地酒専門店「酒逢」の店主が、入荷ごとに実際に開栓・試飲して記録しているテイスティングレビューの一覧です。
各商品ごとの具体的な香り、口当たり、旨み、余韻、おすすめの飲み方(温度帯)から、相性の良いおつまみ(ペアリング)まで、ご購入前の安心な判断材料としていただけるよう、できるだけ詳しくご紹介しています。あなたにぴったりの最高の1本を選ぶ参考に、ぜひご活用ください。
店主の味見ログ
辛口なのに旨味あり、低精白なのに雑味なし | 国権 純米辛口生 青てふ、食中酒の鑑
福島・国権酒造の「国権 純米辛口生 青てふ」を試飲。精米歩合80%ながら雑味は少なく、米の旨味、生酒らしいフレッシュさ、柔らかな酸、後半の辛口感が調和。刺身から和食全般まで寄り添う食中酒を詳しく解説します。
冷で良し、燗でなお良し 、コスパも大爆発!| 一乃谷 大辛口純米酒、やさしく柔らかな大辛口純米酒
穴子天、揚げ出し豆腐、焼き鳥ささみわさび、肉じゃが、赤貝刺身、ぶり大根など、旨味のある和食と合わせたい一本。一乃谷 大辛口 純米酒は、軽快なタッチと優しい旨味、燗でふくらむ米の香りが魅力です。
クラシックで辛口、でも水のように滑らか | 満寿泉 特撰大吟醸、海の幸に寄り添う“良いお酒”
富山・桝田酒造店の「満寿泉 特撰大吟醸」を試飲。柑橘や和梨を思わせる上品な香り、ふわふわ滑らかな口当たり、ほどよい辛口感が魅力です。冷やでもぬる燗でも楽しめる、海の幸に寄り添う大吟醸を詳しく解説します。
日本酒と白ワインのちょうど中間?和洋折衷の個性派な純米吟醸 | 山本 純米吟醸 和韻、酵母のハイブリッドが生む絶品食中酒
秋田・山本酒造店の「山本 純米吟醸 和韻」を試飲。シャルドネ用ワイン酵母と秋田の清酒酵母を使った限定酒で、日本酒らしい旨味とワイン的な酸味が絶妙に調和します。和洋折衷の食中酒として、香り・口当たり・相性の良い料理まで詳しく解説します。
低アルコールで超軽快、でも薄くない13%原酒 | 国権 スワローラベル、夏に飲みたい絶妙バランスの純米吟醸
福島・国権酒造の「国権 純米吟醸原酒 スワローラベル」を試飲。アルコール13度の低アルコール原酒ながら、薄さを感じさせない柔らかな旨味と軽快な飲み口が魅力です。りんご系の香り、ふわりと広がる口当たり、夏向きの爽やかな味わいを詳しく解説します。
"萩の鶴らしさ"と"正統派大辛口”の両立 | 萩の鶴 辛口純米吟醸、軽快でキレッキレな食中酒
宮城・萩野酒造の「萩の鶴 辛口純米吟醸」を試飲。甘さを抑え、締まりのある酸とシャープな旨味、軽快で心地よいキレを持つ日本酒度+10の正統派辛口酒です。柑橘や和梨を思わせる控えめな香りと、きちんと辛い飲み口を詳しく解説します。
瑞々しさ・優しい旨味・でもピリリと辛い! | 手取川 夏 純米辛口、四季シリーズ“夏”らしい軽快な食中酒
口当たりはさらふわ9+直後にくるお上品な甘みと透明感。控えめな果実香と軽快なまとまりの後に、舌の上で辛口のピリピリが長めに残ります。螢川の幻想的な情景を思わせる、瑞々しく爽やかな夏酒を詳しく綴ります。
口の中に打ち上がる、軽快で透明な花火 | 天明 さらさら純米 打ち上げ花火、柑橘の酸と甘みがふわっと消える夏酒
福島・曙酒造の「天明 さらさら純米 lovely summer 打上花火 fireworks」を試飲。低アルコールながら、透明感、甘み、酸、旨味のバランスが秀逸。酵母3種、速醸酛と生酛、白麹四段など、複数原酒のブレンドが生む夏酒らしい軽快さを詳しく解説します。
出羽桜 一耕 本生に合う料理は?メンチカツ・豚の角煮・すき焼きと楽しむ定番酒レビュー
山形県・出羽桜酒造の「出羽桜 特別純米酒 一耕 本生」を味見レビュー。穏やかな香り、フレッシュな口当たり、重層的な米の旨味まで詳しく紹介します。
作 大吟醸 陽山一滴水|滑らかさと高級感がほとばしる逸品を味見レビュー
三重県・清水清三郎商店の「作 大吟醸 陽山一滴水」を味見レビュー。さらさらと滑らかな口当たり、バニラや桃を思わせる上品な香り、柔らかな余韻まで詳しく紹介します。
手取川 純米大吟醸 脈 Pink|甘酸っぱく上品な山廃純米大吟醸を味見レビュー
手取川 純米大吟醸 脈 Pinkをテイスティング。ヨーグルトのような香り、イチゴやすもも、葡萄を思わせる甘酸っぱさ、シルクのような口当たりを詳しく紹介します。
青リンゴ、高級な和梨、レモンの爽快感。作 玄乃智 純米酒のさらさら軽快な味わい
三重県・清水清三郎商店の「作 玄乃智 純米酒」を味見レビュー。軽快な口当たり、青リンゴや高級な和梨を思わせる香り、キレの良い酸まで詳しく紹介します。
🍶 日本酒の選び方・楽しみ方についてのよくある質問(クリックで展開)
① 特定名称分類(純米・吟醸など)の捉え方について
質問:そのお酒の特定名称を見れば、ある程度の味の傾向はわかりますか?
返答:特定名称は、あくまで原料や精米歩合による分類ですので、いわゆる”当社比”のようなものと考えて下さい。「その蔵の商品の中」ではある程度の傾向は把握できます(純米は純米吟醸よりも旨味があり、純米大吟醸は透明感や高級感がある…など)。しかし一般的にお酒を選ぶ場合は、ひとつの酒蔵の商品ラインナップ内で選ぶことは少なく、複数の酒蔵のラインナップの中からお酒を選ぶ場合は、それほど明確な指標にはなりません。仕込み水・酒米・酵母・酒母・温度経過…など、日本酒の味は無数の分岐によって左右されるので、特定名称は参考程度で把握されることをお勧めします。
② スペック(数値)による味の予測について
質問:酒米、酵母、日本酒度などのスペックから、味を予測することはできますか?
返答:正確には予測できません。数値や原材料の種類はあくまで「点」に過ぎず、それらが複雑に絡み合って日本酒の風味を形成しています。例えば「〇〇米のお酒」を何種類か飲んで、どれも美味しかった場合でも、それは「〇〇米が優れた米だから」ではなく、「その米の特性を理解した造り手が、そのポテンシャルを引き出す造り(精米や吸水や温度管理…など)をした結果」だと思って下さい。
同じ米、同じ酵母、同じ数値でも、蔵の仕込み水や設備、造り手の技術や手のかけ方で驚くほど味は変わります。スペック表を見てお酒を選ぶ時、例えば「生酛」「純米」「〇〇米」「△△酵母」とあった場合は、「カテゴリ:時代劇」「演目:忠臣蔵」「主演〇〇」「助演△△」と書いてあるようなものです。もちろん監督さんはその酒蔵さんです。「どんな作品なのか楽しみだ」といったスタンスで楽しむことをお勧めします。
③ 醸造アルコールについて
質問:醸造アルコールが添加されているお酒は避けたほうがいいですか?悪酔いすると聞いたのですが…
返答:残念ならが「純米=善、アル添=悪」と考えている方が一定数いるのは事実ですが…、醸造アルコール添加はむしろ「キレ」や「香り」をデザインするための、高度な技術の一つであり、醸造アルコール→悪酔いと直結するものではありません。一般的に…、吟醸香(=高級エステル香)はアルコールにのみ溶けるので、アルコール添加をしたほうが香りを多く保ちやすいこと、また口当たりの滑らかさやキレが良くなるという点で使用されているものが多いので、もしかするとその「悪酔いする」と言っていた人が悪酔いしたのは…、飲みやすくて飲み過ぎてしまったのかもしれません。
④ 失敗しない「選び方」のコツ
質問:自分の好みに合うお酒を、どうやって見つければいいですか?
返答:御覧頂いた「酒逢店主のテイスティングレビュー」に記載のあるスペックを参考程度に見たうえで、どんな香りや口当たりなのかもサラッと確認して、特に「おすすめされているおつまみ」の傾向をチェックしてみてください。「〇〇のような香り」「〇〇な口当たり」といった感想は個人差も発生しますが、「このお酒、〇〇に合いそう」という感覚は、一番ズレが少ない共通感覚であると考え、必ず少なくとも数種類のおつまみ名を記載していますので、ご参考にして下さい。
⑤ 日本酒という「趣味」の楽しみ方
質問:自分にとっての「正解の1本」をどう探せばいいですか?
返答:日本酒の「合う・合わない」は、その日の体調や疲れ具合、一緒に食べる料理、さらには一人で飲むか、誰と一緒に飲むか…でも変化します。また「自分の好みの方向」ですら、時間とともに変わっていくものです。正解を求めるよりも、「今の自分にはこれが心地よい」という一期一会の変化を楽しむ中で、無限のバリエーションに触れ、その探求のプロセス自体を楽しむのが、日本酒という趣味の醍醐味だと考えています。