違う武器を持った2つのスタイル」くらいに見てもらえたら嬉しいです。
なぜアル添が嫌われるようになったのか?
大きな理由のひとつは、戦中戦後の物資不足の時代です。 少ないお米からいかに多くのお酒を造るかが最優先だった時期があり、 アルコールや糖類を足して“かさ増し”したお酒がたくさん造られました。
その名残で、「安酒といえばアル添」「飲むと頭が痛くなる」みたいなイメージだけが ずっと語り継がれてしまいました。グルメ漫画などでもディスられる役回りが多かったので、 なおさら悪者ポジションが固定されてしまった感があります。
じゃあ、今のアル添系はどうなの?
もちろん、今でもコストを抑える目的で醸造アルコールを使うお酒はあります。 それ自体が「悪」なわけではなく、「日常酒としてたくさん飲める価格」を実現するための設計です。
一方で、品質を良くするための“少量のアル添”が今はメインです。 例えば──
- 口当たりをサラサラにして、キレの良い後味に整える
- 吟醸香(アルコールにしか溶けてくれない)をしっかり保持し、香りをたっぷり・きれいに残す
こうした理由から、全国新酒鑑評会の出品酒でも、アル添タイプが長く主流でした。 「増量のため」ではなく、「香りやキレを整えるための、ほんの少しのブレンド」という使い方ですね。
アル添じゃないと出せない良い要素もたくさんあるので、 ぜひ飲まず嫌いせずに、純米系と飲み比べてみてほしいところです。
ちなみに普通酒もアル添です。美味しい普通酒も山ほどあります
厳密にいうと特定名称酒からは外れますが、いわゆる「普通酒」もアル添のお酒です。 「特定名称じゃない=ダメ」ということは全くなくて、 丁寧に造られた“普通酒”の中にも、食中酒として美味しい逸品がゴロゴロ転がっています。
アル添系5種類(特定名称4種類+普通酒)をざっくり整理すると…
ここでは、精米歩合と醸造アルコール添加のイメージを、かなりざっくりと並べておきます。
-
大吟醸酒
精米歩合50%以下の白米を使い、
原料米総重量の10%以下の醸造アルコールを少量だけ加えたお酒。
吟醸造りで、香り・味わい・色合いが特に優れているもの。 -
吟醸酒
精米歩合60%以下の白米を使い、
原料米総重量の10%以下の醸造アルコールを加えたお酒。
低温でじっくり発酵させる吟醸造りで、華やかな香りと軽やかな飲み口が特徴。 -
特別本醸造酒
本醸造酒よりもう一段磨いたりタイプ。
精米歩合60%以下+原料米総重量の10%以下の醸造アルコール添加。 -
本醸造酒
精米歩合70%以下の白米を使い、
原料米総重量の10%以下の醸造アルコールを加えたお酒。
少量のアル添で、香りを立たせつつキレのよい飲み口に整えたスタイルです。 -
普通酒
原料米総重量の10%以上の醸造アルコールを加えたアル添酒の総称。
精米歩合やアルコール添加量のルールが特定名称ほど厳しくないぶん、
日常酒向けに価格を抑えたものから、造りにこだわった“うまい普通酒”まで幅広いゾーンです。
こんなふうに眺めてみると、アル添系は決して「まぜもの」ではなく、
香りやキレをデザインするためのもう一つの選択肢だということが伝わるかなと思います。
気になる銘柄があれば、ぜひ純米系と飲み比べてみてください。