南部美人|株式会社 南部美人
このページは、岩手県二戸市の酒蔵・㈱南部美人が手がける日本酒「南部美人」の取扱い商品一覧ページです。
- 所在地 :岩手県二戸市福岡上町13
- 創業 :明治35年(1902年)
- 代表銘柄:南部美人
南部美人が位置するのは、岩手県最北部、馬仙峡(ばせんきょう)の巨大な岩壁を望む二戸市。冬にはマイナス10度を優に下回る厳寒の気候と、その強固な岩盤から湧き出す中硬水の伏流水に恵まれた土地で、南部杜氏の技術を受け継ぎながら酒造りを続けています。
「南部美人」が目指してきたのは、その名にも込められた「綺麗で美しい酒」。口に含んだ瞬間に広がる上品で華やかな甘みと、ふわりと消えていく優美な後口が、まさに「南部美人」らしい酒質の特徴です。
▶ 南部美人のコンセプト・こだわりなど
「堀の友」から「南部美人」へ
南部美人の歴史は、1902年(明治35年)、初代蔵元・久慈末太氏が二戸の地で酒造りを始めたことに遡ります。久慈家はもともと醤油醸造を営んでおり、その醸造技術を日本酒造りへと生かしての創業でした。
創業当時の銘柄は、現在の「南部美人」ではなく「堀の友」。二戸市堀野周辺から職人を迎え、自社の井戸や武内神社境内の井戸から得た水を酒造りに用いていたことにちなみ、この名が付けられたとされています。
大きな転機となったのが1951年(昭和26年)。三代目・久慈秀雄氏の時代、戦後の日本酒市場が新たな時代を迎える中で、南部美人はより一層の品質向上を目指し、南部杜氏を迎えて酒造りを磨いていきます。当時の二戸税務署長の指導も受けながら、目指す淡麗できれいな酒質を「美人」に例え、旧南部藩にちなむ「南部」と合わせて誕生したのが、現在まで続く「南部美人」という銘柄です。
その後の酒造りを支えたのが、後に「現代の名工」にも選ばれた山口一杜氏。蔵の清潔さや麹造りを重視する酒造りの精神と技術は、現在の南部美人にも大切に受け継がれています。
太陽のような酒
五代目蔵元・久慈浩介氏が掲げるのは、「飲んだ人が笑顔になる、太陽のような酒」。南部杜氏の伝統的な寒造りを継承しながら、徹底した品質管理と最新技術を融合させることで、雑味のない透明感と、宝石のような気品ある甘みを両立させています。
この「綺麗で美しい」酒質を支えるのが、折爪馬仙峡の岩盤から湧き出す中硬水の伏流水。適度なミネラル分を含む水が、繊細な甘みをきりっと引き立て、しっとりと柔らかな口当たりを形作ります。優雅で華やかな立ち上がりからスッと引いていく美しい余韻こそが、南部美人が愛される理由が凝縮されていると感じます。
岩手の酒米を生かした酒造り
南部美人では、仕込み水だけでなく、酒米にも岩手という土地との結びつきが色濃く表れています。
中心となるのは、岩手県・岩手県酒造組合・岩手県工業技術センターが共同開発した県オリジナルの酒造好適米「吟ぎんが」と「ぎんおとめ」。「吟ぎんが」は主に吟醸酒、「ぎんおとめ」は純米酒や本醸造などに使われています。さらに大吟醸向けに開発された岩手県産酒米「結の香」も使用されています。
中でも「ぎんおとめ」は岩手県北部で栽培される酒米で、南部美人では地元・二戸市金田一の営農組合による契約栽培米も使用。地元の米と水、そして南部杜氏から受け継いだ技術を組み合わせることで、二戸の風土を酒質へとつなげています。
また「ビューティーシリーズ」は、すべて純米大吟醸として造られるシリーズ。精米歩合や酵母などの条件を揃えながら、山田錦・愛山・美山錦など使用する酒米を変えることで、米そのものによる味わいの違いを楽しめる設計になっています。同じ純米大吟醸という条件の中で酒米ごとの個性を比較できる、南部美人の「米」に対する考え方が分かりやすく表れたシリーズです。
世界が認めたチャンピオン・サケの称号
その卓越した品質で、世界最大級のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2017」の日本酒部門において、世界1位の称号「チャンピオン・サケ」を受賞。またJAL国際線ファーストクラスへの採用など、今や日本を代表する美酒として確固たる地位を築いています。
もう一つの顔「雄三スペシャル」
王道の南部美人ラインナップと並び、この蔵の懐の深さを象徴するのが、常務の久慈雄三氏が手掛ける「南部美人 雄三スペシャル」です。華やかで美しい南部美人のイメージとは対照的に、より米の力を引き出した、骨太でキレのある食中酒を提案。しっかりとした旨味がありながら、お燗にすることでさらに表情が豊かになる設計は、もう一つの南部美人の姿と言えます。
世界を見据えるアグレッシブな挑戦
「南部美人」という大看板を背負い、完璧な品質管理は当然のもの。その揺るぎない土台があるからこそ、蔵の歩みは常にアグレッシブ。90年代からの海外進出や、日本酒初のコーシャ認証取得といった世界戦略は、まさに日本酒を世界の美酒へと押し上げた先駆者の足跡と言えます。
その攻めの姿勢は技術面でも際立ち、業界の常識を覆し特許を取得した「糖類無添加梅酒」や、その源泉となった「All Koji(全麹仕込み)」など、新たな価値を創造し続ける姿勢は単なる商品開発を超え、日本酒の可能性を広げ続ける南部美人ならではの歩みと言えます。
世界を見据える先見の明と、それを支える南部杜氏の確かな技術。伝統を守りつつも、自ら日本酒の未来を定義し直すような力強い体質に、南部美人の魅力を感じます。